東京・池袋の高層ビル「サンシャイン６０」の５８階で１６日夜、１００人規模の宴会中に乱闘が起き、多数の警察官が駆けつける騒ぎがあった。準暴力団「チャイニーズドラゴン」幹部の出所祝いが行われていたといい、警視庁が経緯などを捜査している。
　「１０人以上の男たちがもみ合っている」。１６日午後６時半頃、多くの家族連れらでにぎわう日曜日の商業施設から、１１０番が相次いだ。
　警視庁幹部によると、現場は５８階に入るフランス料理店。８月に刑務所から出たチャイニーズドラゴンの元リーダーの男性の出所祝いが開かれていた。
　宴会は午後６時頃に始まり、直後から参加者らの一部で小競り合いが発生。最終的に十数人がもみ合いとなり、少なくとも男性１人が額に軽傷を負った。
　通報を受け警察官が駆けつけた際には、数人を残して大半の参加者が姿を消していた。床には割れたビール瓶やグラスが散乱し、ドアの一部が壊れていた。
　事件直後の状況を目撃した都内の大学院生の男性（２６）は「パーカやスーツ姿の男性たちを帰らせまいと警察官が必死に制止していた。予約客とみられるカップルは店に入れず困惑していた」と振り返る。
　チャイニーズドラゴンは中国残留孤児２世らが中心となり１９８０年代後半に結成された。暴力団ではないが、集団で暴力行為を繰り返しているとして、警察庁が２０１３年に準暴力団に認定した。
　捜査関係者によると、薬物の密売や詐欺などが資金源とみられ、池袋や新宿、上野など主に都内の繁華街を拠点にしている。構成員は数百人とされる。内部で活動地域を巡る勢力争いが起きているとの情報もあるという。