Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

国連安保理の無力露呈 ロシア・北朝鮮〝悪の連携〟を放置 日本は覚悟を「露が北に緊張を高めるよう依頼、見返りに石油提供」との情報

国連が機能不全に陥っている。米国は先週、北朝鮮によるロシアへの兵器供給を確認したと発表したが、国連安全保障理事会決議に違反する〝悪の連携〟に有効な抑止策を打ち出せていない。一方、ロシアが軍事燃料を提供したことで、北朝鮮が大規模な空軍訓練を行ったという指摘もある。常軌を逸したミサイル発射にも、北朝鮮に融和的な常任理事国であるロシアと中国が反対して、安保理は一致した行動を取れないでいる。憲章で「国際平和」をうたう国連だが、ロシアのウクライナ侵攻を止められないことも含めて、その限界が明確になってきた。

「北朝鮮が(中国にとって)米国に対する地域的な緩衝となり、(ロシアに)ウクライナ侵略のための兵器を売ってくれるからといって、安保理の責任を放棄してはならない」
リンダ・トーマスグリンフィールド米国連大使は4日、安保理の緊急会合でこう述べ、中国とロシアを非難した。緊急会合は、国連安保理決議違反である、北朝鮮による度重なる弾道ミサイル発射を受けて開かれた。
トーマスグリーンフィールド氏が言及した北朝鮮の兵器供給疑惑については、米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官が2日、明らかにした。北朝鮮がウクライナ侵攻を続けるロシアに対して大量の砲弾を極秘に供給しているというものだ。
米政府は今年9月、ロシアが北朝鮮に弾薬の供給を打診しているとの機密情報を明らかにした。北朝鮮側は否定したが、大量の砲弾などの貨物が行き先を中東や北アフリカ諸国と偽ってロシアに向け輸送されていることを確認したという。
一方、朝鮮中央通信は8日、国防省軍事対外事業局副局長が、兵器取引を否定したと伝えた。
安保理決議に基づく対北朝鮮制裁措置では、「ヒト、モノ、カネ」の流れが規制されている。モノ(貿易)では、「北朝鮮からの輸入などの禁止」が記されており、「全ての武器」が対象である。
一方、ロシアから北朝鮮に軍事燃料が供給された疑惑も出ている。
北朝鮮情勢に詳しい麗澤大学の西岡力客員教授は「ウクライナ侵攻がロシアの想定通りに進まないなか、ウラジーミル・プーチン大統領が、米国の関心を分散させるために『朝鮮半島で緊張を高めてほしい』と、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の北朝鮮に依頼したという情報がある。その見返りが、ガソリンやジェット燃料として使用できる精製した石油といわれている。北朝鮮北東部の羅津(ラジン)港に船で運ばれ、その燃料を使って空軍訓練が行われたという見方がある」と説明する。
北朝鮮は10月8日、戦闘機150機が参加した空軍訓練を行い、韓国はF35Aステルス戦闘機などが緊急発進(スクランブル)した。今月4日にも、南北軍事境界線の北側上空を飛ぶ北朝鮮の軍用機180機の航跡が確認され、韓国はステルス戦闘機など80機あまりを緊急発進させた。
2017年12月の安保理決議で、北朝鮮への石油精製品の輸出に関しては、年間供給量を対前年比で約9割削減とした。このため、北朝鮮は洋上で積み荷を移し替える「瀬取り」を繰り返し行い、石油精製品を入手していたと報告されている。
そこまで「燃料不足」だった北朝鮮が最近、大量の軍用機を使った訓練を行っているのは明らかに異様だ。
米国が公表した北朝鮮からロシアへの兵器供給には、第三国が関与しているとの見方が強い。
西岡氏は「1960年から70年代にソ連から供与された高射砲の砲弾を、北朝鮮がロシアに提供しているという情報がある。砲弾は第三国の船を使ってロシアに運ばれているとされる。中国の可能性もあり得る」と語る。
前述したように、北朝鮮の武器輸出は明確な安保理制裁違反であり、ロシアなどの関与が事実だとすれば、大問題といえる。
これまでもロシア、中国の2カ国は、安保理で北朝鮮への制裁に慎重姿勢を貫いてきた。その結果、北朝鮮は自重するどころか、過去にないペースでミサイルを発射し、核開発を進めてさらに危険な存在となっている。
国連憲章の第1条には、国連の目的を「国際の平和及び安全を維持すること」と記されている。現状では、その役割を果たしているとは言い難い。北朝鮮だけでなく、ロシアによるウクライナ侵攻にも、国連は有効な手立てを打ち出すことはできなかった。
日本は、北朝鮮に加えて中国、ロシアという武力を背景に圧力を高める国家に囲まれている。今後、国民を守るためにどうすべきか。
西岡氏は「第2次世界大戦の戦勝国がつくった『国連』という枠組みが機能しなくなっている。日本は『核武装・核抑止』も視野に入れて、主権国家として自分の国を自分で守らなくてはならない」と指摘した。