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中国スパイ気球、探知感度を上げたら「飛行物体」相次ぎ発見…アメリカ軍の撃墜4件

 【ワシントン=田島大志、ニューヨーク=金子靖志】米軍は11~12日、カナダと米国の領空に侵入した2件の飛行物体を戦闘機で撃墜した。今月4日に中国の偵察用気球を撃墜して以降、4件目となる。データの分析方法を変更して探知の感度を上げたため、発見が可能になったとみられる。

アメリカ上空で撃ち落とされた中国の偵察用気球=ロイター© 読売新聞
 米加両政府によると、カナダ北部のユーコン準州で11日、上空に侵入した飛行物体に対し、米軍のF22戦闘機が空対空ミサイルを発射した。米国とカナダが共同運用する北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)が10日夜に米アラスカ州上空で探知し、バイデン米大統領とカナダのトルドー首相が電話会談で撃墜を決めた。
 12日午後には米軍のF16戦闘機が米ミシガン州の五大湖の一つ、ヒューロン湖上空で空対空ミサイルを発射して飛行物体を撃墜した。高度約6000メートルを飛行していたため、「民間機への危険が懸念される」として、バイデン氏が撃墜を指示した。
 米軍として、米領空で今回のような飛行物体を撃墜した前例はなかったといい、NORADのグレン・バンハーク司令官は12日、記者団に「歴史的なことだ」と述べた。
 米政府は2件目以降の飛行物体について、機能や由来など詳細な分析を明らかにしていない。4日の撃墜後に中国が激しく反発した経緯があり、安易に情報を開示することで、他国との緊張に発展することを避けたいとの思惑ものぞく。
 米政府は、4日に米サウスカロライナ州沖上空で中国の偵察用気球を撃墜して以降、米軍のレーダーやセンサーから収集する情報の分析方法を変更し、より小さな物体も認識できるようにした。民間機への危険を重視する姿勢も改めて確認し、撃墜を判断する幅を広げた形だ。
 米議会では、領空を侵犯する飛行物体に強硬論が強まっていた。共和党のジェームズ・コマー下院監視・説明責任委員長は米ABCの番組で「政権がより真剣に取り組んでいることを歓迎する」と今回の撃墜を評価した。