Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

2022年は【歴史的】に見るとどんな年だったのか?

年末ですので、今年1年を振り返ってみましょう。




▼大まかな流れ




2022年の話に入る前に、大まかな時代の流れをおさえてお
きましょう。


1945年に第2次世界大戦が終わりました。


そして、1991年12月までを「冷戦時代」、別の言葉で
「米ソ二極時代」といいます。


91年12月にソ連が崩壊し、「冷戦時代=米ソ二極時代」が
終わりました。


1992年からは、「アメリカ一極時代」です。


アメリカ一極時代は、2008年に終わりました。


この年、リーマンショックから「100年に1度の大不況」が
起こり、アメリカは沈んだのです。



2009年、「米中二極時代」がはじまりました。


今も「米中二極時代」がつづいています。


2018年10月、ペンス副大統領(当時)の「反中演説」か



「米中覇権戦争」



の時代に突入しました。


今は、「米中二極時代、米中覇権戦争の時代」といえます。


「米中覇権戦争の時代」は、2021年1月にバイデンさんが
大統領になっても終わりませんでした。


彼は、


・クアッド(日米印豪)
・AUKUS(米英豪)


・IPEF(日本、 アメリカ、 オーストラリア、インド、 ニ
ュージーランド、 シンガポール、 ブルネイ、 インドネシ
ア、 マレーシア、フィリピン、 タイ、 ベトナム、 フィジ
ー、韓国)


・民主主義サミット(109の国+EU、台湾)



などによって、中国包囲網を着実に築いてきました。


ところが、2022年になると事情が変わります。




▼ロシアーウクライナ戦争の2022年




「今年最大の事件は?」と質問されたら、皆さんどう答え
るでしょうか?


日本人なら、「安倍元総理暗殺が最大の事件」と答える人
が多いでしょう。


しかし、世界の人に質問すれば、ほとんどの人は



「ロシアによるウクライナ侵攻」



と答えるでしょう。



2021年までは、「米中覇権戦争」がメインでしたが、20
22年は「ロシアーウクライナ戦争」がメインになりました。


この戦争は、世界中に大きな影響を与えました。


この戦争が原因で、エネルギー価格、食糧価格が高騰した。


それで、世界的インフレが起こりました。


日本も、大きな影響を受けています。




▼自業自得で没落が加速したロシア




さて、私はウクライナ侵攻について、昨年末から、



・ウクライナ侵攻はあり得る


・プーチンがウクライナ侵攻を決断すれば、戦闘に勝って
も負けても、【戦略的敗北は不可避】



という話をしてきました。



【 戦略的敗北 】とは何でしょうか?


2014年3月、プーチンは、無血でウクライナからクリミア
を奪いました。


鮮やかな【 戦術的大勝利 】です。


しかし、この【 戦術的大勝利 】が【 戦略的敗北 】
に転化したのです。


何でしょうか?


ロシアはプーチンの1期目2期目、つまり2000年から08年
まで、年平均7%の成長をつづける急成長国家でした。


ところが、クリミア併合後、欧米日が制裁を科したことで
、ロシア経済はまったく成長しなくなった。


クリミア併合の2014年から2020年までのGDP成長率は、
年平均0.38%にとどまっています。



「クリミアを得た(=戦術的勝利)ことによって、
経済が全然成長しなくなった」



これを私は、【 戦略的敗北 】と呼んだのです。


そして、ウクライナ侵攻の結果、クリミア併合後に起こっ
たことがもっと大規模で起こるだろうと。



実際、今回のウクライナ侵攻で、ロシアの影響力は破滅的
に低下しています。


たとえば、「ロシアの勢力圏」とされる、「旧ソ連諸国」
の現状を見てみましょう。


「旧ソ連諸国」には、「東欧方面」「コーカサス方面」
「中央アジア方面」があります。


東欧方面を見ると、ウクライナとモルドバが、「EU加盟
申請」を行いました。


両国は、狂暴なロシアから急いで逃げ出したのです。



コーカサス方面を見ると、アルメニアが、ロシアを中心と
する軍事同盟CSTO(集団安全保障条約)から脱退する意
向を示しはじめています。


なぜでしょうか?


