Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

戦狼、マスクの先は…中国外交ことしの展望

2020年12月、中国外務省の華春瑩報道官は中国が威圧的な「戦狼外交」をしているとの批判について反論した。「中国は沈黙の子羊になれというのか」「国の名誉と尊厳などを守るために戦狼になってもいいのでは?」
「戦狼外交」は中国のアクション映画「戦狼」になぞらえた好戦的な外交姿勢を示す言葉で20年の中国外交のキーワードになった。
もう一つのキーワードは各国に医療物資を支援して、中国の影響力を伸ばす「マスク外交」。報道官の言葉からは中国外交が21年も硬軟二つの顔を見せていくことを予感させた。
■肩を組もう…「TPP意欲」の本気度
「TPP=環太平洋経済連携協定の参加を前向きに検討している」20年11月、習近平国家主席はアメリカのトランプ政権が見送ったTPPへの参加に意欲を示した。ただTPPが参加国に課すルールは国有企業への補助金を原則禁じるなど、中国にとってはハードルが高い。このため日本の垂中国大使もこう述べた。「中国、本当にできるんですか?これはしっかりと見極める必要がある」「ただのリップサービス」との声もある。
しかし、11月に中国はRCEP=東アジア地域的包括的経済連携協定に合意したばかりだった。RCEPは日本や中国など15か国が結んだもので、世界のGDPや貿易額の3割をカバーする。
また習主席は最近、国際会議で「多国間主義」の言葉を多用している。「アメリカ第一主義」への“あてつけ”でもあるが、アメリカ以外の各国にウイングを広げようという戦略も見え隠れする。
通商分野だけではない。新型コロナ対策でも、マスク外交から衣を替えたワクチン外交が21年は本格化するとみられる。20年末時点ですでに中東のアラブ首長国連邦などが中国製ワクチンの市場供給を承認した。
■20年、“戦浪”の牙はオーストラリアに…
20年11月、中国外務省の趙立堅報道官はツイッターにオーストラリア軍の兵士が子どもにナイフをつきつける合成画像を投稿した。アフガニスタンで過去にオーストラリア軍が民間人を殺害したとする問題で非難するコメントも添えられた。
20年、中国が最も「戦狼外交」の矛先を向けたのはオーストラリアだ。20年4月、オーストラリアが中国を念頭に新型コロナウイルスの起源や感染拡大の背景について独立調査を求めると、中国はすかさず動いた。5月にはオーストラリア産の大麦に関税を上乗せしたほか、同国産の牛肉、石炭、ワインなどを標的にした措置を相次いで打ち出した。
中国政府は自国の産業を守るためなどと説明しているが、オーストラリアへのみせしめとの見方が根強い。アメリカのトランプ政権は、オーストラリアよりさらに以前から中国の新型コロナ対応を厳しく批判していたが、中国が矛先を向けたのはオーストラリアだった。では、対日姿勢はどうなのか。
■21年、日中関係は…
20年11月、来日した王毅外相が記者会見で尖閣諸島の領有権を主張すると、日本で激しい批判がわき起こった。王毅外相の突然の発言は「中国国内向け」との見方もあるが、ある日中関係筋は異なる見方をしている。「単に読み違っただけではないか。日本の世論が彼らの想像以上に厳しいことを理解していなかった」
最近、中国の外務省関係者と会話した際に話題に挙がったのは日中両国で行われた世論調査だった。調査では日本人の中国に対する印象が「良くない」と答えた人は89.7%、逆に中国で日本の印象を「良くない」とした回答は半数近くにとどまった。
このギャップは当然、今の日中外交にも作用する。日本政府関係者によると11月の王毅外相の訪日は中国側の強い要望があり、日本側が受け入れた形だという。米中関係の先行きが見通せない中で、中国は21年も当面、ハイレベルの交流を含む関係強化を日本に求めるとみられるが、日本は世論の反応を見極めながらの対応になるだろう。
ただ、これも予見はできないという。ある日本政府関係者はこう語った。「中国の対応は一瞬で変わる。いまほほえんでいたとしても、中国相手に予断は持てない」


というか騙すことを最優先にしているよね!!