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中国念頭の人権侵害制裁法、超党派で制定目指す動き

 超党派の「対中政策に関する国会議員連盟(JPAC)」は、世界各地での人権侵害行為に対する制裁を可能にする「特定人権侵害問題対処法案」の概要をまとめた。JPACは通常国会での成立を目指し、各党間の合意形成を急いでいる。中国当局による香港やウイグル族への弾圧に国際的な批判が高まる中、欧米では同種の法律制定や執行の動きが広がっている。


 JPACが27日までにまとめた法案は、諸外国で「看過できない特定人権侵害問題」の発生の疑いがある場合に、政府による調査と制裁措置の発動を可能にするのが狙い。人権侵害を根拠に、関係者の資産凍結や入国拒否などの措置を講じられるよう、外為法や出入国管理法の改正も図る。


 深刻な人権侵害に関与した個人・団体に資産凍結や渡航制限などを科す法律としては、ロシア内務省の巨額横領を告発して獄死したロシア人弁護士の名前にちなむ米国の「マグニツキー法」が知られている。


 米国は今年7月、中国新疆ウイグル自治区での人権侵害に関与したとして自治区トップの陳全国共産党委員会書記らに査証(ビザ)の発給制限や米国内の資産を凍結する制裁を発動したが、これはマグニツキー法に基づく措置だった。


 英国、カナダ、エストニア、リトアニア、ラトビアなどは各国版の「マグニツキー法」を制定している。欧州連合(EU)も12月7日、同法を参考に深刻な人権侵害に関与した外国の個人・団体に制裁を科す制度の導入を承認した。オーストラリアにも制定の動きがある。


 JPACは、中国政府が香港の言論の自由に制限を加える「香港国家安全維持法」(国安法)を施行したのを受け今年7月、自民党の中谷元(げん)元防衛相と国民民主党の山尾志桜里衆院議員を共同会長として発足。中国当局による香港やウイグルでの人権弾圧を念頭に、日本版マグニツキー法の制定を目指し活動してきた。


 山尾氏は「価値を同じくする国同士が中国の権威主義に対抗する流れが強まっていく中で、日本はその連携に参加できない状況が続くことになる」と早急な法整備の必要性を訴える。


 JPACには、自民、国民民主のほか立憲民主党、日本維新の会などから約40人が参加しているが、共産、公明両党の議員は参加していない。議員立法による法律制定は「原則、全会一致」とされており、特に公明の対応がポイントとなる。