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南シナ海に中国船300隻超集結、準軍事組織「海上民兵」が乗船か

 【ハノイ=安田信介、北京=大木聖馬】フィリピン軍は10日、中国と領有権を争う南シナ海で前日に300隻を超える中国船を確認したと明らかにした。中国側が支配を強めるため、展開する船舶の数を増やしている可能性がある。


 比軍高官は10日の記者会見で、「9日に400隻以上の外国船が確認されており、そのうち85%が中国船だった」と述べた。340隻以上が中国船だった計算になる。中国の退役軍人や漁民らで構成する準軍事組織「海上民兵」が乗っているとみられる。


 南シナ海でフィリピンが実効支配しているアユンギン礁(中国名・仁愛礁)付近では5日、比船が補給活動中に中国海警局の船から放水を受け、両国による応酬が続いている。


 中国外務省は8日の声明で、フィリピンが同礁の実効支配に使っている座礁船について、「比側は何度も撤去を約束したが、24年過ぎても撤去せず、大規模な補修をし、仁愛礁を恒久的に占領しようとしている」と主張した。フェルディナンド・マルコス比大統領は9日、中国が主張する撤去の約束について、「把握していない。あったとしたら今取り消す」と反発した。


 比軍は座礁船に駐留する兵士への補給を続けると表明しており、両国の緊張が続く可能性がある。