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台湾、共産党100年行事を警戒、親中派招待 ワクチン接種で揺さぶり

【台北=矢板明夫】台湾の蔡英文政権が、中国共産党創建100年の関連イベントに台湾の親中派政治家らが招待され、中国の新型コロナウイルスワクチンを接種することに警戒を強めている。台湾がワクチン確保に遅れる中で、要人らへのワクチンの提供は中国による「新たな統一攻勢」の一環として利用されかねないとみるためだ。
台湾・立法院(国会に相当)の与党、民主進歩党議員団幹事長の劉世芳氏らは6月29日に記者会見し、「中国側のイベント招待リストに野党の元主席ら要人が含まれている」可能性を指摘した上で、要人らが中国共産党の関連行事に参加し、中国製ワクチンを接種することを警戒した。
蔡政権は中国製ワクチンの受け入れに慎重姿勢だ。中国側のイベント参加にはワクチン接種が必要とされることから、劉氏らは中国側のイベント招待は「中国の台湾に対する浸透作戦の一環であり、落とし穴に落ちないようにしてもらいたい」と訴えた。
最大野党、中国国民党の元主席、洪秀柱氏は先立つ28日、「イベントに出席するために(中国)大陸に来ており、今は検疫のための隔離中」とフェイスブックに書き込んだ。「これから中国製ワクチンを接種する」と明かし、「大陸製品の品質を信用している」とも強調した。
中国メディアによれば、台湾の中国寄りのミニ政党「新党」の元主席、郁慕明(いくぼめい)氏も中国側に渡航中。郁氏はすでに6月中旬に中国製ワクチンを接種済みで、これまでに著名な歌手の蕭敬騰(しょうけいとう)氏や黄安氏も接種しているという。中国としては著名人らへの接種実績をアピールし、ワクチン不足にあえぐ台湾社会に揺さぶりをかける狙いとみられる。
民進党関係者は中国側の動きに対し、「日本や米国から送ってもらったワクチンで、7月と8月は何とか乗り切れそうだ。中国の作戦に振り回されることなく、引き続きワクチン確保に努力する」と話した。
中台関係が良好だった2010年ごろは、当時、台湾の与党だった国民党と中国共産党が双方の重大イベントに互いに祝電を送りあうことがあった。しかし最近は、中国による台湾への圧力強化で台湾市民の間で反中感情が高まっており、共産党創建100年では民進党も国民党も公式に祝電を送る予定はないという。