Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

モスクワテロ、見えてきた全体像

全世界のRPE読者の皆様、こんにちは!


北野です。




3月22日、モスクワ近郊のコンサートホールで起きたテロ。


2日前にメルマガを出したときは、情報が少なすぎて、よ
くわかりませんでした。


しかし、テロ発生から3日が過ぎ、全体像が見えてきたの
でお伝えします。




▼起きたことを時系列でみてみると




まず3月7日。


アメリカは、クレムリンに、「モスクワでテロの可能性が
ある」と警告しました。


『読売新聞オンライン』3月23日。




〈テロに関する情報については、在ロシア米国大使館が7
日、モスクワで「コンサートを含む大規模な集会」を標的
にしたテロを起こす計画の存在を公表していた。
AP通信は、米側が露当局者と情報を共有したと伝えた。〉
ーー



これ、ロシアメディアが3月8日に報道していたので、間
違いありません。


たとえば『プロエクティ』3月8日付。


出所はこちら。↓
https://www.svoboda.org/a/ssha-i-velikobritaniya-predupredili-ob-ugroze-teraktov-v-moskve/32853076.html


元記事をざっくり訳してみましょう。




〈3月7日夜、在ロシア米国大使館は今後2日間にモスクワ
でテロ攻撃の脅威があると警告した。


「大使館は、コンサートを含むモスクワの大規模な集会を
襲撃する過激派の計画に関する報告を監視している。


米国国民は今後48時間、人混みを避けるよう勧告される」
と米国大使館のウェブサイトには記載されている。


さらに、国務省はロシアへの渡航の危険レベルを最大4
に引き上げたとコメルサント紙は指摘した。


英国外務省はウェブサイトに米国の警告を掲載した。


金曜朝、ラトビア外務省は同胞に対しロシアへの旅行を控
えるよう呼び掛け、またこの国の国民に対してはできるだ
け早く国境を離れるか、少なくとも大規模な集会を避ける
よう呼び掛けた。


金曜日後半には、主に在ロシア米国外交使節団からの情報
により、韓国、カナダ、ドイツ、チェコ共和国、スウェー
デンも警告に加わった。


ロシア当局はこの情報についてコメントしていない。


3月8日、モスクワでは国際女性デーにちなんだ多くのイベ
ントが計画された。〉
ーー




3月8日付の記事が残っている。


つまり、アメリカは、確かにロシア政府に「大きなテロの
準備が行われていること」を警告していたのです。


そして、イギリス、ラトビア、韓国、カナダ、ドイツ、チ
ェコ、スウェーデン


がこの警告を真剣に受け止め、自国民に注意を促していま
した。



ところが、3月8日、9日にテロは起こりませんでした。


理由はわかりませんが、「アメリカの警告が報道された」
ことで、


テロリストたちは、「ヤバイ!ばれてるぞ。延期だ!」
となったのかもしれません。



一方、予告されたテロが起こらなかったことで、プーチン
は何を感じたのでしょうか?


これは、私の主観的な意見です。


アメリカが、「テロが起きる可能性がある」と警告したの
は、3月8日、9日です。


そして3月15日~17日には、ロシア大統領選挙が迫ってい
る。


テロは起きなかった。



プーチンは、「大統領選前に、アメリカがフェイク情報で
ロシア国内を不安定化させたかった」と考えたことでしょ
う。




3月17日、プーチンは大統領選挙で圧勝しました。




そして、3月19日。


プーチンは、アメリカからの警告について発言しました。


『タス通信』3月19日付。


出所はこちら↓
https://tass.ru/politika/20283597?ysclid=lu4nhmokrv782069863


ざっくり訳してみましょう。




〈『プーチン大統領、ロシアでのテロの可能性に関する西
側の発言を脅迫だと非難』


ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ロシア連邦に
おけるテロの可能性に関する西側諸国の発言は完全な脅迫
だと非難した。


FSB理事会で国家元首は、


「ロシアにおけるテロ攻撃の可能性について、西側の多く
の政府機関が最近挑発的な発言をしたこと」


を回想した。


「これはすべてあからさまな脅迫であり、社会を脅迫して
不安定化させようとする意図に似ている」



とプーチン大統領は確信している。〉
ーー



ところが、プーチンが「フェイクだ」と確信したアメリカ
諜報機関の情報は、「本物」だった。


テロリストは、攻撃を延期しただけで、中止はしていなか
った。


そして3月22日、テロが起こったのです。




▼犯人は、「イスラム国」(IS)




2日前、私は犯人について「三つの可能性」を挙げました。


すなわち、



・IS
・ウクライナ
・プーチンの自作自演



あれから二日たち、どうやらISで確定みたいです。


というのも、IS系のメディアが、犯人自身が撮影した動画
を公開しているからです。


『日テレニュース』3月24日付。




〈ロシアのコンサート会場で起きた銃乱射事件で犯行声明
を出している過激派組織「イスラム国」に関連するメディ
アが23日、襲撃時に撮影したとする映像を新たに公開しま
した。


過激派組織「イスラム国」系の通信社がSNSに投稿した映
像では、襲撃グループがコンサートホールとみられる場所
で銃を乱射するなどの様子が映されています。


この中では、メンバーが「容赦なく殺せ」と指示したり、
「異教徒たちは倒された」と叫ぶ声も記録されていました。

ーー



『中央日報』3月25日付。




〈ISは23日、自分たちが運営する通信社アマクを通じ
て犯行映像の一部を公開した。動画によるとテロリストが
観客を1カ所に追い詰めて銃撃を加えるために非常階段に
火を付けるなど緻密に犯行を計画した情況が明らかになっ
た。〉
ーー




