Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

ワイズスペンディングと安全保障

【今週のNewsピックアップ】


防衛装備品は「中国企業」から調達しようか?
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12772232063.html
防衛費の「ワイズスペンディング」って何だよ?
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12772569814.html



三橋は様々なチャートを作成しますが、
個人的にヒットだったのが「投資のマトリクス」。
【投資のマトリクス】


投資とは、生産性向上のために実施されます。



ここで言う生産性向上とは、
物理的な話のみならず
「豊かな生活」をも意味しています。
と言いますか、生産性が上がらない限り、
豊かな(あるいは「余裕ある」)生活は
不可能です。



技術開発やインフラ整備などは、
期間とコストが必要になります。
しかも、投資したとして、
生産性が高まるかどうかは分からない。
といいますか、あらゆる投資が
「本当に効果が出るのか分からない」
わけです。
設備投資や人材投資も同じです。
でも、やらなければならない。



その際に、
事前に「効果」の推測をするべきなのか。
民間企業は、するべきでしょう。
何しろ、投資をしたとして、
利益が生じないのであれば、
企業は倒産してしまう。



政府は違うでしょう・・・・・、という話。
政府の経済財政諮問会議の民間議員が、
防衛費について、
「ワイズスペンディングの徹底」
などと言い出したわけですから、
引っくり返ってしまいました。



防衛に限らず、
安全保障関連のワイズスペンディングなど、
不可能です。
というか、
ワイズスペンディングを追求すると、
安全保障が成立しなくなります。



ちなみに、
経済財政諮問会議は
ワイズスペンディングについて、
「政策効果が乏しい歳出を徹底して削減し、
政策効果の高い歳出に転換するもの」
と、定義しています。



防衛安全保障において
「ワイズスペンディング」を実現したいならば、
「将来的に、いつ、どの敵国が、
どの程度の軍事力で、いかなる手段で、
どのルートから侵略してくる」
を「事前に」確定させなければなりません。



防衛に限らず、多くの非常事態は
平時からの移行期間は極めて短く、
非常事態発生後に、
各種安全保障サービスの供給能力を
確保しようとしても、絶対に間に合わない。



平時から「需要無し」の状況で、
供給能力を維持し続ける必要があるが安全保障。
それにもかかわらず、
ワイズスペンディングを貫くとなると、
「将来の非常事態」を
全て事前に確定させなければなりません。
人間にできるわけがない。



安全保障という需要について可能な限り
「想像力」を働かせ、
「最悪の非常事態」が発生しても
国民を守る必要がある。これが安全保障。
ワイズスペンディングの出る幕は無い。



さらに言えば、防衛力を強化した結果、
軍事バランスが保たれ、戦争が起きなかった場合、
「政策効果」は図りようがない。
安全保障分野においては、
「需要を発生させないこと」
も政策効果になるわけですが、
何しろ需要が「生じなかった」わけで、
数値的な効果測定は不可能です。



というわけで、「ワイズスペンディング」
という用語を使った以上、
経済財政諮問会議の民間議員は、
安全保障について
全く理解していないことになります。



この手の安全保障に関する無理解は、
大げさでも何でもなく日本国を亡国に追い込む。
ワイズスペンディングという、
なかなか響きの良い言葉は、
「安全保障」分野では成立し得ない
という事実を理解し、拡散にご協力ください。