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安倍総理の志は死なない!!

中国、ウイグル報告書で国連各国に〝圧力工作〟 公表しないよう働き掛け、書簡で「重大な懸念」表明 識者「欧米は独自で対中制裁を」

習近平国家主席率いる中国政府が、ミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官による、中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区視察に関する報告書を公表しないよう各国に働き掛けを行っていることが分かった。ロイター通信が報じた。米国は、中国当局による同自治区でのジェノサイド(民族大量虐殺)を認定している。中国の圧力に、批判が広がりそうだ。
バチェレ氏は5月下旬に中国を訪問し、6日間にわたってウイグル自治区での人権侵害について調査した。報告書は、バチェレ氏が退任する8月末までに公表されることになっている。
ところが、ロイターは19日、中国がスイス・ジュネーブにある各国の代表部に6月下旬から書簡を送付したと報じた。書簡には、報告書公表に「重大な懸念」を表明し、「人権分野で、政治化と陣営間の対立に拍車がかかり、国連人権高等弁務官事務所の信頼性にひびが入る」と記されていたという。
中国外務省の汪文斌報道官は20日、ロイター報道について、「一部の国は新疆問題にかこつけて政治的な策略を行おうとしている」と反発したが、働き掛けは否定しなかった。
米国は昨年1月に、ウイグルでのジェノサイドを認定し、強硬姿勢に乗り出している。同年12月には、ウイグルが関与する製品の輸入を原則禁止する「ウイグル強制労働防止法」が成立し、今年6月に施行された。欧州各国も追随する動きをみせている。
習主席が7月中旬、約8年ぶりに新彊を訪れたのは、欧米諸国の「人権侵害」の声をかき消す狙いだったのか。こうしたなかで発覚した各国への圧力をどう見るか。
国際政治に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は「中国が人権問題を隠すための根回しを行うのは常套(じょうとう)手段であり、報告書が出ない可能性もある。そもそも、国連の人権理事会は、中国と親密な国が多く加盟しており、どれだけ有益なものか疑わしい。欧米諸国は機能しない国連に期待せず、有志諸国による独自の情報入手や(対中制裁を含む)措置を講じることが有効だろう」と指摘した