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「リニア関連資料」を見せない静岡県職員…「嘘」をついてまで資料提供を拒否する哀れな実態

「リニア問題の議論はすべて全面公開」。そう川勝平太・静岡県知事は公言している。


リニアトンネル工事に伴う大井川下流域の水資源への影響と南アルプスの環境保全を議論する国の有識者会議などのリニア会議で、川勝知事は「全面公開」を国に求めてきた。


当然、静岡県では、川勝知事の公言に従い、専門部会などのリニア議論はすべて「全面公開」しなければおかしくなる。


ところが、リニア沿線都府県知事による建設促進期成同盟会を担当する県幹部は、3月7日開催の静岡県議会建設委員会で議論されたリニア資料を必死で隠ぺいした。


川勝知事の『部分開業』論を「県の公式見解」とし、それだけでなく、リニア沿線の都府県知事と意見交換していく考えまで示した。それに中田静岡県議らが強い疑問を呈したのだ。


同委員会を傍聴した筆者は、11日、担当課へ出向き、建設委員会のリニア資料を提供するよう申し出た。
【前編】『川勝知事「全面公開」を公言するも…静岡県庁は都合の悪い資料を「隠ぺい」しているかもしれない』


「資料提供はできない」の一点張り
対応した県交通基盤部のH参事(リニア建設促進期成同盟会、東海道新幹線静岡空港新駅担当)は「議会資料は情報公開請求の対象であり、提供できない」と資料の提供を拒否した。


いくら何でも県議会で県政記者に公表している資料であり、その資料を情報公開請求しなければ提供できないことはふつうありえない。


これは単なるいやがらせである。


筆者は強く抗議したが、H参事は「提供できない」の一点張りだった。


このため、「議会で公表した資料を提供できないなど聞いたことがない。別の課ではちゃんと議会資料を提供している」と言うと、H参事は「他の課で資料を用意するならば、こちらも提供できる」と回答した。


別の課で、7日の県議会委員会資料をもらい、H参事に示すと、


H参事は「議会事務局議事課に確認したところ、議会資料は議事課で提供するのが正式な手続きだ。議会事務局へ行ってくれ」と新たな理由を持ち出して、提供を拒否した。


今度は、役所窓口でよくあるたらい回しである。


「資料を提供する」という先ほどの約束を破ったのだから、怒ってもおかしくないだろう。


それで、他の職員らがいる中で、筆者が「他の課ではちゃんと議会資料を提供している。いくら何でも対応がおかしい」などと大声で騒ぐと、H参事は渋々、資料1枚を提供した。


筆者は「当日のリニア関連の資料は別にもあったはずだ。すべて提供してほしい」と要請した。


これに対して、H参事は「環境対応であり、こちらは関係ないから提供できない」と拒否した。


結局、理由が何かわからないまま資料を隠ぺいされてしまったのだ。


公務員が「勘違い」で逃げていいのか
それで翌日の12日、県議会事務局議事課に出向き、確認したところ、担当者は「こちらでは資料を提供できない。作成した担当課でもらってほしい。当然、提供されるはずだ」と説明した。


多分、これがふつうの対応なのだろう。


このため、当日の県議会建設委員会資料をすべて閲覧させてもらい、H参事が「提供しなかった」資料を確認すると、作成したのはH参事らであることがわかった。つまり、H参事から資料をもらうのが筋となる。


H参事に、議事課による県議会委員会資料の取り扱いを説明、H参事の対応が間違っていることを指摘した。


ようやくH参事が間違いを認めたため、「最初に開示請求が必要な資料だとした理由を説明してほしい」と尋ねた。


H参事は「勘違いだった」と逃げた。公務員が単なる「勘違い」で済むはずがない。


さらに、筆者は「『県議事課に確認したところ、議会資料は議事課からもらうのが正式な手続きだ』とH参事は述べていた。そんなことを言った議事課の担当者の名前を教えてほしい」と何度も要請した。H参事の返答はなかった。


それでも回答を強く求めると、H参事はとうとう「議事課には確認していない」と答えた。


つまり、資料提供を拒否するためにH参事が勝手につくった話ということだ。H参事は嘘までついて、資料提供を拒否したかったのである。


もうひとつの重要な問題は、提供しなかったリニア資料の作成者も、H参事であり、その資料を提供できないこともおかしくなる。


資料提供を拒否した理由をH参事は「環境保全等への対応であり、関係ないと考えた」と回答した。関係ないかどうかは資料を見なければわからない。


H参事が資料を隠ぺいした理由は謎のまま
県議事課で資料を閲覧したところ、当然、必要となるリニア資料であることが判明した。


H参事が、その資料を隠ぺいしたい理由があったようだが、筆者には全くわからなかった。


12月県議会で、川勝知事が行き当たりばったりの発言をしたことで、いつの間にか、「川勝知事のリニア問題の解決策『部分開業』をJR東海は目指すべきだ」が静岡県の公式見解となってしまう。


当然、中田県議は、静岡工区に関することを想定して川勝知事の解決策を追及した。それが静岡県とは無関係の『部分開業』であれば、この解決策は単なるごまかしでしかない。


さらに『部分開業』をリニア問題の解決策だとして、リニア沿線の都府県知事の建設促進期成同盟会で意見を求めるというのだ。


このようなことをふつう「厚顔無恥」と呼ぶ。


ただH参事が当該資料を隠ぺいした理由はいまだに全くわからない。


そこで、筆者は近く、「知事の公言するリニア問題の議論を全面公開するは真っ赤な嘘ではないのか」などの疑問を記載した川勝知事宛の「申入書」を提出して、回答を求めることにした。


いくら「全面公開」で議論しても、国の有識者会議の結論に従わず、川勝知事はJR東海のリニアトンネル工事静岡工区の着工を認めないままである。


今回、わかったのは「全面公開」も、単なる「反リニア」のためのポーズであり、実際の中身など何もないことである。