Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

WHO舞台に米中攻防=「脱退」強気のトランプ氏―習氏は資金拠出で対抗

2020/05/20 13:03


 世界保健機関(WHO)年次総会を舞台にした米中の攻防が激化している。トランプ米大統領は「中国寄り」だと批判するWHOからの脱退の可能性を示唆した。一方で中国の習近平国家主席は、新型コロナウイルス対策として今後2年間で20億ドル(約2100億円)に上る拠出方針を表明。資金拠出を凍結したトランプ政権に対抗する姿勢を鮮明にした。
 ◇「連帯」より「対決」
 年次総会1日目に習氏はじめ各国首脳らの演説が終わった米時間18日深夜、トランプ氏はツイッターでテドロスWHO事務局長宛ての書簡を公開した。「WHOは中国に対して新型コロナ発生源の独立調査を公に求めなかった」。組織運営に関し30日以内に本質的な改善が見られなければ、「資金拠出停止を恒久化する」と警告するとともに、WHO脱退の可能性も示唆し、「中国寄り」姿勢を直ちに改めるよう要求した。
 米ネットメディア「アクシオス」によると、WHOは今月、トランプ、習両氏に対し総会での演説を招請した。「連帯感の醸成」を狙ったが、トランプ氏は拒否したという。
 代わりに総会で演説したアザー厚生長官は、コロナが制御不能になった主因の一つとして、WHOが世界の必要とする情報を得られなかったことを指摘。さらに中国を念頭に「少なくとも加盟国の一つが、新型コロナ発生を隠すため、透明性に関する義務を踏みにじった」と主張した。
 ◇国際孤立回避狙う
 「テドロス事務局長の指揮の下、WHOは世界の感染対策推進に重大な貢献をした」。オンラインで演説した習氏はこうWHOを称賛するとともに、湖北省武漢市で感染拡大が始まった当初の情報隠し疑惑にも「中国は一貫して公開、透明、責任ある態度でWHOや各国に情報提供した」と反論した。
 中国が新型コロナ発生源などをめぐり、欧州連合(EU)などが求める、国際社会の対応を検証する調査の受け入れに転じた背景には、国際的な孤立を回避する狙いがあるとみられる。ただ習氏は調査実施に関して「世界の流行収束後」に「客観・公正の原則を堅持してWHO主導で」とくぎを刺し、調査の先延ばしとWHOを通じて影響力を発揮したい思惑が見え隠れする。
 ◇WHO意義に一石の台湾
 WHO年次総会でコロナ以外にもう一つの焦点となったのが台湾のオブザーバー参加だった。結局、参加は中国による「断固反対」(中国外務省)で今年も実現せず、台湾では反発が広がった。呉※燮(※金ヘンにリットウ)外交部長(外相)は18日、「WHO事務局は中国政府の干渉を排除し、全ての会議や活動への台湾の参加を認めるべきだ」と非難を強めた。
 中国は、「一つの中国」原則を受け入れない民進党の蔡英文政権を「新型コロナを利用して独立を画策している」(外務省)と警戒感を強める。一方、ポンペオ米国務長官は、不参加決定を受け、声明を発表し、「中国の圧力にさらされ、台湾を招待しないことを選んだ」とテドロス事務局長を激しく批判し、「事務局長の独立性の欠如は、WHOの信頼性と有効性を損なう」と批判した。
 ただ台湾はWHOへの参画を求める一方で、自衛策として米国やオーストラリアといった「理念の近い国」と治療薬開発などで国際協力する姿勢を鮮明にしている。独自の新型コロナ対策で感染拡大を封じ込め、世界から高く評価されている台湾は、WHOの存在意義に一石を投じた格好だ。

