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安倍総理の志は死なない!!

岸田政権の親中姿勢 「二股外交」で米から信用されない日本に…毅然と中国に立ち向かえ!

岸田政権の親中姿勢 「二股外交」で米から信用されない日本に…毅然と中国に立ち向かえ!
 岸田文雄首相が、中国を念頭に置いた人権侵害法(日本版マグニツキー法)の制定を見送る方針を固めた-と報じられた。「親中派」の林芳正氏を外相に任命するなど、政権の対中姿勢が注目されていたが、中国に甘い姿勢が確認されたかたちだ。
 このままだと、岸田政権が、ジョー・バイデン大統領の米国と、習近平国家主席の中国の双方にいい顔をする「二股外交」を展開し、同盟国である米国の信頼を損なう懸念が出てきた。
 これは杞憂(きゆう)ではない。私は「現実になる可能性がある」とみる。というのは、米国は日本を「どうも頼りない」とみているフシがあるからだ。そんな見方は、これまで表面化していなかったが、米中対立が深刻化するにつれて、深い闇から浮かび上がるように、顕在化しつつある。
 一例を挙げよう。
 米シンクタンク「新アメリカ安全保障センター(CNAS)」は10月26日、中国が台湾の南西にあるプラタス諸島(東沙諸島)に武力侵攻するケースを想定したシミュレーションの報告書を発表した。
 それによると、いったん人民解放軍の侵攻を許した後では、米国と台湾が協力して島を奪い返す手段は「ほとんどなかった」という。そのうえで、だからこそ「関係国が事前に準備し、対応を調整して、中国の侵攻を阻止することが重要」と指摘した。
 鍵を握るのは、日本だ。ところが、シミュレーションは「日本が必ず、米台の側に付く」とは想定していない。報告書はこう書いている。
 「このゲームでは、日本の関与が重要だった。米台は『日本の支持なしでは、中国と交渉する米台の立場が弱くなる』と説いて、繰り返し、日本の立場を問い合わせた」
 「日本の断固たる台湾支持がなければ、中国に撤退を迫る米台の努力を損ない、尖閣諸島のような日本の領土に、中国が抵抗なしに侵攻する先例を作る結果になる」
 「この戦いで、米国と台湾は『日本や他の友好国が重要な役割を果たす』と説得する必要がある」
 つまり、それほど日本は信用されていないのだ。オーストラリアの国防相が最近、台湾有事が起きれば、米国を支援する姿勢を明確にしたのとは、対照的ではないか。
 歴代の日本政府は事あるごとに、「日米関係は日本の平和と繁栄の基盤」と表明し、多くの日本人もそう思ってきた。だが、当の米国側は、専門家でさえも「いざとなったら、日本は本当にわれわれと一緒になって、中国と戦うのか」と疑念を隠せないでいる。
 岸田政権が対中政策で揺れ動くようなら、なおさらだ。いずれ緊張がさらに激化すれば、米国は「日本は中国にどう立ち向かうのか」と本気で迫ってくるだろう。そのとき、躊躇(ちゅうちょ)していていいのか。
 米ワシントン・ポスト(電子版)は16日、記者の署名コラムで、バイデン政権が来年2月の北京冬季五輪について、外交団を派遣しない「外交ボイコット」の方針を固め、近く発表する見通し、と報じた。
 北京五輪問題が最初の試金石になる。岸田首相は腹を据えて、中国に毅然(きぜん)と立ち向かうべきだ。
 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。