Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

崩壊する世界秩序ーウクライナ侵攻2年で何が変わった?

全世界のRPE読者の皆様、こんにちは!


北野です。




今日は2024年2月24日。


ちょうど2年前、プーチン・ロシアがウクライナ侵攻を開
始しました。


この2年で世界はどう変わったのでしょうか?




▼ロシア=戦略的敗北




まず、ウクライナを侵略中のロシア。


私は、ウクライナ侵攻がはじまる前から、二つのことを書
いてきました。



一つは、プーチンがウクライナ侵攻を決断する可能性があ
る。


もう一つは、プーチンがウクライナ侵攻を決断すれば、


【 戦略的敗北 】は【 不可避 】である。



いずれもそうなりました。


これ、反発したくなる人もいるでしょう。



「現状ロシア軍の方が優勢ではないか!
ロシアは負けてない!」



と。


その通りです。


しかし、意図的に私は【 戦略的 】という言葉を使って
います。


どういうことでしょうか?


大局的にみるとロシアは、ウクライナを侵略したことで、
あまりにも多くのものを失ったということです。


たとえば、国際的評判。


これ、ビジネスをしている人ならみんなご存知でしょう。


一番大切なものです。


ロシアの評判は、どうでしょうか?


国際刑事裁判所は2023年3月、プーチンに逮捕状を出しま
した。


ロシアの大統領プーチンは、「戦争犯罪容疑者」なのです。


それで彼は、国際刑事裁判所に加盟している124か国に行
けなくなりました。


行けば、逮捕されるからです。


ちなみにプーチンはもう日本にこれません。


日本に来れば、日本はプーチンを逮捕する「義務」がある
からです。




ロシアは、「旧ソ連圏の盟主」の地位を失いました。


ウクライナ侵攻後、


ウクライナ、モルドバ、ジョージアは、「EU加盟申請」
を行いました。


これは、「ロシア圏から離脱して、EUの一員になるぞ!」
という決意表明です。



2022年、2023年のナゴルノカラバフ紛争でロシアに助け
てもらえず、アゼルバイジャンに敗れたアルメニア。


ロシアを中心とする軍事同盟CSTOを離脱する意向です。


『共同通信』2月23日付。




〈タス通信などは23日、アルメニアのパシニャン首相が、
旧ソ連圏6カ国でつくるロシア主導の軍事同盟「集団安全
保障条約機構(CSTO)」への参加を凍結したと述べたと
報じた。〉
ーー




そう、ロシアを中心とする軍事同盟CSTOは、崩壊にむ
かっているのです。


そしてアルメニアのパしニャン首相。



「ウクライナ問題で、アルメニアはロシアの仲間ではない
!」



と断言しました。


『読売新聞オンライン』2月21日。




〈アルメニアメディアによると、同国のニコル・パシニャ
ン首相は19日、訪問先の独ミュンヘンで「ウクライナ問
題でアルメニアはロシアの仲間ではない」と述べ、ロシア
のウクライナ侵略に反対する立場を示した。
旧ソ連構成国アルメニアのロシア離れがさらに鮮明になっ
た。〉
ーー



そして、中央アジア諸国は、中国に走っています。


2023年5月、習近平は、「中国中央アジア運命共同体」の
創設を宣言しました。


中央アジア、具体的にはカザフスタン、ウズベキスタン、
トルクメニスタン、タジキスタン、キルギス。


いずれも旧ソ連国で、プーチンは、「ロシアの勢力圏」と
考えていました。


しかし、習近平は、露骨にロシアから中央アジア諸国を奪
ったのです。


戦争で弱体化しているロシアは、習近平に文句の一つも言
うことができませんでした。



というわけで、ウクライナ侵攻でロシアは、「旧ソ連の盟
主」ではなくなりました。


ロシアの勢力圏にいるのは、ベラルーシぐらいです。


これも【 戦略的敗北 】の一つでしょう。




もう一つ。


ロシアは、制裁でSWIFTから除外され、ドル圏、ユーロ圏
から排除されました。


結果、ロシアは、「人民元圏」に入ることになったのです。


ロシアは、天然ガス、原油、石炭を最大顧客だった欧州に
売ることが難しくなった。


それで、やむを得ず、中国に「人民元」で売っているので
す。


中国は、完全に価格決定権を持っていて、ロシアの


【 生殺与奪権 】を握っています。


そう、ウクライナ侵攻によってロシアは、


【 中国の属国 】になったのです。



ざっくり書きましたが、これらがロシアの【 戦略的敗北 】
の意味です。




▼ウクライナ=自業自得で反転攻勢に失敗




ウクライナ、2022年から2023年の夏ぐらいまでは、世界
が驚くほど健闘していました。


しかし、2023年6月にはじまった反転攻勢で失敗し、窮地
に陥っています。


なぜウクライナは反転攻勢に失敗したのでしょうか?


