Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

科学的知見が必ずしも正解を導くとは限らない

 今日、感染症は細菌やウイルスなどの病原体が引き起こすものということが分かっています。しかし、このことがはっきりしたのは19世紀後半のことでした。
 中世以来、感染症の原因としては接触感染説とミアズマ説がありました。接触感染説は、病原となる物質が人間の身体の中に直接侵入することで病気が発生するという考え方です。他方、ミアズマ説は、湿気や汚れによって発生するミアズマが病気を媒介するという考え方です。(ミアズマを瘴気と訳する人もいるようです。)
 実際にミアズマの存在は証明されておらず、コッホ博士の結核菌やコレラ菌などの発見によって接触感染説が証明されています。それ以前の医療技術では感染を完全に防止することができなかったので、見かけ上病人と接触がないにもかかわらず病気に感染する事例が多かったため、ミアズマ説の方がむしろ有力でした。
 この論争に決着がついてから150年間、接触感染説に基づく対策を行うことで人類は感染症対策に多大な成果を上げてきました。天然痘はすでに根絶され、コレラやペストの流行は抑えられています。そのことは大きな前進であると私も考えます。
 しかし、近年の新種のウイルス、特にエボラ出血熱と新型インフルエンザ、またエイズウイルスもそうかもしれませんが、を観察すると、病原体そのものではなく人類の方に問題があるのではないかと考える事があります。確かに、これらの病原体は以前から存在していたのかもしれません。しかし、人類に牙を剥いてきたのは、人類が湿気や汚れにまみれてきたからではないかと考えてしまうのです。
 私のこの考えは武漢コロナウイルスの蔓延をみて確信に変わりました。
 武漢コロナウイルスが人為的に造られたものであればもちろん人類の方にこそ問題があると言えます。仮に人為的なウイルスではないとしても、ウイルスの変異を促す環境、湿気はともかくとして過密な生活空間、無秩序な移動、過剰な動物との接触が武漢ウイルスの世界的な蔓延をもたらしたのではないでしょうか?
 19世紀後半、ミアズマ説を唱えていたマックス・ペッテンコーファーは衛生の父と言われています。ミアズマ説に立っていた以上、科学的には誤っていたのですが、彼の都市計画は下水道の整備による湿気と汚れの除去、住宅の換気や清潔さ、そして栄養や暖かい衣服の提供からなっていました。このような計画はミアズマ説だからこそ可能であったと言えるでしょう。
 このように考えてくると、ファクターⅩ、つまり日本人の感染者数、死亡者数が少ない理由は、汚れを避ける生活にあるのではないかと思います。入浴の習慣、靴を玄関で脱ぐ習慣、マスクを忌避しない国民性、これらが「ミアズマ」が立ち上るのを防いでいるのではないでしょうか?
ファクターⅩは科学的ではないとの主張も見受けられます。しかし、ウイルスだけが病気の発生、患者の病状やときには生死を左右するのではないのです。人類は今少し謙虚になり、清潔で秩序のある社会に変えていくべきと思います。