台湾の蔡英文政権が2期目スタート、中国の「一国二制度」改めて拒否 就任演説

2020/05/20 11:25


 【台北=矢板明夫】1月の総統選で再選された台湾の蔡英文総統は20日午前、台北市内の総統府で就任式に臨んだ。副総統の頼清徳・前行政院長(首相に相当)とともに宣誓し、2期目の政権をスタートさせた。
 台湾独立志向の民主進歩党の蔡氏は、同日の就任演説で、「北京当局が『一国二制度』をもって台湾を矮小化することは受け入れない」と述べた。中国共産党政権が香港やマカオと同じく、「台湾は中国の一部」として台湾を中国の主権下に置くとの主張を改めて拒否した。同時に、台湾海峡の現状を変えない原則を堅持する意向を強調した。
 今回の就任式は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、海外要人の招待や祝賀式、晩(ばん)餐(さん)会を行わず、規模を縮小した。式典会場では、海外の首脳や要人らの祝賀メッセージのビデオが上映された。
 ポンペオ米国務長官は「台湾の総統・蔡英文博士」の就任に祝意を表すメッセージを寄せた。「活気に満ちあふれる台湾の民主政治は、地域と世界にとって、人々を鼓舞するものであり、米台関係は今後、大きく進展するだろう」と強調した。
 台湾の外交部(外務省に相当)によれば、米国の国務長官が声明を発表して台湾の総統の就任を祝うのは初めて。
 蔡政権は1月以降、「先手防疫」で新型コロナ対策に成功。感染拡大を押さえ込んだことで、国際社会から高く評価されており、台湾メディアの世論調査で支持率が軒並み60%を超えた。式典には、第一線で感染症対策を担当した医療関係者らも招待された。
 一方で、招待を受けた最大野党、中国国民党の江啓臣主席や馬英九前総統は、「蔡政権のさまざまな政策に対する不満」を理由に欠席した。

イタリア議会、政府に親中姿勢に説明求める「中国の植民地になりたくない」

2020年05月18日 17時58分
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イタリア議会外務委員会は5月6日、中共ウイルス(新型コロナウィルス)感染拡大を巡って、中国共産党およびWHOの責任を問うために公聴会を開いた。公聴会で外務事務委員会の北部同盟代表は、政府に必要以上に北京に近寄る立場を説明するよう求めた。
北部同盟党、フォルツァ・イタリア党および民主党など各党の議員から、中共ウイルス(Covid-19)の発生源や中国共産党政権への対応についての質問が相次いだ。
エマニュエラ・クラウディア・デル・レ(Emanuela Claudia Del Re)外務副大臣は「イタリアは世界各国および各組織に最大限の情報公開を求めている」と述べるにとどまっている。
同副大臣は「感染が始まって以来、イタリア政府は世界保健機関(WHO)およびその加盟国や中国政府と情報を交換し続けた」と述べ、欧州連合(EU)およびG7との情報共有や協力にも努めた」との答弁に終始した。ウイルスの起源について、WHOの緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏の話を引用し、「ウイルスが自然界由来である」と発言した。
この答弁に北部同盟党および委員会副委員長のパオロ・フォルメンティーニ(Paolo Formentini)氏が不満の声を上げた。「中国政府が感染者数および死者数の真実を公表せず」、「医療物資を提供する活動で意図的に各国で浸透工作を働き、リーダーシップを取ろうとした。イタリアに対しても同じだった」と感染拡大状況下のWHOおよび中国共産党政府の対応を非難した。
また、外務委員会委員長マルタ・グランデ(Marta Grande)氏に「感染拡大してから、イタリアに対して行った北京の『恩着せがましい』援助の裏を調査するよう」要求した。
公聴会の後、フォルメンティーニ氏はラジオ局ラジオラジカルとのインタビューで、中国当局の感染対策がうまくいったという論調を批判した。
「よくできたところか、最悪です。中国共産党政府が世界を危険な境地を陥れた。感染拡大の情報を隠ぺいし、過少報告することによって、世界各国は十分な対策を講じることができなかった。しかも、いまだに、感染者数の真実およびウイルス起源の公開を拒み続けている」と述べた。
フォルメンティーニ氏は「西側諸国の中で中国共産党政府に真相公開を求めていない国は我が国だけ」と指摘し、「中伊友好などは単なる中国共産党の宣伝に過ぎない。送ってきたマスクも、一部を除き、殆ど高価で購入させられた。2.09億ユーロも使った。しかし、国民はもちろん知らないし、マスコミにも報道されなかった」と述べた。
WHOについて、フォルメンティーニ氏は、「WHOは中国政府のものではない。感染拡大中に情報隠蔽し、中国を露骨に擁護したWHOおよびテドロス事務局長に責任を問うべきだ」と主張した。北部同盟はすでにWHOが対応を改善しなければ、米国のようにWHO拠出金を停止することを検討する」という立場を表明したと明らかにした。
WHO年次総会の開催が18日に迫る中、台湾の参加問題を巡って、テドロス事務局長は台湾を招く権限を持っていないと主張し、台湾を排除しようとしている。同氏は「中国からの圧力を受けたに違いない、WHOは中国の影響力に屈したと分かる。トランプ大統領が指摘した通り、中国共産党はWHOを支配している」と強く批判した。
フォルメンティーニ氏は「政府の立場が依然に曖昧だ」と指摘した。「政府の出まかせの発言は聞き飽きている。国がどこに向かおうとしているのか、しっかり見る必要がある。イタリアは中国の植民地になりたくない」
(大紀元日本ウェブ編集部)