Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

王毅外相に何も言い返せない茂木外相の体たらく(腹を切れ!)

(北村 淳:軍事社会学者、カッコ内は不肖私が書き足しました!)


 日本を訪問していた中国の王毅(おうき)外相が、2020年11月24日、茂木敏充外相と会談した。会談後の共同記者会見において、茂木外相は尖閣問題について「尖閣周辺海域に関する日本の立場を説明し、中国側の前向きな行動を強く求めた」と語った。
 それに対して王外相は「一部の真相が分かっていない日本の漁船が絶えなく釣魚島(尖閣諸島魚釣島)の周辺水域に入っている事態が発生している。中国側としてはやむを得ず非常的な反応をしなければならない。われわれの立場は明確で、引き続き自国の主権を守っていく。敏感な水域における事態を複雑化させる行動を(日本側は)避けるべきだ」と語り、尖閣諸島の領有権は中国にあることを主張した。
“傲岸不遜”な王外相
 この記者会見における両外相に対して、日本の政治家やメディアなどからは批判が噴出している。
 王毅外相の言動に対しては、日本に乗り込んできてズケズケと中国側の一方的な主張をまくし立て、それだけではなく尖閣問題の責任は日本にあるとの責任転嫁までするとはあまりにも傲慢にすぎる、といった非難である。
 もちろん日本側としては王外相の主張を容認することはできないし、まさに傲岸不遜な態度ということにはなるが、本当はいかなる国家においても国家を代表する者たちが領有権紛争に関して「傲慢不遜な態度」をとれなくては、そもそも領有権の主張などできるものではない。
 外交という戦いにおいては極めて当然ともいえる王外相の“傲慢”な言動に対して、今さら驚いているようでは、すでに日本側が外交戦で敗北していると言わざるをえないのである。
“腰抜け”の茂木外相(靖国神社で英霊にお詫びしたうえで腹を召されよ!)
 一方で、王外相の暴言ともいえる主張に対して何の反論もせず、「柔和な表情で」(毎日新聞)突っ立っていた茂木外相に対して、自民党の会合やメディアからは「その場で反論すべきであった」「あまりにも弱腰にすぎる」との批判がなされている。
 また、日本共産党の志位委員長も「王氏のこうした発言に何らの反論もしなければ、批判もしない、そういう対応をした。そうなると、中国側の不当で 一方的な主張だけが残る事態になる。これはだらしがない態度だ。極めてだらしがない」(産経ニュース)と極めて強く批判した。
 このような批判に対して外務省側は、共同記者会見での発言はまずホストの茂木外相が行い、次いでゲストの王外相が行うとの順番が慣例となっている、との役人的な姑息極まりない言い逃れをしている。
 そして、ある外務省幹部は「日本は大人の対応をした」とまで述べている(時事ドットコム)。だが、平和ボケした日本政府内での形式的会合の場でならばともかく、弱肉強食の論理が跋扈し国益を保護あるいは伸張するための外交の場で「大人の対応」などという生ぬるい態度が通用する道理はない。
臆病で姑息な日本政府(我々日本国民も靖国神社で英霊にお詫びし、一層奮励努力する!!)
 上記の批判のように、たしかに茂木外相の態度は腰抜けそのものであった。しかし「腰抜け」は茂木外相に始まったことではない。歴代日本政府の尖閣問題への対応は全て腰抜けであった。
 なぜならば、日本政府には尖閣問題に関して以下の3つの勇気(本来は勇気というよりは当然の態度というべきなのであるが)が欠落しているからである。
1. 尖閣諸島を巡る領土紛争が存在することを認める勇気
2. 目に見える形で尖閣諸島に対する実効支配を実施する勇気
3. 日本自身が尖閣諸島とその周辺海域の防衛態勢を固める勇気

 これらの勇気を欠落させてきた臆病極まる日本政府は、日本国内向けに「尖閣諸島を日本が実効支配している」というレトリックを述べているだけで、実際には国際社会が問題なく納得する程度に効果的な実効支配を示す努力は何も実施してはいない。
 実効支配だけではない。日本政府が実施してきた尖閣防衛策は、アメリカ政府要人たちに「尖閣諸島は日米安全保障条約5条の適用対象地域である」と発言してもらい、自国民には「万一の場合にはアメリカ軍が中国軍を蹴散らしてくれる」との虚構を流布させ、中国に対してはアメリカの“虎の威”をもって抑止効果を期待する、という実体のない愚策だけと言っても過言ではない。
魚釣島への測候所設置を急げ
 本コラムではかれこれ8年ほど前からたびたび指摘してきたが、日本が尖閣諸島とその周辺海域の主権を失陥しないためには、直ちに尖閣諸島に対して日本が施政権を行使していることを「誰の目からも明らかな形」で実施しなければならない(参考:本コラム2012年12月10日、2013年10月3日、2014年5月1日、2015年10月15日、2017年1月19日、2020年5月14日、2020年11月19日など)。
 具体的には、本コラム2020年5月14日で提示したように、尖閣諸島魚釣島に海洋測候施設と救難施設それに小型高性能灯台を設置し、非戦闘員たる測候要員と海難救助要員を常駐させることである。
 じつは、この献策と同じアイデアを、すでに20年近くも前にアメリカ海軍情報将校たちが日本側に提案していたという。それにもかかわらず「日本側は20年間自助努力を何もしてこなかったため、状況が日米側にとって危機的に悪化しつつある」との怒りの声が寄せられている。この指摘に関しては稿を改めたい。