Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

誰かが借りると「貨幣」が創出されるという現実

From 三橋貴明 @ブログ







ムーディーズのシニアバイスプレジデントで
「これ」だよ・・・
[三橋TV第512回]
三橋貴明・高家望愛




https://youtu.be/9pr39E0i4yE



 三橋TVの第512回も、
シンガーsayaの3分間エコノミクスも、
実は偶々、同じテーマに
なっているわけですが、この世界は、
「おカネが無ければ借りられない」
と、思い込んでいる人であふれています。



 それはまあ、
我々一般の個人や企業はそうです。
何しろ、我々は貸し出すときに
「資産を貸す」のです。



 とはいえ、銀行は違います。



 銀行は、顧客が借り入れる際に
「自らの負債」を増やす形で、
銀行預金を「設定」
(令和四年大学入学共通テストの
表現を借りれば)しています。
これは、単なる現実です。



 そして、借り入れた顧客(大抵は企業)は、
借り入れた預金を支出しますので、
純負債だけが増えます。



 また、政府の国債発行にしても、
借り入れた日銀当座預金を
(担保に)支出してしまうため、
純負債が増えます。



 政府の財政赤字とは、
純負債の増加そのものです。
政府が財政赤字を拡大すると、
反対側で誰かの純資産が増える
(当たり前です)。



「誰かの純資産があるから、
政府の純負債が増えることができる」
ではありません。



「政府が純負債を増やすから、
誰かの純資産が増える」のです。



これは、貨幣発行の
プロセスを理解すれば、
誰にでも理解できる話です。



実際、統計も「誰かの純負債増加が、
誰かの純資産増加」を裏付けています。





http://mtdata.jp/data_78.html#shikinkabusoku
※数字の小さいNPOは除く


というか、こうならないとおかしいのです。
上記グラフを90度回転させて、
左右対称にならなければ、
「誰の純負債も増えていないのに、
誰かの純資産が増えた」
という話になってしまいます。



誰も借りていないのに、
誰かが貸している。もはやホラーですな。



 ところが、正しい貨幣観がないと、
上記のグラフを見てすら、
「家計(や企業)の純資産が
増えているから、政府は
財政赤字(純負債の増加)が可能になる」
と、因果関係を真逆に
読み変えてしまうのです。



結果、
「日本政府は財政破綻する」
と、信じ込み、現実に裏切られ、キレる。



 『「赤字国債など総動員」
 ってまずくない?
 岸田首相発言に違和感
  「赤字国債をはじめ、
 あらゆるものを動員する」。



 就任後間もない昨年11月の
 岸田文雄首相の発言が気になっていた。



 巨額の経済対策の財源に
 赤字国債を充てると勇ましく宣言しているが、
 赤字国債は本来なら財源不足を補うため
 仕方なく発行するはずのものである。



 「動員」してしまうのは
 マズいのではないか。
 官僚や専門家に悪影響がないか聞いてみた。
 【大久保渉/デジタル報道センター】



 (中略)
  森信氏は「首相発言というのは
 他の政治家と違って影響力が
 とても大きいものです。
 『赤字国債も財源』との間違った
 解釈を生まないよう、
 岸田首相には正確な表現を
 してもらいたいところです」と話した。



  今夏には参院選がある。
 各党がコロナの感染状況に関係なく
 大盤振る舞いの公約を掲げ、
 選挙演説で「大丈夫です! 
 財源には赤字国債を動員します!」と
 訴えかけやしないか。



 財源と借金の境界を見失った政治家が、
 自覚のないまま日本社会を
 財政破綻の危機へと導く。
 そんなシュールな光景が頭をよぎるのだ。』



とんでもなく周回遅れの記事なのですが、
そもそも赤字国債だろうが、
建設国債だろうが、財源は元々「国債」です。
何しろ、税金は支出の「後」に徴収しています。



 その上、赤字国債を発行すれば、
国民の純資産が増える。



 つまりは、毎日新聞の大久保渉は、
「国民の純資産を増やすって、
まずくない?」と、
言っていることになります。



 そりゃあ、大久保記者は
そうかも知れませんが、
わたくしは大歓迎ですよ。



 そもそも、大久保が言う
「財源」の定義が分かりませんが、
「貨幣」という意味ならば、
政府の負債拡大は「貨幣の創出」になりますよ。



貨幣と借金の境界などありません。
何しろ、貨幣は誰かが借りることで
創出されるのですから。



 結局のところ、貨幣観を間違えている限り、
「赤字国債は悪!」といった
ステレオタイプな見方から
抜けられないのでしょう。



 とはいえ、一度、抜け出せば、
戻ることはない。
そこに、我が国の希望があります。
正しい貨幣観を広めましょう。