Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

厳しい経済制裁が逆効果の可能性

 世界の動きを見ていくと、米国などがミャンマー国軍の「クーデター」に対して、厳しい経済制裁を行うことが、果たして最善の策なのかという疑問が湧いてくる。結果的に、中国のミャンマーに対する政治的・経済的な影響力が強まるだけなのではないか。
 そして、それを見た世界中の権威主義的な動きを強める指導者たちが、米国の制裁を気にすることなく、民主派の弾圧に暴走してしまうかもしれないのだ。
 米国などは、ミャンマー国軍に対してまずは「遺憾の意」を示す程度にとどめて経済関係を維持し、スー・チー氏など民主派の解放や人権、民主主義を守ることを求めて粘り強く対話を続けたほうがいい。ミャンマー国軍の行動を変えさせる、特効薬はないと認識すべきだ。
 その一方で、権威主義の「元締め」となっている中国のウイグル、香港などの人権侵害問題について、より厳しい経済制裁を行うべきである。それは一定の効果があることがすでに明らかだからだ。
 中国も、元々は米国市場への輸出でもうけることで、高度経済成長を成し遂げた国である。そのため、経済は米国依存の部分がいまだに大きく、トランプ政権期の経済制裁は強い威力を発揮した(第211回・p4)。バイデン政権は、それをより強めることで、中国に対抗すべきである。
 今年は、「自由民主主義」「人権」を守る米国と、それよりも「社会の安定」を重視する中国の争いが、世界中の国の民主化を巡って激化する。ミャンマー国軍の「クーデター」は、その始まりを告げるものなのかもしれない。