Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

アメリカ建国史上最高の投票率、大統領選の熱狂が示した「深刻」

バイデン候補が「過半数」獲得
大接戦、投票日から4日後
 米主要メディアは、11月7日午前(日本時間8日未明)、米大統領選で、民主党のジョー・バイデン前副大統領(77)の当選が確実になったと一斉に報じた。
 激戦州のペンシルベニア州(選挙人20人)でバイデン氏が勝利し、当選に必要な選挙人270人以上を獲得する情勢となったとして、米TV3大ネットワークのABC、CBS、NBCに加え、CNN、ロイター通信、AP通信、保守系メディアのFOXニュースもバイデン氏の当確を報じた。
 ただアリゾナ州(選挙人11人)のバイデン氏当確を打っているのは、主要メディアでは現時点(日本時間9日16時)では、AP通信とFOXニュースだけで、選挙人獲得数は2社が、バイデン氏290人、トランプ氏214人としているのに対し、ABCなどはバイデン氏279人、トランプ氏214人。
 11月3日の投票日から4日たって、ようやく、報道ベースでは新大統領が決まることになったが、トランプ大統領は「負け」を認めておらず混乱が来年1月まで続く可能性がある。
上院選も民主、共和党が伯仲
マジョリティー確保は来年1月に持ち越す
 同時に行われた連邦議会議員選でも上院は、最終決着が来年1月に持ち越された。
 7日現在で、当選は民主党48人、共和党48人と伯仲し、アリゾナ、ノースカロライナ州の各議席とジョージア州の2議席の計4議席がまだ決まっていない。
 アリゾナとのノースカロライナ州では共和党が優勢だが、ジョージア州では2議席とも過半数に達する候補者がおらず来年1月の決選投票に委ねられることになった。
 民主党は、アリゾナとノースカロライナ州で敗れても、ジョージア州の決選投票で2議席を取れば、上院で50議席を確保する。50対50の場合は、上院議長を兼務する副大統領が1票投じるため、上院でマジョリティーを奪還できる可能性が残っている。
 大統領選では同州での得票率はバイデン氏が0.2ポイントの差で、トランプ氏に対し優位に立っているため、民主党が勝利する可能性もある。下院選では、ABCなどが民主党が過半数の218議席以上を確保したと伝えているが、議会の「ねじれ」が続くのかどうかは来年まで見通せない状況だ。
バイデン氏は過去最高の7633万票(50.8%)、
トランプ氏も前回を超える7143万票(47.5%)
 AP通信によると10日14時現在(日本時間)、大統領選での得票数はバイデン氏が7633万票(50.79%)、トランプ氏が7143万票(47.53%)としている。
 バイデン氏の得票数は過去最多だ。一方でトランプ氏も前回2016年の大統領選(6298万票、46.0%)よりも、800万以上、伸ばしたことになる。
 フロリダ大学の選挙プロジェクトの試算では、今回の大統領選の投票数は、1億5883万票、米国の18歳以上の有権者総数2億3925万人に対する投票率は66.4%に達したとのことだ。
 選挙プロジェクトによると、今回の投票率は、73.7%だった1900年以降で最高だ。
 ただし当時は女性の参政権がなく、黒人の参政権も制限付きで一部認められているだけだった。
 米国で女性の参政権が認められたのは1920年。合衆国憲法修正第19条(女性参政権)が1920年に各州で批准され、成立した後であり、今から100年前の1920年の大統領選から参加している。
 一方、黒人男性は、南北戦争(1861~1865年)後の1870年に成立した合衆国憲法修正第15条(選挙権の拡大)により、参政権が認められていたが、有権者登録等に制限があり、完全獲得は、1964年の「1964年公民権法(Civil Rights Act of 1964)」と、1965年の「1965年投票権法(Voting Rights Act of 1965)」の成立後だ(ただし現在でも、黒人などのマイノリティーに対する有権者登録の妨害や投票所での威嚇等、投票抑圧が指摘されている)。
 したがって投票率の推定が正しければ、今回の大統領選の投票率は、実質的に、米国建国史上最高といえそうだ。
 なお、前回2016年の大統領選当時の米国の18歳以上有権者総数は2億2406万人だが、有権者登録を行った人は1億5760万人(有権者登録率:70.3%)、投票者総数は1億3754万人(投票率61.4%)だった。
期日前投票は1億人を突破
民主党は郵便投票の48%占める
 また今回選挙では、期日前投票が1億人の大台を突破したことも熱い選挙戦を象徴する。
 選挙プロジェクトによると、期日前投票等は1億142万人で、うち郵便投票が6549万人、対面投票が3593万人だった。
 党派別データを発表している20州の合計(全体で4965万人)で見た期日前投票の党派別の内訳は、民主党が44.8%、共和党30.5%、少数政党0.7%、無党派24.0%となっている。
 なお、うち、対面投票の党派別内訳は民主党が35.5%、共和党41.6%、少数政党0.9%、無党派22.1%(対象は10の州の合計、全体で1200万人)。郵便投票の党派別内訳は、民主党が47.8%と、共和党27.0%に大きく差をつけている。
 少数政党0.6%、無党派24.6%となっている(対象は19の州の合計、全体で3765万人)。
米国の分断が一層、鮮明に
修復には相当の時間とコスト
 今回の大統領選では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策をはじめ、気候変動対策、人種差別問題への対応、同盟国を含めた外交、オバマケアなどの社会保障政策やTPPなどの通商・貿易政策などで、それぞれ、バイデン氏とトランプ氏の主張が大きく違った。
 そのなかでバイデン、トランプ両氏がともに投票数が7000万票台に上ったことは、米国の分断が一層、鮮明になったことの証左といえる。
 バイデン氏は、過半数獲得が報じられたのを受けて7日夜(日本時間8日昼)、勝利宣言を行い、「分断でなく団結させる大統領になる」と「分断の修復」を目指すことを強調したが、道のりは容易ではない。
 選挙で不正があったとして裁判で争う姿勢のトランプ氏が今後も敗北宣言を行わず、法廷闘争を継続することになると、支持者間の対立が暴動などに発展するおそれもある。
 大統領の正式決定までの今後のスケジュールは、12月8日(火)の選挙人決定期限(セーフ・ハーバー)までに、各州は選挙人を確定し、12月14日(月)に選挙人が投票し、その結果を23日までに連邦議会に送付する。
 だが選挙人が実際に誰に投票したかは、2021年1月6日に上下両院合同会議で各州の結果が集計されるまでわからない。
 2016年の大統領選でも、選挙人獲得数はトランプ氏が306人、クリントン氏が232人だったが、選挙人による実際の投票結果は304人対227人だった。
 こうして選挙人の投票で過半数を得た候補が1月20日正午に大統領に正式就任するのだが、20日に、徹底抗戦の構えのトランプ氏がホワイトハウスを退出するのかどうかも不確定だ。
 米国では底流にあった分断の潮流が、トランプ大統領を誕生させ、トランプ氏によって、その流れが一段と強まった。今回の大統領選では、反トランプの有権者の投票行動によって、トランプ氏の再選は阻まれたわけだが、その傷痕は深い。
 バイデン氏の得票数は、前回大統領選の民主党候補、クリントン氏の得票数、6584万票を1000万票超上回ったが、トランプ支持の票も前回より増えており、米国社会は分断の修復には相当な時間とコストを費やすことになりそうだ。


なあにチャイナパージすりゃ大丈夫!!