Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

ナワリヌイをロシア人はどう考えているのか?

全世界のRPE読者の皆様、こんにちは!


北野です。





@北野は有料講座『パワーゲーム』でどんな話をしてい
るのでしょうか?
興味がある方は、こちらをチェックしてみてください。

https://rpejournal.com/urarpe176.html




(@動画のPRがありますが、依頼されたわけではありませ
ん。)




オランダ在住、Assuntaさまからメールをいただきました。




〈北野先生


金曜日、ナワリヌイの死を知ってから北野先生のメルマ
ガをクビを長くして待っていました。


ショックでした。



「こんなに無謀なことばかりしていたらいずれプーチンに
殺されるのに」



と思っていてもショッキングな突然死でした。


希望を失ったという感じです。


本日のオランダやイタリアのオンライン新聞でもユリア夫
人のビデオがトップです。


嘘つきばかりの中で命を賭して真実を伝えようとするの
もロシア人なんでしょうか?


毒殺未遂から回復した後ドイツから帰国した時も理解でき
ませんでしたが、


プーチンの死や失脚を待つということはできなかったので
しょうか? 


志がよくて、かつ「私はプーチンになりたい」なんていう
嘘をしゃーしゃーと言ってのけるロシア人はいないのでし
ょうか?


もっと理解できなかったのは、日経新聞の記事、



「ただ、保守的な国民が多いロシアでは、ナワリヌイ氏の
評価は都市部を除けば、必ずしも高くない。独立系調査機
関レバダ・センターが23年1月に実施した世論調査では同
氏の活動を「評価しない」が57%を占め、「評価する」の
9%を上回っていた。」



これは事実なのでしょうか? 


とすれば、彼を過大評価していたのはプーチンだけという
ことですか?


質問ばかりですみません。


今後はよくなるという北野先生のお言葉を信じたくても信
じられない日々です。〉
ーー



Assuntaさん、ありがとうございます!


順番にお答えしていきましょう。




〈嘘つきばかりの中で命を賭して真実を伝えようとするの
もロシア人なんでしょうか?〉
ーー



これは、日本人と同じで、「いろいろな人がいる」という
ことでしょう。


ロシアにも時々、命がけで真実を伝えようとする人がでま
す。


たとえば、水爆開発に関わり、後に人権活動家、反体制活
動家に転じたアンドレイ・サハロフ博士。


たとえば『収容所群島』を記し、ノーベル文学賞を受賞し
たアレクサンドル・ソルジェニーツィン。



しかし、どこの国でもそうだと思いますが、「命がけで真
実を伝えようとする人」は、超少数派です。


普通の人は、命がおしい。


それで、ロシアで反戦の人は、普通黙っています。




〈毒殺未遂から回復した後ドイツから帰国した時も理解で
きませんでしたが、
プーチンの死や失脚を待つということはできなかったので
しょうか?〉
ーー




ナワリヌイ以外のほとんどの「反プーチン派」はそうして
います。


ウクライナ戦争がはじまった時、ナワリヌイや反プーチン
派は「戦争反対」でした。


それで、ナワリヌイの同志は、逮捕されたか、国外に脱出
したかどちらかです。


逮捕を逃れたナワリヌイの同志は、外国で活動を続けてい
ます。




〈志がよくて、かつ「私はプーチンになりたい」なんてい
う嘘をしゃーしゃーと言ってのけるロシア人はいないので
しょうか?〉
ーー



プーチン政権は、「KGB政権」ですから、表面だけプーチ
ンに従順でも、いずれバレルでしょう。


私がモスクワに行った90年、バルト三国の人から、



「人のいる場所で政治の話をしていはいけない。
電話で重要な話をしてはいけない。
この国では、『常に聞かれていること』を決して忘れては
いけない」



とアドバイスされました。


だから今なら、


「メールは、読まれている。
スマホは聞かれている。
SNSは見られている。
自宅は盗聴されている」



と考えて生きていく必要があります。


そういう状況下で、ウソをつきつづけることはほぼ不可能
でしょう。




〈もっと理解できなかったのは、日経新聞の記事、


「ただ、保守的な国民が多いロシアでは、ナワリヌイ氏の
評価は都市部を除けば、必ずしも高くない。独立系調査機
関レバダ・センターが23年1月に実施した世論調査では同
氏の活動を「評価しない」が57%を占め、「評価する」の
9%を上回っていた。」


これは事実なのでしょうか? 〉
ーー



事実だろうと思います。


ロシアの言論空間は、他の国同様大きく二つにわけられま
す。


テレビとインターネットです。


プーチンは、ロシアのテレビを完全に支配しています。


それで、ロシアのテレビで、プーチン批判はいっさいあり
ません。


テレビでは、ナワリヌイについて、「死んだ」という事実
だけが短く報じられました。


それを見ている「テレビ世代」(つまり年配の人たち)は、


すでに「洗脳済み」なので、なんの感情もわいてこなかっ
たことでしょう。


そもそも「テレビ世代」は、報道されないので、ナワリヌ
イのことをあまり知らないのです。



では、インターネット世代はどうでしょうか?


