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安倍総理の志は死なない!!

かつて、地球の大気は「二酸化炭素」で満ちていたが…なぜ消えたのか?それは、地球温暖化の「真の原因」にも関わる話だった

海があり、陸地があり、植物や動物がひしめきあっている地球――。私たちが当たり前のように享受しているこの星の環境は、実は46億年かけて生み出された「すごすぎる仕組み」だった…!


地球の成り立ちから現在までの変化を壮大なスケールで眺め、物質循環という「非常にシンプルな原理」で解説した地球科学の新しい入門書『地球46億年 物質大循環』から、そのポイントをお伝えしたい。


*本記事は、月村勝宏著『地球46億年 物質大循環 地球は巨大な熱機関である』(ブルーバックス)を抜粋・再編集したものです。


大気から消えた二酸化炭素のナゾ
水につぐ第二の揮発性物質は二酸化炭素です。しかし、かつて二酸化炭素は今よりずっと濃密に大気中に満ちていたことをご存じでしょうか。


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マグマオーシャンがあったとき、メタンや二酸化炭素は一部が大気にあり、一部がマグマオーシャンに溶けていました。地表が固化しマグマオーシャンが消滅すると、マグマオーシャンに溶けていたメタンと二酸化炭素は大気に排出されました。
マグマオーシャンがあったときおよびマグマオーシャンが消滅した直後に、水素は宇宙に拡散したために、メタンは水に酸化されて二酸化炭素となりました。そして、マグマオーシャンが消滅した直後にメタンは大気から消滅し、すべてが二酸化炭素になりました。このとき、大気中の二酸化炭素は約43バールあったと推定されます。


この値は、現在の堆積物や岩石や海水や大気に含まれている炭素のすべてが初期地球の大気に二酸化炭素として存在したとして計算したものです(表2‒7)。


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かつて、地球の大気は「二酸化炭素」で満ちていたが…なぜ消えたのか?それは、地球温暖化の「真の原因」にも関わる話だった
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地球温暖化の真の原因は?
二酸化炭素は温度低下とともに、大気と海にどのように分配されたかを見てみましょう。大気中に排出された二酸化炭素は、地表の温度が374℃よりも高いとき、超臨界状態にある水と共存していました。


地表の温度が臨界点(374℃)より少し(たとえば370℃くらいに)低下すると、海に溶けた二酸化炭素の割合は11%くらいになりました。海に11%ほど溶けている状態が100℃くらいまで続きました。これは、温度低下で海の量は増えたのですが、二酸化炭素の溶解度が温度低下で低くなったために海への溶解量はほとんど変化しなかったからです。100℃より温度が低下すると、海への溶解量が増え始めました。43バールもあった二酸化炭素は、温度が15℃まで低下すると、34%が海に溶けました。


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図2‒8に、海に溶けている二酸化炭素の量を、大気中にあった場合に何バールになるかという値で表しました。


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かつて、地球の大気は「二酸化炭素」で満ちていたが…なぜ消えたのか?それは、地球温暖化の「真の原因」にも関わる話だった
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人間が排出した二酸化炭素が原因で地表の温度が上昇しているといわれています。しかし、海水中にある二酸化炭素と大気中にある二酸化炭素の総量が一定であった場合、海水の温度が上がれば大気中の二酸化炭素濃度は上がり、海水の温度が下がれば大気中の二酸化炭素濃度は下がります。


現在の地球は、海水の温度が上がったので、大気中の二酸化炭素濃度が上がったとも考えられます。


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さらに「地球46億年 物質大循環」シリーズの連載記事では、さまざまな地球科学の最新知見をお届けしていく。