From 三橋貴明 @ブログ

【近況】
９月３０日、ロシアのプーチン大統領は、
モスクワのクレムリンで行われた式典で、
ウクライナの占領地域について、
ロシアに併合する文書に署名しました。

もっとも、今後もウクライナ軍は
東部・南部地域における攻勢を
強めていくでしょう。

プーチン大統領は、
ウクライナ軍の攻撃を受け、
「ロシア領が攻撃されている」
と、宣言し、戒厳令、総動員へと
事態をエスカレートさせていく。

戦術核兵器の使用も、
もはや「ありえないこと」ではありません。

プーチン大統領は、
茶番劇の住民投票を受け、
「住民は、自分たちの選択を行った。
この地域に住む人々は永遠にロシア国民だ」
と、一方的に宣言。

西側諸国は、
経済制裁を強化するでしょうが、
逆にそれだけ。

占領地域を奪還できるのは
ウクライナ軍しかいません。

ロシアへの併合宣言を受け、
ウクライナが進軍を停止することは
考えられません。
となると「核の使用」の確率が高まる。

プーチン大統領は併合宣言の演説で、
「アメリカは日本に対し
核兵器を二回使用した。
アメリカが核兵器使用の前例を作った」
と、核使用について
相対化する発言をしています。

そして、自分たちが「被害者」故に、
ロシア領に「侵略」してくる
ウクライナに対し核で
反撃をせざるを得なかった、と正当化を図る。

また、総動員後に大量の未熟兵を
占領地域（併合地域）に送り込み、
人海戦術で死なせる。

ますます、ロシア国民の
「被害者意識」は煽られる。

驚かれる方が多いでしょうが、
元々はモスクワ大公国という小国が
「侵略に侵略を重ね」て強大化した割に、
ロシア人の被害者意識は強い。

「自分たちは、いつも侵略されている」
という歴史観を持つ国民が多数派なのです。

もっとも、第二次世界大戦において、
ロシア（ソ連）が参戦国の中で
最大の死者を出したのは確かです。

ロシア人の感覚を理解するためには、
今、史上最大・最悪の戦いとなった
地獄のモスクワ攻防戦について、知るべき。
と、考えまして、今月の経世史論の歴史時事は、
モスクワ攻防戦が テーマになっています。
これを機に、是非とも経世史論にご入会下さい。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/