中国経済「逆回転」で崩壊へ…!習近平政権が迎えた「かつてないピンチ」 不動産価格上昇の「神話」が崩壊した

消費がコロナ前に戻らない
このところ、中国経済の回復ペースは予想より鈍い。大きな要因の一つに不動産市況の低迷がある。
土地の譲渡益は減少し、地方財政の悪化は鮮明化した。そのため、共産党政権は思い切った経済対策が打ちにくい状況だ。
不動産投資、インフラ投資など、これまで中国の高い成長を支えてきた要因が逆回転している。
5月の主要な経済指標を確認すると、個人の消費は鈍化した。GDP(国内総生産)の3割近くを占める不動産の投資減少は鮮明だ。
輸出も予想以上に減少した。不動産投資の減少は、過剰生産能力を深刻化させている。そうした要素に影響され、16~24歳(若年層)の調査失業率が上昇した。
6月に入って以降も、景気持ち直しペースはかなり緩慢だ。6月22日から始まった端午節の連休中、旅行支出はコロナ禍前の水準を上回らなかった。
景気の減速、停滞を警戒して、節約志向を強める個人は増えている。それによって、不動産市況の低迷も深刻化するだろう。中国経済の先行き不透明感は高まっている。
不動産神話の崩壊
現在、中国の経済は、高度成長期の限界を迎えつつあるようだ。特に、不動産投資の減少に歯止めがかからない。
国家統計局の発表によると、1~5月期の累計で不動産投資(マンションなどの建設)は前年比7.2%減少した。1~4月期(同6.2%減)から減少幅は拡大した。
不動産セクターでは住宅などの在庫が過剰になっている。中国恒大集団(エバーグランデ・グループ)などの資金繰り悪化、経営体力の低下によって、建設途中で放棄される物件も増えた。
不動産市況は上昇し続けるという、神話というべき強い成長期待はしぼんだ。住宅販売も低迷し、価格反発力も弱い。
不動産の開発が進まないため、土地に対する需要も減少した。それによって、地方政府の主たる財源の一つである土地利用権の売却益(譲渡益)は減少した。
中国財政省によると、1~5月期、土地売却収入は前年比20%減だった。歳入が減少しているため、地方政府は高速鉄道の建設など景気対策としてのインフラ投資を増やすことが難しい。
一方、過剰な債務、生産能力などを背景に、経済成長率は低下した。そのため、不動産だけでなく、地方政府の債務問題も深刻化している。
異次元の若者失業率に突入
リーマンショック後、不動産投資、地方政府主導のインフラ投資の増加などによって、中国経済は高い経済成長を実現した。現在、不動産市況の悪化によって、高成長を支えた経済メカニズムは逆回転している。
当面、中国経済は厳しい状況が続くだろう。今後、短期間に中国が輸出競争力を高めることは難しいだろう。
生産年齢人口の減少に伴う労働コストの増加、半導体など先端分野での米中対立の先鋭化、台湾問題の緊迫化など地政学リスクに対応するために、中国からインドやアセアン諸国に生産拠点を移す多国籍企業は増えた。
内需面では、個人消費の停滞懸念が高まっている。一つの要因として、若年層を中心に雇用、所得環境の悪化懸念は高まっている。
5月、若年層の調査失業率は20.8%に上昇した。統計開始以来で最悪の水準だ。一方、工場の閉鎖などに反発するストライキも増えている。
共産党政権がアリババをはじめとするIT先端企業への締め付けを強めたことも大きい。
当面、若年層の失業率は高い水準で推移する可能性が高い。都市部ではなく、農村部で就労機会を探そうとする若年層も徐々に増えているようだ。
共産党への信頼感(あったのか??)低下も
1990年代以降の農村部から沿海部への労働供給のメカニズムの逆回転を示唆する変化といえる。今後の所得環境の悪化を警戒し、節約を重視する家計は増えるだろう。
需要減少によって、人員削減などコストカットを急ぐ企業も増えるだろう。それが現実のものとなれば、共産党の政策運営に対する人々の信頼感も低下する恐れがある。
今のところ、習近平国家主席が主導する共産党政権が不良債権処理や構造改革を実行に移す展開も想定しづらい。
不動産、地方政府の債務問題への懸念などを背景に、海外に流出する資金も増えるとみられる。
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