Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

公共事業予算繰り越しの真実

From 三橋貴明 @ブログ


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小選挙区制という「壁」
反グローバリズム勢力よ、連携せよ!
[三橋TV第575回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/AlXojJ1lskQ


ロシア-ドイツ間のノルドストリームは、
予定通り、昨日、定期点検を終え、
ガスの供給を再開しました。



 ドイツとしては戦慄の状況だったでしょうが、
ロシアあるいはプーチン大統領に
「ガス・パイプラインのバルブ」という
兵器を持たれていることに変わりはありません。



 ロシアではなくとも、
「他国」にエネルギーや食料、工業用原料の
供給を「依存する」ことの意味が、2月24日以降、
世界的に明らかになりつつあります。



 日本の場合は、
食料・エネルギーの外国依存はもちろんのこと、
災害大国でありながら、国内への防災投資すら
出し惜しんでいるわけで、話にならないわけですが。



 史上最も暑い6月が終わったと思ったら、
各地で豪雨が相次ぎ、「記録的な大雨」
という用語が飛び交っています。



先日、仙台で講演した際にも、
土砂災害警報のアラームが出席者(や私)の
スマホから飛び交っていました。



 国土交通省が全国の鉄道橋の
総点検をしたところ、監視や補修・補強が
必要な橋が53か所で確認されたとのことです。



 『豪雨で流失の恐れある鉄道橋53か所、JRが5800か所点検…監視や補修必要
  国土交通省は19日、
 河川に架かる鉄道橋の総点検で、
 豪雨で流失する恐れがあり、
 監視や補修・補強が必要な橋が
 53か所で確認されたと発表した。



  点検は昨年9月から
 JR各社が約5800か所を対象に実施。
 橋の流失の原因となる、
 橋脚の根元の川底がえぐられる
 「洗掘せんくつ」が
 起きていないかなどを調べた。



  その結果
 「緊急に措置が必要な橋」はなかったが、
 53か所は洗掘の進行がみられるなどし、
 「監視や補修・補強が必要な橋」
 とされた。(後略)』 



 道路橋のみならず、
鉄道橋もかなり傷んできています。



 建設したはいいものの、
緊縮財政で民間含めて「保守」(メンテナンス)
費用をケチって来た以上、当然、こうなります。



 わたくしに言わせれば、
インフラストラクチャーという
「下部構造」を維持、改善していく活動こそが
「保守」でございますよ。



 無論、社会制度や文化・伝統などの
「保守」もあるのでしょうし、
世間一般に「保守派」と名乗っている人は
(ちなみに、わたくしは名乗ったことがないので、
保守派扱いするのやめて下さい)
その意味で「保守」という言葉を
使っているのでしょうが、ならば、
「改革! 改革!」言うの、やめろよ、
という話。



 保守はメンテナンス。
改革は、
「抜本的改革」という言葉が示すように、
スクラップアンドビルド。



一度、ぶち壊して新たな制度を設計、
導入する、非・暴力的革命が改革です。
(だから「革」が入っている)



 そういう意味で、
「抜本的改革」が大好きだった石原慎太郎は、
保守派ではないのですよ、
わたくしに言わせれば。
「天皇陛下! 靖国神社! 英霊! 憲法改正!」
 とか言っていれば、日本では保守派になる。
と、言われれば、
「はあ・・・」としか言いようがないのですが。



ところで、日本のいわゆる
「なんちゃって保守」問題はともかく、
インフラの保守ということであれば、
多くの国民が同意するでしょう。



ここで登場するのが、
「公共事業の予算をつけても使いきれず、
翌年度に繰り越しになっているじゃないか」
 プロパガンダなので、ご注意を。



 『予算繰り越し、22.4兆円 過去2番目の水準―国の21年度決算
  財務省が5日発表した2021年度の
 国の一般会計決算概要によると、
 22年度へ繰り越された額が
 22兆4272億円に上った。



 新型コロナウイルス対策のため
 規模優先で巨額予算が組まれ、
 執行が遅れたことなどが原因。
 年度内に予算を使い切る
 「単年度主義」の原則を
 守れなかった格好だ。



 繰越額は、
 過去最大の約30兆円に膨らんだ
 20年度決算に次ぐ規模となる。



  21年度予算はコロナ対応の長期化を受け、
 当初予算と補正予算を合わせた歳出総額が
 142兆5992億円に膨らんだ。
 繰越額が大きかった主な事業は、
 公共事業関係(4兆円強)のほか、
 飲食店の営業時間短縮などに伴う
 協力金(3.6兆円)、
 コロナ禍で減収に陥った中小企業向けの
 「事業復活支援金」(2.3兆円)など。』



 他の事業は分かりませんが、
こと公共事業費4兆円強の
繰り越しについては、当然の話であり、
同時に「良いこと」だったりします。



 理由は、
1.そもそも通常予算ではなく、
毎年度10-12月期、1-3月期に
補正予算で公共事業費を
数兆円規模で増やしているため、
年度中に消化できるはずがない。
巨額繰り越しが出ない方が、むしろ異常。



2.通常は年度初め(4-6月期)に
公共事業の発注がなく、
土木・建設業者が苦しんでいたが、
繰り越し分の消化により、
仕事の平準化がある程度実現している。



 2についてですが、通常予算のみだと
執行が7月以降になるため、
普通は4-6月期に仕事が全くなく、
事業者を苦しめていました。
何しろ、仕事がなくても人手を
確保し続けなければ、
7月以降に苦しむことになる。



 というわけで、
事業者は「公共事業発注の平準化」を
求めていたのですが、
これがなかなか(何十年も)実現しない。
とはいえ、昨今は年度後半に
公共事業積み増しを含めた
補正予算を組むため、その多くが繰り越され、
4-6月期に「仕事」になり、
非常に助かっている、
という話なのでございます。



 もっとも、
こんな事情を知らない多くの日本国民は、
「公共事業費を年度内に使いきれない! 
ムダだ! 削れ!」という印象操作に
引っかかるに決まっています。



 皆様、是非とも
「公共事業予算繰り越しの真実」
について理解し、拡散してください。
いつも通りといえば、そうなのですが、
上記1や2って、よくよく考えてみると
「当たり前の話」でしょ?