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安倍総理の志は死なない!!

ニュース裏表 田中秀臣 日本経済に「冷や水」浴びせる財務省 国民生活よりも増税優先か 根っからの〝ムラの一員〟岸田首相では危機的状況に

日本経済に冷や水を浴びせる名人がいる。財務省という組織だ。財務省の目的を簡単にいうと、「増税と予算節約」である。コロナ禍や「物価高」で生活に悩む国民が多い中では、まさに天敵である。
しかし財務省には手ごわい応援団が存在している。国会議員やマスコミ、財界などに固定ファンが多い。財務省から情報を得ることで、仕事の役に立つことが多い人たちだ。テレビのワイドショーなどを見ていると、まるで財務省の広報のような解説が多い。財務官僚からレクチャーを受けたまま流しているのだろう。
岸田文雄首相はこの財務省の最上位の〝推し〟として知られている。岸田首相は、本音では単なる増税派である。実際に、総理になる前に出した『岸田ビジョン』という著作には、主要な政策として緊縮財政がメニューとして並ぶ。根っからの財務省ムラの一員である。
「新しい資本主義」や「貯蓄から投資へ」、最近では「資産所得倍増」などとスローガンを掲げているが、その目的は財務省ががっちり増税することにある。国民生活よりも財務省ムラの利益が優先している。
具体的にみておこう。中国、ロシア、北朝鮮など周辺国との防衛バランスを考えれば、防衛費の拡大は当然だ。だが防衛費の財源で話題になっているのが、金融所得課税だ。これは財務省ムラからずっと出ている政策である。目的は資産所得の公平性を図ることだという。だが、そんな表向きの理由を信じる人は愚かである。
実際には、さらなる消費増税が政治問題化しやすい中で、さっと取れて、しかもそれなりに多額の税収が見込まれると踏んでのことだろう。金融所得課税をやれば日本の株式市場に深刻な冷や水を浴びせるが、そんなことは財務省ムラの知ったことではない。
そもそも防衛費のために特定の税収が必要だ、という議論自体がインチキだ。現状いわれている国内総生産(GDP)比2%程度の防衛費拡充ならば、景気を良くして自然増収で十分に賄えてお釣りがくる。初めから特定の税収とひも付けて防衛費を縛ると、安全保障をむしろ不安定なものにしてしまうだろう。
「物価高」で悩む日本だが、その実態は電気、ガス、ガソリンや一部の食料品の値上げだ。これにふさわしい政策は、まさに消費減税だ。だが、財務省ムラの一員である岸田首相にそれを望むのは無理だろう。今後は、日本銀行の総裁、副総裁人事でも増税派が送り込まれることが懸念される。まさに日本経済の危機だ。(上武大学教授・田中秀臣)