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安倍総理の志は死なない!!

大きさバス3台分で複数のセンサーを搭載…米軍が撃墜「中国の超巨大気球」侮れない長所と性能

その気球の大きさは想像を絶していた。

米国上空を飛行していた中国の気球。球体の下に搭載物があることがわかる(画像:アフロ)© アフロ
米軍が2月4日に、東海岸サウスカロライナ州沖の領海上空で撃墜した気球だ。高さは60mほどになり、バス3台分の大きさ。情報収集のための複数のセンサーや通信傍受用のアンテナ、ソーラーパネルなどを搭載していた。米国務省は「中国による世界各地での監視活動の一環」と主張している。
「気球は米本土を横断していました。小型ジェット機ほどの巨大さで、約1トンの搭載物を積んでいたとか。米国がU2偵察機による気球の飛行画像や残骸を解析すると、通信傍受機能があることがわかったんです。中国当局は『民間の気球で気象などの科学研究用』と訴えていますが、搭載物の内容は矛盾します。米側は、中国軍に関係する企業が製造したとみているんです」(全国紙国際部記者)
ドローンや人工衛星ではできないことも

撃墜され東海岸沖の海に落ちた気球(画像:アフロ)© FRIDAYデジタル
通信傍受用とみられる中国の気球が発見されたのは、米国だけではない。米国務省は「5大陸40ヵ国以上の上空で飛行していた」と指摘。日本のほか、台湾やフィリピン、インドなども含まれる。
「米国で中国の気球が得ようとしていたのは軍事情報でしょう。大陸間弾道ミサイル(ICBM)を運用する基地のある、モンタナ州上空を飛んでいたことがわかっていますから。フィリピンなどでは、南シナ海に展開する米艦隊の動きを把握しようとしていたのだと思われます。関与しているのは、宇宙やサイバーでの活動を主とする戦略支援部隊と考えられます」(同前)
気球による情報収集……。前時代的な手口という印象だが、侮れない長所があるという。軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏が解説する。
「ドローンや軍用機は、相手国の領空内に入ったら大問題になります。人工衛星では、携帯電話が発する信号をキャッチするのは困難でしょう。しかし気球なら相手の警戒心も薄く、高度1万8000mほどの高さを飛行するため小さな電波も得ることができます。ゆっくり動くので通信が傍受しやすいんです」
黒井氏は「意外な狙いもある」と続ける。
「巨大なため発見されやすいですが、まさか軍事目的だとは思われないでしょう。今回も当初は米軍が怪しまず、情報当局の分析で発覚しました。正体がバレにくい気球を使い、中国は生データを集め米軍の最新データを更新していたのだと思います。情報管理体制のスキをついた形です」
日本でも「疑惑の気球」は、青森県八戸市や宮城県仙台市などで目撃されている。しかし憲法9条による自衛権の行使は、他国から組織的、計画的に武力が使われた場合に限定され、米国のように簡単には撃墜できないのが現状だ。