Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

立民、辞職した山田広報官は「被害者」先週は辞任要求

 令和3年度予算案審議の最終局面を迎えた1日の衆院予算委員会は、開始直前に菅義偉(すが・よしひで)首相の長男、正剛(せいごう)氏が勤める放送事業会社「東北新社」から高額接待を受けた山田真貴子内閣広報官の辞職が決まる波乱の展開となった。立憲民主党は山田氏の辞任は「遅きに失した」(枝野幸男代表)などと首相の対応を激しく追及し、一度は続投を容認した首相は防戦に追われた。
 「首相は先週の段階で(山田氏に)『辞めてください』とお願いをすべきだったのではないか」
 立民のトップバッターとして登場した枝野氏は、山田氏が2月28日に体調を崩して入院し、辞意を申し出るまで手を打たなかったとして、首相の対応をやり玉に挙げた。
 枝野氏は今国会で、政権批判とともに具体策を示す提案路線を意識し、不祥事追及などは他の議員に委ねてきた。ただ、この日は正剛氏側から接待された総務省幹部らが処分を受けたことを踏まえ、「トカゲの尻尾を切られるように官僚だけが処分され、強いモチベーションで国のために働いてもらえるのか」と詰め寄った。
 枝野氏に続き質疑に立った山井和則氏は、「山田氏が体調を崩し、辞職を申し出たことに非常にショックを受けている。首相や政権の被害者だった面もあるのではないか。山田氏におわびしたのか」と迫った。
 「私はそういうことを申し上げる立場ではない」と切り返す首相に、山井氏は「首相は人事権を使って官僚を動かしてきた。首相と意見が対立して更迭された官僚もいる。首相に同調しないと『飛ばされる』と忖度が広がったのではないか」と畳みかけた。
 首相はたまりかねたように、「私は感情で人事をやったことはない。すべて政策で人事をやっている」と語気を強めたが、山井氏はその後も「何も責任を感じていないのか」などと執拗に追及を続けた。
 ただ、立民は2月25日の衆院予算委などで、山田氏に進退を含めて厳しく追及しており、突然、山田氏を被害者のように擁護することへのちぐはぐ感は否めない。衆院での予算審議が最終局面に入り、政権批判を強める立民の戦術に対し、自民党幹部は「これでは支持率は上がらない」と突き放すように語った。
(永原慎吾)