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安倍総理の志は死なない!!

台湾問題は「わがこと」 ブレーキなき中国、抑止力で有事回避を 京都「正論」懇話会で岩田清文氏

2月29日にホテルグランヴィア京都(京都市下京区)で開かれた京都「正論」懇話会の第73回講演会で、元陸上幕僚長の岩田清文氏は「台湾有事」の具体的なシミュレーションを提示し、抑止の必要性を訴えた。「激変する国際情勢と我が国の防衛 台湾・日本有事を抑止せよ」と題した講演の要旨は以下の通り。



世界は「困難と不信」の状況下に突入している。喜んでいるのは習近平国家主席だ。ウクライナの戦況は完全に膠着(こうちゃく)状態。ウクライナ軍は今年いっぱい防衛に転じ、戦力を蓄えて来年以降の反転攻勢に備えることになるだろう。イスラエルではあと数週間で大きな戦闘は終結するが、日本経済への影響は残るだろう。


中台紛争を起こすのは習氏だ。彼は台湾統一を達成することで毛沢東以来の偉業を達成した英雄になりたがっている。普通の国なら野党やメディア、議会などがブレーキとなるが中国にはブレーキがない。


デービッドソン前米インド太平洋軍司令官は議会で2027年までに台湾侵攻がありうると述べている。


習氏が決心したときに台湾有事が始まる。まずはサイバー攻撃や政治工作で台湾人を脅す。それ(平和的統一に台湾が応じること)はないので軍事侵攻しかない。与那国島、石垣島、宮古島は戦闘空域になる。この時点で日本有事だ。


米国が頼りにするのが日本の米軍基地だ。日本の支援なくして米国は勝てない。(支援妨害のために中国は)日本への破壊工作やサイバー攻撃、フェイクニュースで日本の世論を反米に結び付けようとする。(台湾での軍事衝突が本格化すれば)日本に対しても軍事力を行使するだろう。


どうやって(有事を)起こさせないか。それは日本も戦うという意思と能力を示すことだ。一番重要なのは反撃能力だ。それから国民保護、サイバー能力。国民の意識も大切だ。


抑止力で習氏にその気を起こさせないことが大事だ。核抑止や憲法改正の議論もしてほしい。台湾が中国のものになれば、西太平洋は中国のものになる。台湾はひとごとじゃない。「わがこと」だ。(荻野好古)