「ウクライナ自身の戦略ミス」であることが明らかになっ
ています。


失敗は、大きく二つありました。


一つは、反転攻勢開始の時期です。


アメリカは、「ロシアに防衛線を築く時間を与えないよう、
2023年4月からはじめるべき」と主張しました。


しかし、ウクライナが反転攻勢を開始したのは6月です。


この2か月間で、ロシア軍は、地雷原や塹壕をつくり、十
分な防衛線を作ってしまったのです。



もう一つは、戦域についてです。


アメリカ軍は、南部ザポリージャ州のメリトポリに戦力を
集中すべきだと主張しました。


ところがウクライナ軍は、メリトポリに加え、


同じくザポリージャ州でアゾフ海に面するベルジャンスク、


東部ドネツク州のバフムト


を同時に攻めることにしたのです。


つまりウクライナ軍は、「戦力を3分割する」という、基
本的で最悪の間違いを犯してしまった。


結果、反転攻勢に失敗しました。



アメリカから見れば、「いわんこっちゃない」というこ
とでしょう。


アメリカがウクライナに冷淡になった一番の原因は、


2023年にイスラエルーハマス戦争が勃発したからです。


しかし、ウクライナが武器と資金を提供してくれているア
メリカの言うことを聞かず、


独自路線を突き進んで失敗したことも大きかったのです。



ウクライナは今、欧米からの支援が減って、苦境に立たさ
れています。




▼アメリカ=一貫性のなさで信用を失う




アメリカは、ロシアほどではないにしろ、かなり国際的信
用を失墜させています。


なぜでしょうか?


バイデンは、最後までウクライナと共にあると約束してい
ます。


彼は、その約束を果たしたい。


しかし、共和党が過半数をしめる下院の反対で、ウクライ
ナを支援することができなくなっている。


そして、次期大統領の最有力候補トランプは、



「私が大統領になったら、真っ先にウクライナ支援を止め
る!」



と断言しています。


当然同盟国群は、「アメリカの約束はアテになるのか?」
と疑問に思うでしょう。


実際、アメリカの約束はアテになりません。


大統領が代わるたびにコロコロ変わります。


たとえば、2015年オバマ政権は、イラン核合意を成立させ
ました。


ところがトランプは2018年、この合意から離脱しています。



アメリカは、国内の分断が深刻な状況。



大統領が代わるたび、全然正反対の方向に振れます。


日本は、自立を加速させる必要があるでしょう。




▼欧州=アメリカ抜きでロシアの脅威と対峙する




アメリカと共にウクライナを支援している欧州はどうでし
ょうか?


こちらも深刻です。


というのも、ロシアがウクライナとの戦闘に勝てば、次は
EU加盟国を侵略する可能性がでてきます。


もっともあり得るターゲットは、「旧ソ連」のバルト三国
(エストニア、ラトビア、リトアニア)でしょう。


実際、「ロシアがバルト三国へのハイブリッド作戦を計画
している」という噂も流れています。



アメリカがアテにならない今、欧州は、ドイツ、フランス
を中心に、ロシアと対峙していかなければならない。


なかなかしんどい状況です。




▼中国=ウクライナ戦争最大の勝ち組なのに、笑えない




プーチンのウクライナ侵略。


一番の勝ち組は、中国です。


なんといっても、資源超大国ロシアを、人民元圏に組み入
れ、「属国化」することに成功したのですから。


習近平は2023年5月、属国の長プーチンを気にすることな
く、


「中国中央アジア運命共同体」創設を宣言しました。



「これから、中央アジアは中国の縄張りにするから、よろ
しく!」と。



プーチンは、習近平に何も言えませんでした。



とはいえ、ウクライナ戦争の勝ち組中国が安泰というわけ
ではありません。


経済がボロボロになっているからです。


具体的には2021年の恒大ショックから、ずっと不動産バブ
ル崩壊過程が続いている。


そして、国家ライフサイクルで高成長の成長期から、低成
長の成熟期に入ったこと、


人口減少がはじまったことから、


中国に高成長時代は戻ってこないでしょう。




▼日本=他国比でかなりマシな状況だが




以上、ウクライナ戦争に関係のある国々の状況を見てきま
した。


みんなボロボロにな中、日本は、「かなりマシ」です。


日本が、ロシア、ウクライナよりマシなのはわかるでしょ
う。


そして、アメリカや欧州のような社会分断は、日本で起こ
っていません。


中国のような経済危機も起こっていません。



日本最大の問題は、岸田さんが懲りずに「増税路線」であ
ることです。


それでも、トータルに見れば、他国比でずいぶんマシとい
うことでしょう。



とはいえ、日本の状況がいいのは、「戦争が遠くで起こっ
ているから」です。


台湾有事、第2次朝鮮戦争が勃発すれば、日本も大変なこ
とになります。




もう一国、日本よりもさらに状況がいいのは、インドです。


結局、



「米中覇権戦争、真の勝者はインド」



ということになるでしょう。


◆重要PS



今回の話に関連して。


「戦略的勝利」と「戦術的勝利」


「戦略的敗北」と「戦術的敗北」


この違いがわからない人が多い。


(例、プーチン勝ってるよ!など)


それが、日本の弱点です。


大局的、長期的に見れない。


それで、いろいろ失敗して、敗戦に至りました。


日本人の脳を【 戦略脳 】にすべく、新刊の
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