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安倍総理の志は死なない!!

天安門事件から34年、香港の追悼集会は今年も開催できず 親中派団体が会場貸し切りバザー 当局も厳戒態勢敷く

 【香港=白山泉】中国で民主化運動が武力弾圧された天安門事件から34年となった4日、今年も香港で犠牲者を追悼する集会は開催できなかった。親中派団体がこれまで集会会場だった公園を貸し切って中国産品のバザーを実施し、市民の集会参加を封じた。治安当局も厳戒態勢を敷いた。一方、学校や図書館では中国政府に都合のいい歴史を教える動きが加速している。
 天安門事件が起きた翌年の1990年から2020年まで、6月4日に追悼イベントが行われてきた香港島のビクトリア公園。今年は3〜5日に親中派団体が「故郷バザーフェスティバル」と銘打ったイベントを企画し、約200店舗が中国各地の物産を販売した。イベントは香港政府の後援で「香港の祖国返還26周年を祝う」との横断幕が掲げられた。訪れた多くは高齢者だったが、ある食品店主は「団体から出店を頼まれた」と話した。
 一方、公園周辺では大勢の警官が警戒し、入り口では入場者の荷物検査が行われるなど緊張したムードを漂わせた。公園の一部は「改修中」として封鎖され、イベントが終了する午後9時以降も市民が集まるのを禁止した。香港メディアによると、3日夜にはハンガーストライキをしようとした市民など計4人が扇動罪違反などの疑いで警察に拘束された。
 中国本土でタブーとなっている天安門事件の追悼集会は、香港の「一国二制度」に基づく「言論の自由」を象徴していた。ただ、20年以降、政府は新型コロナウイルスの感染防止を口実に、集会への圧力を強化。同年の香港国家安全維持法(国安法)施行後は、集会を主催してきた民主派団体トップを逮捕するなど圧力をさらに強め、21年には初めて集会の中止に追い込んだ。
 香港の飲食店経営者の男性は「香港人にとって集会は(政府に対する)意思表示の手段だった。コロナ収束後も集会をさせないことは、国安法などの政策に自信がないことの表れだ」と批判するが、来年以降も追悼集会の開催は困難な状況だ。一方、最近では香港の公共図書館から天安門事件や民主派に関する書籍の撤去が進む。学校でも国家安全や愛国意識を植え付ける教育が行われ、香港でも天安門事件の歴史が風化する懸念が強まっている。