前号、前々号で触れましたが、ISは、プーチンを憎んでい
ます。


2011年にシリア内戦が起こった時、ISは、「反アサド派」
に属していました。


それが2014年6月、イラク第2の都市で油田のあるモスル
を陥落させ、シリア、イラクにまたがる広大な領域を支配
するようになった。


2014年8月、オバマ・アメリカは、IS空爆を開始。


しかし、ISはアメリカと同じく「反アサド」なので、本気
で空爆できない。


そこに登場したのがプーチンです。


プーチンの目的は「アサド政権を守ること」ですから、IS
殲滅に容赦がありません。


2015年9月から、熾烈な空爆を繰り返し、ISに壊滅的な打
撃を与えたのです。


まさにロシア軍によって、ISは衰退したのです。


それで、ISはプーチンを憎んでいます。



IS。


2014年、2015年は、誰でも知っていましたが、最近忘れ
ていた人がほとんどだと思います。


それで、「ISがモスクワでテロ!」というニュースを聞い
た時、


「唐突感」「違和感」を持った人が多かったことでしょう。



確かにISは、プーチンにボコされて、衰退しました。


しかし、その後も活動を続けています。


『中央日報』3月25日。




〈イスラム極端主義武装勢力のイスラム国(IS)のアフ
ガニスタン支部イスラム国ホラサン州(ISIS-K)は
22日、テレグラムを通じた声明で「(IS戦闘員が)攻
撃を加えて数百人を殺して負傷させた」と明らかにした。


最近数年間にわたってプーチン大統領を批判してきたIS
IS-Kは今年1月、イラン革命防衛隊傘下コッズ部隊司
令官だったソレイマニ氏の4周忌追悼式の爆弾テロによっ
て80人余りを殺害するなど数件のテロを起こしている。

ーー




▼しかし、プーチンは「ウクライナがやった」とプロパガ
ンダする




あらゆる状況から、今回のテロは「IS」がやったこと間違
いありません。


しかし、それで恥ずかしい状態に置かれているのがプーチ
ンです。


というのも、プーチンは、3月19日の演説の中で、アメリ
カの警告を「脅迫だ!」と一蹴したからです。


ところが、実際にテロが起こってしまった。


誰の責任ですか?


そう、アメリカ諜報の警告を笑い飛ばしたプーチンの失態
です。


ですが、大丈夫。


プーチンは、国内メディアを完全に支配しているので、自
分の権威が失墜しないよう、どうにでもすることができる
のです。


それだけでなく、プーチンは、今回のテロを、自分の政治
目的達成のために利用すらします。


どうやって?



ISが、「俺たちがやった!」と宣言し、証拠動画を提示
しているにもかかわらず、



「あれは、ウクライナがやった!」



と根拠のない主張をしています。


『読売新聞オンライン』3月23日。




〈プーチン氏は23日の演説で、容疑者らが



「ウクライナに向けて逃亡しようとした」



と指摘し、



「ウクライナとの国境を越えるための『窓口』が用意され
ていた」



と述べた。


ウクライナ側がテロに関与した可能性を示唆するかのよう
な主張を展開した。〉
ーーー



なんというか。


真の諜報員というか、彼にとって事実は、どうでもいいの
です。


重要なのは、「いかに現状を、自分の都合のいいように利
用するか」です。




▼これから起こってくること




クレムリンは、これからどう動くのでしょうか?


国内では、「IS説」を意図的に隠し、「ウクライナ説」を
拡散していきます。


そして、外国においても、



「ウクライナ説」





「ISの背後にアメリカがいる説」



を拡散していくことでしょう。


だから皆さん、じっくり日本の言論空間をウォッチしてい
てください。



「ウクライナ説」


「ISの背後にアメリカがいる説」



はクレムリンが、流布している「フェイク情報」です。




▼まとめ




まとめます。


・3月22日のテロは、イスラム国ホラサン州(ISIS-K)
の犯行


・アメリカは3月7日、クレムリンに「テロの可能性」につい
て警告していた


・しかし、警告があった3月8日、9日にテロは起こらなかっ


・プーチンは、この警告について「アメリカが選挙前にロシ
アを不安定化させたかっただけ」と確信した


・プーチンは3月19日の演説で、アメリカのテロに関する情
報をフェイクと笑い飛ばした


・しかし、アメリカの情報は事実で、ISによるテロが起こっ
たしまった


・プーチンは、ウクライナに罪をなすりつけることにした


・クレムリンは今後、国内でも外国でも


「ウクライナ説」
「ISの背後にアメリカがいる説」


を拡散していくだろう。


しかし、それは「フェイク情報」なので、騙されないよう
気をつけましょう。




◆重要PSPR


この世の中には、フェイク情報があふれています。


「米英情報ピラミッド」のウソに気がついた人が、


「クレムリン情報ピラミッド」に逃げた。


そしたら今度は、「クレムリン情報ピラミッド」に洗脳
されてしまった。


こんなことがよくあります。


世界で起こっている本当のことを知るためには、すべて
の情報ピラミッドを自由に行き来し、事実を突き止める
必要があります。


でも、どうやって?


世界で起こっているホントのことを知りたい方は、こち
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日本人には、【戦略的勝利】と【戦術的勝利】、


【戦略的敗北】と【戦術的敗北】


の違いがわかりにくいようです。


それで、「満州事変大勝利!」とか「真珠湾攻撃大勝利!


などと、【 戦略的敗北につながる戦術的大勝利 】


に歓喜してしまう。


今も、「プーチン負けてない!」などと譲らない人もい
ます。


とにかく、【 戦術脳 】から【 戦略脳 】にかえる
ことは、


日本とあなた自身を長期的に繁栄させるために絶対必要
です。


もうすぐ、この件を詳述した本を出版する予定ですので、
是非ご一読ください。



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