Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

忘れてはいけない…「もしまた岸田さんが勝ったら、背後にいるのは財務省」《大増税計画》の強行に酔いしれる岸田総理が導くこの国の「ヤバすぎる未来」

熱心な支持者もいなければ、強烈なアンチもいない。奇妙な政権は波風を立てず、支持率をじわじわ上げる。はたしてこれは、健全な状態だろうか?
とりあえず「ばら撒き」
そもそも岸田の少子化対策は「官邸から各省庁に政策を上げるようにというお達しがあり、出てきた案をただ並べた」(前出と別の自民党中堅議員)ものだという。そのため、博物館に「こどもファスト・トラック」(子連れだと並ばずに入れる専用レーン)を設置するなど、少子化対策に直結しない政策まで出てきてしまう。
だが岸田からすれば、それでもいい。根本的な問題解決にならなくても、「少子化対策をやる」と言うだけで支持率は維持できるのだから。
経済対策についても、同じような現象が起きている。岸田政権の目玉政策は「物価対策」だ。昨年から電気代やガス代の負担を軽減するといった対策を行ってきた。これに加えて、低所得世帯には「一律3万円」、低所得の子育て世帯は「児童一人あたり5万円」を給付することになっている。
だが経済学者の野口悠紀雄氏は、「物価上昇を見えなくしただけで、何の意味もない」と喝破する。
「物価が上がったのは資源価格の高騰と、円安が原因でした。補助金をいくらばら撒こうが、円安を改善しないかぎり、物価問題は解決しません。
'22年初めに1ドル115円程度だったことを考えると、現在の1ドル130円台は大幅な円安であることに変わりはない。アメリカが金利を上げ、日本側が金利を抑えるという流れは変化していないため、円安は続いてしまいます」
円安を止めて物価高も止めるには、日銀の大規模金融緩和を見直す必要がある。だがそれをすれば金利が上昇し、景気が急降下しかねない。
スタンスは「何もしない」
ならばどうする―そこで総理の力量が試されるわけだが、岸田は「何もしない」。支持率が下がるリスクがあるならば、すべて先延ばしで何もしない。それが岸田の基本スタンスである。
「当初は『分配の強化』を掲げ、高額資産への課税を検討しました。これは正しい政策だと私は思いましたが、株価が下がったら、あっという間に撤回しました。
そして今度は『貯蓄から投資』と言い出した。円安下では、投資が国内ではなく海外に逃げてしまいます。これでは日本経済の成長に繋がるはずがありません」(野口氏)
岸田は外交や少子化対策を前面に押し出し、肝心の経済対策は「ばら撒き」でお茶を濁している。実際、「新しい資本主義」もほとんど言及されなくなり、「いかにして経済成長するか」という最重要課題は後回しにされてしまっているのだ。
表面的に耳ざわりが良いだけで、実は中身がない「岸田流」がこのまま続けば、日本は「ゆでガエル」状態になっていく。気づいた時には、G7に入れるような先進国の座から転がり落ちていてもおかしくない。
それなのに、岸田がなんとなく受け入れられている雰囲気なのはなぜなのか。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は語る。
「最大の理由は、八方美人だからです。安倍晋三元総理と違って、岸田さんには岩盤支持層がない。だから子育て世代にアピールしたり、保守派を意識して憲法改正に意欲を見せたりと、多方面にうまくすり寄っている」
波風を立てなければ選挙に勝てる
唐突に「花粉症はもはや我が国の社会問題。対策に取り組む」と言い出したり、裕子夫人の訪米を計画したり、支持率上昇につながるなら、岸田総理は無節操に飛びつく。
防衛大学校の卒業式では「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と述べ、中国による台湾侵攻を見据え、警戒を促す発言をした。かと思えば林芳正外相を中国に送り込み、日中関係の改善をアピールする。
個別の言動だけを見れば、「一部の誰か」が喜びそうなことばかり連発するが、全体を見渡すと一貫性や整合性がまったくない。つまり「芯」がない―。
結局、何をやっているのかよく分からないが、可もなく不可もなく、大きな波風を立てず、細かい点数稼ぎで支持率を維持する。そうすれば選挙は勝てる。それが岸田の目論見と言える。
選挙に勝ったらどうする
では、選挙に勝ったらどうするのか。忘れてはならないのは、岸田の背後にいるのは財務省ということだ。
「岸田さんにとって、本当にやりたいことは増税しかありません。使命感に燃える自分に酔っているのか、最近は周囲に『国民が嫌がることでも、やらなければならないんだ』と漏らしています」(自民党幹部)
解散の名目など、どうとでもなる。サミット後に「世界平和を目指す日本のかたちを作る」などといった大義名分を立て、解散に踏み切る。
そして6月に入ると増税にも言及した「骨太の方針」を発表し、上の表にまとめたような、実は今でも進行中の「大増税計画」を実行に移していくのだ。
他にいないから、野党がだらしないから……。良くも悪くもなく、社会に好循環が生まれるわけでもなく、ただ「なんとなく」続いていく奇妙な政権。気がついたら、なんとなく日本は終わっているかもしれない。
(文中敬称略)
「週刊現代」2023年4月15・22日号より
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