ネコウヨの散歩

ネコと憂国

全国の高校に1冊薦めたい台湾歴史の本

ブログ「台湾は日本の生命線」より。ブログでは関連写真も↓
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 2020/04/01/Wed


 2018年度に海外修学旅行を実施した公私立高校は1,369校だが、そのうち台湾を訪問したのは全体の26.1%にあたる357校で、人数では同じく30.6%の57,540人と、それぞれトップ。


 台湾への修学旅行生は、2006年にはわずか3552人で、韓国、中国を訪問する人数を大きく下回っていたが、2011年から急増し始めたのには、それら二国との関係悪化のほか、東日本大震災当時に多大なる支援の手を差し伸べてくれた台湾への好感度の高まりがあるのだと思う。


 韓国、中国への修学旅行では、反日政治宣伝の施設への見学などによる生徒への精神的悪影響が懸念されたが、台湾へ行くのなら、その点は安心だ。最近台湾のテレビニュースで現地の専門家も話していたが、高校生が訪台するメリットには、日本との文化的近さ、人々の日本への親近感、治安の良さなどがあるという。。


つまり向こうへ行けば、台湾及び台湾人という日本の「友」と出会いに感銘を受け、心も豊かになるといったところだろう。生徒たちにとっては、素晴らしい訪問先ということになる。


ただ、せっかく良き「友」と出会うのだから、「友」のことは正しく理解したい。残念ながら日本人は台湾には親しみを感じながらも、誤解も多い。例えば台湾を「中国の一部」とのイメージを抱いたり、台湾人も「中国人」だと思い込む者があまりにも多い。生徒を引率する先生にしても、そうした認識、印象を全く持っていないと胸を張れる人は、果たしてどれだけいるだろう。


やむを得ないことだ。何しろ日本人は戦後長い間、国民党や中共の政治宣伝に惑わされ、そうした誤った見方をしてきたからだ(台湾人自身も、そのように洗脳されてきた訳だし)。中国とは異なる台湾の独自の歴史を知れるならば、「台湾は中国ではなく台湾だ」と思えてくるはずなのだが、残念ながら日本の学校でそれが教えられずに来た。


そこで全国の高校に紹介したいのが、最近発刊された『詳説台湾の歴史』(雄山閣)という本だ。これは台湾の高校教科書を日本語に訳したもので、日本人が読んでもとても分かりやすい内容である。


これを読むなら、台湾を最初に支配したのは17世紀のオランダであるとか、同世紀に鄭成功の一族が独立国を作っていたとか、清国は台湾を嫌々統治したといった、「台湾は古来中国の不可分の領土」という中共の宣伝とは符合しない真実の歴史もわかるし、更に日本や中華民国をも含む外来政権支配の下で、台湾の住民がどのような思いで生きて来たのかという、台湾人の視点から見た歴史も理解できる。


 日本統治時代と言えば、これは日本史の一部でのあるのだが、日本ではすっかり忘れられている感もある。だがこれを読めば、あの時代が今日の近代社会の礎が築かれた時代であることが理解できると思う。言わば日台共有の歴史がある訳だが、その時日本人は台湾人とどう付き合ってきたかも知っておきたい。中華民国時代に関しても、今は自由が謳歌される台湾社会だが、わずか30年前までは恐怖政治が敷かれていたということがわかるはず。


 以上のような歴史を知った上で台湾及び台湾人と接するなら、生徒の台湾旅行はより実りあるものになるのではないだろうか。


 原著の編者は台湾史の第一人者である薛化元氏。記述内容は公平、客観的だから安心できる。ちなみに日本語への翻訳を担当したのは実は私だが、だからと言ってこの一文を単なる商品宣伝と思わないでほしい。そもそもこの仕事を引き受けたのには、「日本の子供たちにも友邦台湾を理解させたい」といった思いもあったからだ。版元によると、嬉しいことにすでに全国の高校から注文が来始めているという。


そこで更に多くの学校の先生に知ってもらいたく、この一文を認める次第である。


なお、余計なことと思われるかもしれないが、日本の歴史教科書との比較も勧めたい。こちらには自虐性がないので。



■全国書店、電子書店で販売中


 『詳説台湾の歴史 台湾高校歴史教科書』 
   薛化元編、永山英樹訳 
   雄山閣刊、2750円


 目次
 第一篇 早期の台湾
 第1章 16世紀中葉以前の台湾と原住民
 第2章 国際競争時代


 第二篇 清統治下の台湾
 第3章 開港前の政治と経済
 第4章 開港前の社会と文化
 第5章 開港後の変遷


 第三篇 日本統治下の台湾
 第6章 総督主導の新時代
 第7章 日章旗下の台湾社会
 第8章 戦火蔓延下の台湾


 第四篇 中華民国統治下の台湾
 第9章 政治:戒厳令から戒厳令解除まで
第10章 経済:成長と課題
 第11章 社会の変遷と文化の発展