Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

岸田文雄総理の『腐敗』は極めて深刻な水準に達している ~コラプションに関する実践的政治学分析より~

こんにちは。表現者クライテリオン、編集長の藤井聡です。


 今、岸田政権では実に多くの「道義的不正」が横行しています。所得倍増や新自由主義からの決別や公益資本主義等と言って選挙で投票してもらっておきながら、政権の座につくや即座にその約束を全て反故。それどころか正反対の増税や新自由主義を加速していますが、これらはいずれも極めて深刻な道義的不正と言わざるを得ません。


ただし、最も分かり易い道義的不正は、総理自身の息子を弱冠32歳の息子・翔太郎君に、将来の議員世襲のために政治経験を積ませたいという思い『だけ』に基づいて、政権運営の要である「総理大臣秘書官」に、異例中の異例を幾重にも重ねて着任させているという事実。


 ここで、政治学という学問における議論を踏まえれば、こうした道義的不正が横行するのは、その政府が「腐敗」(コラプション:corruption )しているからだと認定することができます。


 政治学的に腐敗とは、


『公職に携わる人々が自らの私利私欲のために地位を濫用する(という政治現象)』


です(参照:https://the-criterion.jp/mail-magazine/m20200224/)。


例えば岸田氏が、総理という「公職」に付いたのは、本来は「所得倍増・新自由主義との決別・公益資本主義」を実現する「ため」であり、それが有権者との「約束」だったのですが、一旦総理という公職に就けば、そんな約束を守らなければならない法的義務はありません。状況が変わっただの、今やる準備をしているだなどと、いくらでも言い訳ができます。そして、そうやってウソをついて総理総裁になれば、後は、自分の私利私欲を、その総理総裁の権限を使って思う存分追求出来るわけです。


 で、そんな私利私欲の典型が、弱冠32歳の彼の息子・翔太郎君を総理秘書官に仕立て上げるという異例中の異例の人事。これ程にあからさまな腐敗は、我が国では殆ど見られないという程に酷い人事です。


 第一に、総理の政務秘書官は総理秘書官の中でも特に大切な役職で、これまで安倍内閣の今井氏や小泉内閣の飯島氏など、総理判断の枢要部分を決定する強大な政治的影響力を持つ役職です。「自分の息子に経験を積ませたいから」なぞという理由で、その重大な役職を担わせていいようなものではありません。明らかな「私益のための公的職権の濫用」です。


 第二に、そうした批判に耐えられないと判断した岸田総理は、これまでずっと一名だったこの政務の総理秘書官の席を「二つ」用意し、一つを一般的な官僚に、一つを翔太郎君にあてがう事にしたのです。総理大臣ですからその権限を使ってそうすることは可能なのでしょうが、それはあくまでも、「息子に経験を積ませたい」という私利私欲が動機です。したがって、この秘書官の席を二つ設けたという事実もまた、明らかな「私益のための公的職権の濫用」なのです。


 第三に、政治家が息子を秘書にすることは珍しい事ではありませんが、「総理秘書官に息子を任用」するケースは異例です。それでも岸信介総理が息子の安倍晋太郎氏を任用したケース、福田康夫総理が息子の福田達夫氏を任用したケースの2例がありますが、それらのケースと今回のケースが全く違うのは、先例はいずれも秘書として一定の経験を積んでから秘書官に任用しており、必ずしも「身内びいき」だけだとは断定しづらいという側面がありましたが、今回のケースは息子に殆ど経験が無いままに秘書官に任用しており、「身内びいき」以外の説明は不可能であるという点にあります。
 すなわち、岸田総理自身は息子の秘書官任用などさも当たり前で、何ら問題ないという体裁で説明していますが、全くそうではないのです。繰り返しますが、ここまで秘書経験の無い人間を政務担当の総理秘書官にした例は無いわけで、しかも、政務秘書官を二名に増やして無理矢理息子をねじ込むという先例は皆無なのであって、この人事は異例中の異例の人事なわけで、「私益のための公的職権の濫用」と解釈する以外に理性的解釈はあり得ないわけです。


 第四に、翔太郎氏自身が、秘書官になったことで「普通の人が入れないところに入れるから嬉しい」と周囲に漏らしていることも報道されていますが、これは、翔太郎氏自身が、「私益のための公的職権の濫用」をしている明確な証拠と言えます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/33116eb94c3397253976c342534aa90e9433324f
 そして言うまでもなく、そういう人物を、自分の息子だからというだけの理由で総理秘書官という途轍もなく大きな重責の役職に就かせている岸田文雄氏も、「私益のための(秘書官任命権という)公的職権の濫用」をしていることが明白となっているわけです。


 以上の四点より、岸田氏が「私益のための公的職権の濫用」をしていることは明々白々であると断定せざるを得ません。


 つまり政治学定義からして、岸田総理本人が凄まじく「腐敗」していることは何人たりとも疑い得ない科学的事実だと断じ得るわけです。したがって彼を中心として作られている岸田内閣、岸田政権そのものも、必然的に激しく腐敗していると断ぜざるを得ないのです。


 ちなみに言う迄も無く、総理大臣の職権は、総理大臣個人の私利や、息子の私欲のために存在するものではなく、日本国家と日本国民のために存在するものです。


 にもかかわらず、私利私欲に使われる状態が岸田内閣で長期にわたって継続しているのが、今日の日本の状況です。


 このままでは日本は確実に、「岸田文雄」という腐敗した凡庸な一人の男によって、その滅亡の速度を激しく加速する事になるでしょう。


 誠に残念ですが、それが現実である以上、受け止めなければならないのです。そしてその上で、我々は一体何をなすべきなのかを考えねばならないのです。