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安倍総理の志は死なない!!

骨のある外務省!─台湾から見た日本政府の台湾支持姿勢(中)

ブログ「台湾は日本の生命線」より。ブログでは関連写真も↓
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 2020/05/03/Sun


前回書いた如く、安倍晋三首相は4月28日の衆院予算委員会及び29日の参院予算委員会で、武漢ウイルスへの対応で批判されるWHO問題を語った際、自身がすでにテドロス事務局長に対し、台湾のオブザーバー参加について話をしていること明らかにした。そしてそれが台湾では大きく報じられ、同国外交部も「最も深い敬意と感謝の意」を表明したのだが、29日の参院予算委員会では、安倍首相に次いで茂木敏充外相も、台湾問題について答えている。


 「台湾はWHOに入れない。(そうした状況を糾すため)外務省はそのためにどんなことをしたのか」との白眞勲議員からの質問を受けたものだが、これに対し茂木外相は以下のように、先ずは台湾の目下の感染対策の有効性について報告し始めた。


 「今回のコロナ対応では、台湾の感染者、死者は世界的にも非常に少なく、昨28日の時点で感染者数は429人、死者は6人であり、しかも感染者の87%は輸入事例(海外からの感染者)で、市内感染の拡大は国際的にもかなり抑制されている」


 「また台湾での感染症対策では、感染地域からの入域制限をいち早く実施している。またヒト-ヒト感染の懸念についても一番早く発表されているのではないか。更にはIT技術を駆使して安定供給などを実施している。こうした台湾の対応は、国際的な防止を図る観点から、参考になるものと考えている」


そしてこのような詳報の後、次のように。


 「その上で我が国は従来より、感染症など国際分野での課題の対応に当たっては、地理的空白を生じさせるべきではないと考えており、この立場をWHOで一貫して主張している」


 「例えば本年の2月6日にWHO執行理事会が開催されたが、そこでも我が国の代表は、その趣旨の発言を行うなど、あらゆる機会に我が国の立場を主張してきているところであり、現在新型コロナウイルス感染症が世界的に感染拡大する中、拡大を防止する観点から、台湾を含めて国際社会が一体となって万全の対策を講じることが極めて重要だと考えている」


このように、WHO参加問題に関する政府の立場は「感染症など国際分野での課題の対応に当たっては、地理的空白を生じさせるべきではない」というものであることがわかる。


 台湾が目下WHOに参加できないのは、中国とその影響下にあるWHO事務局が、WHOは1972年の総会第25.1号決議に基づき、台湾は中華人民共和国の一部とする「一つの中国」原則を認めており、台湾にはWHOに加盟する資格はなく、もし総会にオブザーバー参加する場合は中国の同意を得なければならないと勝手に取り決め、多くの国がそれに従っているからなのだが、しかし事実を言えば、これまで一つとして、台湾を中国領土と認める決議など採択されてはいない。つまり中国の虚構宣伝が、ここまでまかり通ってしまっているという訳だ。


 従って政府としては更に一歩踏み込み、「台湾は中国の領土ではなく、WHOに加盟する資格がある」と主張するべきなのだが、中国への外交的配慮でそこまで言うことができないというのが、残念ながら今の現状だ。台湾のWHO参加を最も積極的に後押しする米国政府ですら、まだそこまでは言わずにいる。


ただ、「地理的空白を生じさせるな」との訴えの高まりは、それはそれで大きな意義はある。台湾を孤立させて併呑を果たすという中国の戦略にとっては十分に大きな障害になるからだ。


また茂木外相が今回、台湾の感染対策に関して、敢えて詳しく説明し。「国際的に参考になる」と称えたことも高く評価できよう。


なぜなら現在中国は、自国の感染封じ込め政策の成功という「中国モデル」を大々的に宣伝し、全体主義体制の優位性を世界に強調し、ポスト武漢ウイルス時代での世界的主導権を握ろうとしているところだが、その宣伝工作にとって大きな脅威なのが「台湾モデル」。つまり茂木外相が言及したところの、台湾の民主主義体制下での感染抑止の成功例だからだ。


だから台湾でも、茂木外相の答弁は注目された。例えば謝長廷駐日代表(大使)がフェイスブックで「茂木外相が台湾の感染状況に関する数値や防疫方法、マスク等の関連の政策について言及したが、その理解の深さがとても印象的だ」と書いている。国営通信である中央通訊社も、この白議員とのやりとりは詳しく伝えている。


 日本の外務省と言えば、親中、媚中という印象が台湾でも持たれているが、今回は骨のあるところを見せた格好である。


 (つづく)


 【過去の関連記事】
 台湾から見た日本政府の台湾支持姿勢(上)─日本の「勇気」が喜ばれる 20/05/02
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