Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

じつは過去にも飛んできてた。中国偵察バルーンへのアメリカの反応と詳細

中国が言うように「単なるオーバーリアクション」で終わる話…なのか?

Image: shutterstock© ギズモード・ジャパン 提供
「民間の気象バルーンが軌道を外れて無制御で迷い込んだ」という中国政府の発表とは裏腹に、どこからどう見ても偵察バルーンにしか見えない熱気球が先月アラスカの米領空に侵入。
核ミサイル基地( マルムストローム空軍基地はIBMS150基の司令部)が集積するモンタナ上空で先週から目撃され、全米が「撃ち落とせ!」の大合唱になるなか、とうとう2月4日土曜午後2時39分、F-22ラプター戦闘機がラングレー空軍基地を飛び立って空対空ミサイル「A9Xサイドウィンダー」を発射、木っ端みじんに破壊しました。
撃たれたときの高度は5万8000フィート(1万7700m)。
偵察バルーンの移動ルート

上の地図は、米国内の目撃情報をもとに移動ルートを再現したものです。
バルーンは高度6万~6万5000フィート(約1万8300~1万9800m)を浮遊して一端カナダに雲隠れしましたが、またフラフラと米空域に舞い戻り、そのまま東に移動。アメリカを横断しました。
「なんでもっと早く撃ち落とさないんだ」「全米が見られてしまうではないか」と国民はじりじりと見守ってきましたが、いくらビール瓶を投げても相手は2万メートルです。届きません。
バイデン政権は「地上に被害がおよぶから」と慎重姿勢を崩さず、観光客でにぎわうマートルビーチの沖合約11kmまで離れたところで今がチャンスと判断。
サウスカロライナ州内3つの空港と空域を封鎖して全便飛行停止を発令し、陸空の安全を確保したうえで水深約14mの浅瀬において破壊しました。
残骸は約10kmの範囲に飛散し、海軍が回収作業中です。しばらく泳がせている間に偵察バルーンのデータはかなりくわしく把握できたと米政府は会見で自信をにじませています。
過去にもあった偵察バルーン
今回は民間人のズーム撮影で騒ぎに

米軍上層部の日曜の発表によると、トランプ政権のときにも中国の偵察バルーンはちょいちょい飛んできていたそうで、その数、3回。
それがわかったのは政権交代後で、衛星写真アーカイブを解析してたら映ってて「お~のれ~」となったみたいです。
今回これだけ騒ぎが大きくなったのは、「写真」の力が大きいように思います。
モンタナ在住アマチュア写真家のChase Doakさんが会社で窓の外を見たら「真ん丸な白い物体」が目に入って「月にしてはやけに小さいな…」と感じて撮り、「UFOかもしれない」と家に飛んで帰って巨大な望遠ズームで拡大写真とビデオを撮りまくってシェアしたら、バズって世界のニュースになったというわけです。
今もChaseさんの電話は鳴りっぱなし。「ずっとフォトジャーナリストになるのが夢だった。こんなかたちで叶うなんて」と地元TVの取材に答えていました。
アマチュアフォトグラファーは東海岸でも大活躍です。以下はマートルビーチにたまたま居合わせた人が捉えた撃墜の瞬間です。
プロが捉えたもっと精密な写真もありますけど、一般人のこんな近くで戦闘機が…と思うと、まるで現実感がありません。
ひこうき雲が2つ見えますけど、出動した戦闘機は計3機。相手はほぼ止まってるバルーンなので1発命中でした。
やや物足りなかったのか、アメリカでは『トップガン』風に多少の脚色を交えたドッグファイト再現動画も生まれて多数再生されています。
撃墜直後に瓜二つの中国偵察バルーンが南米コロンビアにも出没。波紋を広げています。何が目的なんでしょうね…。
Source: BBC、Twitter