2022年9月、CSTO加盟国アルメニアと、CSTO非加盟国
の旧ソ連国アゼルバイジャンが、ナゴルノカラバフをめぐ
って戦争状態になりました。


アルメニアは、ロシア主導のCSTOに支援を求めた。


しかし、ウクライナ問題で忙しいプーチンは、アルメニア
を見捨てたのです。


アルメニアは、「CSTOは全然機能してない!」と激怒し、
脱退を検討しはじめました。



コーカサスの旧ソ連国3国を見ると、


アルメニアは、ロシアを離れてアメリカに接近。


アゼルバイジャンは、ロシアを離れてトルコに接近。


08年ロシアと戦争をしたジョージアは、ロシアを離れて
EUに接近、


となっています。


ちなみにジョージアは、ウクライナ、モルドバと同様、E
U加盟申請をしています。



中央アジアを見ると、大国カザフスタンが、ロシアを裏切
りました。


プーチンは、カザフスタンのトカエフ大統領に、「ウクラ
イナにカザフ軍を派兵しやがれ!」と命令した。


トカエフ大統領は、断りました。


その次にプーチンは、トカエフに、「ルガンスク、ドネツ
クの独立を認めやがれ!」と命令しました。


トカエフは、これも拒否しました。


ロシアとカザフスタンの関係は、ソ連崩壊後最悪になって
います。



それだけではありません。


中央アジアの旧ソ連国でCSTO加盟国のキルギスとタジキ
スタンは今年9月、戦争状態になりました。


ロシアは、CSTO加盟国同士の戦争を放置しました。


それで、キルギスもタジキスタンも、プーチンに幻滅して
います。


そして、中央アジアは、ロシアから中国に乗り換えようと
しているのです。



というわけで、ウクライナ侵攻で、ロシアの影響力は大い
に減退しました。


西の旧ソ連国では、EUの影響力が強まった。


コーカサスではトルコが、


中央アジアでは中国が勢力を拡大しています。



プーチンは、ウクライナ侵攻によって「勢力圏」だった旧
ソ連圏を失っているのです。



さらに、制裁による打撃も甚大です。


これについて書き始めたらキリがないですが。


たとえば、侵攻前、ロシアでは20の自動車工場が稼働して
いました。


ところが、現在は2つの工場しか動いていません。


別のいいかたで、「90%の工場が自動車生産を停止した」。


稼働しているのは、ロシアと中国の会社。


ロシアAVTOVAZの自動車は、エアバックがなく、排気ガ
スのレベルは30年前に逆戻りだそうです。



というわけで、2022年は、


プーチンの愚かな決断によって、ロシアが【戦略的敗北
】を喫した年


といえるでしょう。




▼アメリカは?




さて、アメリカはどうだったのでしょうか?


アメリカでは11月に中間選挙がありました。


上院は民主党、下院は共和党


という結果になりました。


誰もが思ったのは、「共和党大勝ちしなかったよね」です。


なぜ、「共和党大勝ち」と予想する人が多かったのでしょ
うか?


アメリカでは今年7月、インフレ率が9%でした。


歴史的高さです。


それで、「バイデン民主党は大敗するだろう」と思われた。



しかし、ふたを開けてみれば、「案外負けなかった」。


民主党が善戦したことで救われたのはウクライナです。


共和党のトランプ派は、親プーチンで、「ウクライナを助
けるな!」と主張しています。


上院、下院で共和党が大勝すれば、バイデンはウクライナ
支援継続が難しくなるところでした。



民主党が大負けしなかったことで、ゼレンスキーは救われ
たのです。




▼中国は?




