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安倍総理の志は死なない!!

伊・メローニ党首、台湾支持 「親中」脱却の構え

【パリ=三井美奈】イタリア総選挙で強硬右派「イタリアの同胞」を勝利に導いた女性のメローニ党首(45)は、「ファシストの末裔(まつえい)」と異端視された党のイメージを和らげ、支持拡大に成功した。外交では、北大西洋条約機構(NATO)を軸とした西側の結束を主張し、親中国姿勢からの脱却を掲げている。
中国の威嚇非難
メローニ氏は総選挙の直前、台湾の中央通信社のインタビューで、右派政権が実現すれば「台湾に強い関心を向けることになる」と述べ、台湾支持を明言した。中国による台湾への軍事威嚇を非難し、欧州連合(EU)が対中圧力を強化すべきだと訴えた。
イタリアは2019年、当時のコンテ政権が先進7カ国(G7)で唯一、中国と巨大経済圏構想「一帯一路」の覚書を結んだが、メローニ氏は、覚書の更新について「明日署名が必要だとすれば、そんな政治的状況ではない」と否定的な立場を示した。同党のクロセット元党首は本紙に、「わが党は英国の保守党、安倍晋三首相時代の自民党に近い立場だ」と述べている。
紅一点で出世
メローニ氏は15歳でファシスト党の流れをくむ極右政党に参加。青年部で「紅一点」の指導者として注目され、06年、29歳で下院議員に当選した。2年後、中道右派のベルルスコーニ政権で最年少閣僚になった。
カトリックを信仰し、家族や伝統重視を訴え、不法移民追放を主張。女権運動とは距離を置く。「女性は軽く見られがち。でも、女性の妥協のない姿勢こそ、今のイタリアが求めているもの」と述べた。
庶民性も、人気の理由のひとつだ。父は幼少時に出奔し、ローマの労働者街で母子家庭に育った。生計を立てるため、子守やウェイトレスなどの職を転々とした。6歳の娘を持つシングルマザーでもある。
イタリアの同胞は12年の発足以来、野党にとどまってきた。それが総選挙で追い風になった。主要5党のうち、同党をのぞく4党の党首が、首相か副首相の経験者だったため、政党の権力争いに飽きた有権者の間で、メローニ氏は「新味ある指導者」として期待を集めた。