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安倍総理の志は死なない!!

日中外相会談〝なめられた日本〟 中国側は人質、領海侵入で「恫喝外交」展開 「スパイ防止法や対外情報機関必要だ」島田洋一氏

習近平総書記(国家主席)率いる中国共産党政権が、「恫喝(どうかつ)外交」を展開した。林芳正外相は2日、北京で秦剛国務委員兼外相と会談し、中国当局に「スパイ容疑」で拘束された日本人男性の早期解放を要求したが、取り合わなかったのだ。沖縄・尖閣諸島周辺では、外相会談の最中も中国海警局船が日本の領海侵入を続けた。国民や国益を守り切るためにも、スパイ防止法の制定や、対外情報機関の創設が必要との意見が出ている。
約3年3カ月ぶりとなった日本の外相による中国訪問は、およそ友好的とはいえない結果に終わった。
中国当局は3月、日本の製薬大手「アステラス製薬」の現地法人幹部の男性を、「中国の刑法や反スパイ法に違反した疑いがある」(中国外務省)として拘束した。
林氏は外相会談で、これに抗議して早期解放を求めた。ところが、秦氏の回答は「法に照らして処理する」というものだった。両国の主張は平行線をたどった。
林氏は、中国が尖閣諸島を含む東シナ海や日本周辺で軍事活動を活発化させていることへの深刻な懸念も伝えた。だが、海警局船は会談中も、尖閣周辺の日本領海内を航行していた。
第11管区海上保安本部(那覇)によると、中国海警局船4隻が3月30日午前11時10分ごろ、尖閣周辺の領海に侵入した。このうち1隻は領海外側に出たが、残る3隻はその後も領海内に居続けた。領海侵入時間は、政府が12年に尖閣諸島を国有化してから過去最長となる80時間36分となった。
日本としては「人質」を取られて外交交渉に臨んだ格好で、対抗手段が必要との意見も出ている。
元大阪市長で弁護士の橋下徹氏は2日放送のフジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」で、「中国が反スパイ法で日本人を拘束したのは、どうも外交のカードとして使っているのではないか」「反撃能力というのであれば、スパイ防止法も1つのツールになるだろう。『やられたらやり返す』という姿勢を示す」などと語った。
国益が激突する外交の世界は、きれいごとではすまない。
国際政治に詳しい福井県立大学の島田洋一名誉教授は「林氏は『親中派』として中国人脈を培ってきたはずだが、今回大いに役に立ったとは思えない。カナダ当局が18年に、ファーウェイの孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を拘束した後、中国当局はカナダ人2人を拘束した。これが国際社会の冷徹な現実だ。スパイ防止法というカードのない日本は中国に揺さぶられ、なめられている。外交交渉を優位に行うためにも、スパイ防止法の制定や、対外情報機関の創設が必要だ」と語った。