Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

「国葬」への献花の列は異常批判に怒り覚えた人々 岸田政権が決断すべき「安倍路線の継承、堅持」 重要なのは岩盤支持層を失わないこと

© zakzak 提供 安倍元首相の「国葬」には多くの市井の人々が献花に並んだ
報道各社の世論調査によると、岸田文雄内閣の支持率が続落している。理由は明らかだ。一部メディアによる、「旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題追及」の名を借りた、安倍晋三元首相や自民党、そして、安倍氏の「国葬(国葬儀)」批判の影響だ。
旧統一教会の霊感商法などが問題であるならば、法治国家として、法に従って粛々と対応を進めればよい。だが、わずかでも旧統一教会の人間と接点があった政治家が、テロリスト以上の極悪人のごとく非難されるのは、中世の「魔女狩り」のようで、異常な光景だ。
左派メディアは、いわゆる「モリカケサクラ」で、執拗(しつよう)な安倍批判を展開した。しかし、ワイドショーを妄信する人々を除いて、大多数の国民がそれらの非難に扇動されることはなかった。一方、今回は多くの日本人が、一部メディアの口車に乗せられているかのように見える。
だが、もう一度、考えてみよう。
安全保障法制(平和安全法制)を整備しようとした安倍内閣が徹底的にたたかれたときのことだ。「戦争法」「徴兵制がやってくる」「戦争に巻き込まれる」…。いずれも事実に基づかない言われなき中傷だった。
この時も、多くの国民が一部メディアに煽られていた。シールズと称する若者たちが注目され、安倍批判一色のように見えた。だが、安倍政権を支持し続けた人々がいたことを閑却(かんきゃく=なおざりにすること)すべきではない。彼らこそが、自民党の岩盤支持層に他ならなかった。
自民党の政治家にとって重要なのは、自民党の岩盤支持層に見放されないことだ。彼らの声にこそ、耳を傾けるべきなのだ。自民党の岩盤支持層とは、決して過激な右翼や軍国主義者ではない。
安倍氏の「国葬」の日、献花に訪れた多くの人々が存在した。都心に数キロにもわたる追悼の列ができた。彼らは「死人に口なし」とばかりの、異常な安倍批判に静かな怒りを感じていた人々であろう。
民主主義の根幹である選挙の最中に、テロリストの凶弾に倒れた名宰相を見送りたいと願っていた市井の人々だ。彼らこそ、まさに自民党の岩盤支持層だろう。
国葬実施は岸田首相の英断だった。「聞く力を発揮して国葬を取りやめよ」と主張する一部メディアに対して、毅然(きぜん)とした態度を示した。さまざまな批判があろうが、良識ある国民は国葬を支持していた。彼らの声に耳を傾けたのが今回の決断であろう。
政治において「聞く力」が不要であると主張するつもりはない。だが、より重要なのは「決断する力」である。岸田政権が決断すべきは「安倍路線の継承、堅持」の一言に尽きる。
香港や新疆ウイグル自治区での人権弾圧が指摘され、軍事的覇権拡大を続ける中国といかに対峙(たいじ)するか。これが日本の将来を決定する。国内の些末な問題に拘泥し、大局を見誤ることがあってはならない。
■岩田温(いわた・あつし) 1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。大和大学准教授などを経て、現在、一般社団法人日本歴史探究会代表理事。専攻は政治哲学。著書・共著に『偽善者の見破り方 リベラル・メディアの「おかしな議論」を斬る』(イースト・プレス)、『エコファシズム 脱炭素・脱原発・再エネ推進という病』(扶桑社)、『政治学者、ユーチューバーになる』(ワック)など。ユーチューブで「岩田温チャンネル」を配信中。