こちらは、ナワリヌイ派と反ナワリヌイ派(=クレムリン
)で、激しい情報戦が繰り広げられています。


クレムリンの「説」は、なんと



「ナワリヌイの死は、【 西側 】に都合がいい」



というものです。


断言はしていませんが、暗に



「西側の諜報機関がナワリヌイを殺したのだろう」



と言っているのです。


どういうロジックでしょうか?


クレムリンのロジックはこうです。



ナワリヌイが亡くなるまで、西側は追い詰められていた。


なぜ?


フォックスニュースの元看板キャスター・タッカーカール
ソンが2月6日、プーチンにインタビューした。


それが公開され、プーチンの主張が全世界に広がってしま
った。



「このままではプーチンの主張が拡散され、俺たち(西側)
の主張のウソがばれてしまう!」



と危機感をもった西側の支配者たちがナワリヌイを殺した?


その結果、世界中の注目がナワリヌイの死に集中し、カー
ルソンのインタビューは忘れ去られた。


かくして、西側の支配者は、目的を達成したと。


こんなロジックです。



@ちなみに「カールソンのインタビュー、プーチンのホン
トとウソについて、【裏メルマガ】で書いています。
興味のある方は、ご一読ください。

https://rpejournal.com/urarpe174.html




それにしても、「西側諜報」優秀です。


ナワリヌイはヤマロ・ネネツ自治管区の刑務所に収監され
ていました。


西シベリア、北極圏に位置するヤマロ・ネネツ自治管区の
刑務所に収監されているナワリヌイを暗殺するとは・・・。


@参考、ヤマロ・ナナツ自治管区はどこ?
https://search.yahoo.co.jp/image/search?p=%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%AD%E3%83%BB%E3%83%8D%E3%83%8D%E3%83%84%E8%87%AA%E6%B2%BB%E7%AE%A1%E5%8C%BA%E5%9C%B0%E5%9B%B3&fr=top_ga1_sa&ei=UTF-8&aq=-1&oq=#4c4363ba31dfd4f60be44adf3b3f6178



まったくバカげた説ですが、情報を大量に流すことで、一
定数の人たちが信じるようになるものです。


ところで皆さん、これから日本の情報空間をじっくり観察
していてください。



「ナワリヌイは、西側諜報(たとえばCIA、MI6など)に
よって殺された。
理由は、タッカーカールソン云々」



と主張する人が出てくるかもしれません。


そういう人たちは、



・クレムリン情報ピラミッドを妄信している


・クレムリンに操られている


・クレムリンのエージェントである



のいずれかですから。




〈とすれば、彼を過大評価していたのはプーチンだけとい
うことですか?〉
ーー



いえ、そうではありません。


ナワリヌイは、先日メルマガで紹介した三つの動画で、


「プーチン神話」を完全に粉砕したのです。



結果、プーチンは「神話による統治」が不可能になり、


「恐怖による統治」に移行しました。



ただ、テレビ世代は、洗脳されているので、



「神話の統治から恐怖の統治に移った」



ことすら気づかないのです。




〈質問ばかりですみません。
今後はよくなるという北野先生のお言葉を信じたくても信
じられない日々です。〉
ーー




「よくなる」というのは、少し先の話です。


短期では、混乱がつづきます。


しかし、今の混乱の後には、よりよい時代が待っているで
しょう。



Assuntaさんは、ナワリヌイが亡くなって、



「希望を失った」



と書かれていました。


アカデミー賞を受賞したドキュメンタリー映画


『ナワリヌイ』


の最後で、彼は


「あなたが逮捕され、収監され、あるいは殺されるとして、
ロシア国民にどんなメッセージを残しますか?」



と質問されました。


ナワリヌイは、答えました。





「決してあきらめるな!」




と。



◆重要PS


ナワリヌイについては、彼の戦いを描いたドキュメンタリ
ー映画がアカデミー賞を受賞しています。


アマゾンプライムで400円で見ることができます。


見ることを強くお勧めします。

https://amzn.to/49HpPw9



◆PS PR


北野の新刊が出ています。


「わけのわからない世界情勢が、めちゃくちゃシンプルに
わかるようになりました!」


と評判です。


アマゾンで


・戦略・戦術部門1位
・その他戦争関連書籍1位
・ロシアのエリアスタディ1位


を獲得した



●黒化する世界~民主主義は生き残れるのか?


詳細は↓
https://amzn.to/3AWOtJj



まだの方は、是非ご一読ください。