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台湾軍機、事故多発 中国軍への対応増加が原因か

 【台北=矢板明夫】中国軍機が昨年から台湾の防空識別圏(ADIZ)に頻繁に進入し、挑発行為を繰り返す中、台湾軍機による事故が頻発している。2017年11月以降の死者・行方不明者は計16人に上った。機体の老朽化や中国軍機への対応などで現場が疲労困憊(こんぱい)していることが原因と指摘されている。台湾空軍司令部は、空軍のすべての機種の訓練を一時停止し、安全点検を行った。


 台湾メディアによれば、22日午後3時すぎ、台湾東部、台東の志航基地から出発した戦闘機4機編隊のうち、2機がレーダーから姿を消した。空中で接触したのち海に墜落したとみられる。操縦士2人はそれぞれパラシュートで脱出したが、1人は海で発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。もう1人の行方は分かっていない。台湾空軍は機器の不具合の可能性があったとみて調べている。


 2機はいずれもF5E戦闘機。米国の航空機メーカー、ノースロップ社(現ノースロップ・グラマン)とのライセンス生産によるもので1970年代に台湾の空軍の主力機として配備され、現在は主に訓練機として使われている。昨年10月にもF5E戦闘機が訓練中に海に墜落し、操縦士1人が死亡した。


 軍事問題に詳しい台湾人記者は「台湾の海外からの武器調達は中国から妨害されており、飛行機の世代交代が遅れている」と指摘した。


 蔡英文政権は2016年から、約686億台湾元(約2600億円)の予算を投じ、台湾製訓練機「勇鷹」の大量生産計画を発表した。28年までに66機を生産し、F5Eなどと交代する予定だ。


 台湾空軍の操縦士らは、中国軍による武力侵攻を想定した強度の高い訓練を日常的に実施している。そこへ中国軍機の挑発行為が相次ぎ、緊急発進(スクランブル)などの対応に追われて疲労がたまっていると指摘する声もある。


 台湾国防部(国防省に相当)の統計によると、20年の1年間で台湾空軍は延べ3千機以上を緊急対応のために出動させた。中国軍と比べて、機体も操縦士の数も圧倒的に少ない台湾軍にとり大きな負担となっている。