中国では10月、習近平の3期目がはじまりました。


2021年まで、アメリカのメインターゲットは中国だった。


ところが2022年は、ロシアになった。


それで、一息つけるはずでした。


ところが、そうはならなかった。



11月、反ゼロコロナデモが全土に拡大。


習近平政権は、ゼロコロナ政策を撤廃せざるを得ませんで
した。


その結果、当たり前ですが、感染大爆発が起こっています。


12月1日から25日までに、


なんと【 4億人! 】が感染したそうです。


中央日報 2022年12月27日



<中国の「新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)感染者
津波」で工場を運営する労働者と注文が急減して史上最長
の春節休暇が迫っていると香港星島(せいとう)日報が2
6日、報じた。


広東・浙江・山東省などの企業のうち約60%が今月末に
稼働を停止して来月末まで早期の春節休暇に入る見通しだ。


中国は今月7日に防疫緩和十カ条を発表して以来、25日
までに約4億人が新型コロナウイルス(新型肺炎)にかか
ったと推定される。>
ー-


中国、2023年は、他の国々が2020年に味わった地獄を体験
することになりそうです。


習近平政権の権威も、大いに失墜することになるでしょう。




▼日本は?




日本では7月、安倍元総理が暗殺されました。


安倍総理は、三つの理由で偉大でした。



1、中国の反日統一共同戦線戦略を無力化した


@参考↓
https://rpejournal.com/rosianokoe.pdf


2、欧米印豪が採用した、自由で開かれたインド太平洋戦
略を提唱した


3、自立外交を成し遂げた


安倍さんは、トランプさんのポチではありません。


・トランプはTPPから脱退。安倍さんは推進。


・トランプはパリ協定から脱退。安倍さんは推進。


・トランプはエルサレムをイスラエルの首都と認定。安倍
さんは反対。


・トランプはイラン核合意から離脱。安倍さんは核合意支



などなど。


安倍さんは、トランプさんにことごとく逆らっています。


しかし、安倍さんとトランプさんは、親友でありつづけま
した。


世界一の戦略家ルトワックさんも、「稀に見る戦略家」と
大絶賛していた安倍元総理。


早すぎる死でした。



さて、岸田さんはどうでしょうか?


よいことを一つ、悪いことを一つしました。


よいことは、反撃能力獲得の道筋をつけたことです。


現状、日本は「サンドバック国家」。


いくらミサイルを撃ち込まれても反撃できない。


日本はこれから反撃能力を獲得していきます。


そうなると北朝鮮や中国も、


「ミサイルを撃ち込めば、日本からミサイルが飛んでくる」


と恐れるようになり、


攻撃するのを躊躇するようになるでしょう。



悪いこと一つは、不必要な「防衛増税」です。


2020年21年は、「新型コロナ大不況」で地獄だった。


2022年は、「ウクライナ戦争インフレ」で地獄だった。



国民は、「なんとか踏みとどまって、一歩を踏み出そう」
とした。


そんなときに、岸田さんは、「また増税するんでよろしく
!」。


骨折した人が、決心して「もう一度歩き出そう」としてい
る。


そこに岸田さんは、「歩くなよ!」とばかりにケリを入れ
る。


岸田さん、このような「反国民的政策」をつづけていれば、
長くはもたないでしょう。



残念ですが、「聞く力を失った岸田さんは、辞めるのが国
益」という状態になっています。




というわけで、2022年は、歴史に残る大変な年でした。


今、世界では、第二次世界大戦時に匹敵する大変化が起こ
っています。


ここ数年厳しいですが、この混乱期を越えれば、よりよい
世界が生まれるでしょう。


第二次世界大戦後の世界秩序の中で、日本の位置づけは
【 敗戦国 】でした。


米中覇権戦争後の世界秩序の中で、日本が【 戦勝国 】
になることを願います。


そして来年も、【 日本が戦勝国になる方法 】を提示し
つづけていきます。