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新型コロナウイルス、武漢の市場発生説が有力に…WHO事務局長「中国は3年前にデータを共有するべきだった」

タヌキは東アジア原産の小型のイヌ科の動物だ。© Getty Images
• 中国・武漢で採取され、新たに公開された遺伝子データによって、新型コロナウイルスにタヌキの遺伝子が混ざっていることが明らかになった。
• WHOのテドロス事務局長は、「中国はもっと早くデータを共有するべきだった」と非難した。
• 2020年1月11日に武漢で新型コロナウイルスによる初めての死亡者が発生して以来、全世界で687万3477人が死亡している。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最初の人間の感染例が発見された場所に近い中国・武漢の華南水産市場内で採取された遺伝子データを再分析したところ、ウイルスの遺伝子にこの市場で販売されたタヌキの遺伝子が混ざっていることが明らかになった。
この調査結果をいち早く報じたアトランティック(The Atlantic)誌によると、COVID-19の最初の症例が出始めた2019年末のデータでは、野生動物を販売していた屋台から採取した新型コロナウイルスの陽性サンプルの一部にタヌキの遺伝子が含まれていたという。
専門家たちによると、これはウイルスが動物に感染した可能性を示唆しているという。
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェソス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は、このデータは、「パンデミックがどのように始まったかについての決定的な答えを与えるものではない。しかし、その答えに近づくためにはあらゆるデータが重要だ」と述べている。
だが、この新たな分析によって新型コロナウイルスは実験室からの流出したものではなく、動物由来だという説の信憑性が高まったと全世界の専門家たちは述べている。
武漢の華南水産市場は、狩猟の獲物などの野生動物の販売も行っており、新型コロナウイルスの発生地として科学的に疑惑の中心になっていた。
アメリカの学術雑誌のサイエンス(Science)によると、中国のチームが武漢の華南水産市場から収集した遺伝子サンプルの分析データを、フランスの国立科学研究センター(CNRS)の進化生物学者フローレンス・デバール(Florence Débarre)が削除される前に見つけたという。
このデータを分析したアメリカのスクリプス研究所(Scripps Research Institute)の進化生物学者クリスチャン・アンダーセン(Kristian Andersen)は、「このデータは(新型コロナウイルスの)起源が水産市場であったことをさらに指し示すものだ」と話している。
同じくこの研究に携わったウイルス学者のアンジェラ・ラスムセン(Angela Rasmussen)は、「これは、市場の動物が(新型コロナウイルスに)感染したことを示す非常に強い証拠だ」とアトランティックに語っている。
アメリカのエモリー大学(Emory University)のウイルス学者シーマ・ラクダワラ(Seema Lakdawala)は、「これは(ウイルスが)自然由来であることを証明するものだ」と話している。
このDNAには、東アジア原産の小型のイヌ科の動物、タヌキのものが混ざっていた。
WHOのテドロス事務局長によると、この遺伝子データは新しいものではないが、2023年1月に中国の疾病対策予防センタ-によって国際インフルエンザ情報共有機関(GISAID)のデータベースにアップロードされ、その後に削除されたものだという。
そのデータが公開されていた間に、各国の専門家らがデータをダウンロードして共有し、再分析を始めた。テドロス事務局長は、中国がこのデータを早く共有するべきだったと非難している。「このデータは3年前に共有することができたし、共有されるべきだった」と彼は話している。
「我々は中国に対し、透明性を持ってデータを公開し、必要な調査を行い、結果を共有するよう求め続ける。パンデミックがどのように始まったのかを理解することは、道徳的にも科学的にも必要なことだ」とテドロス事務局長は付け加えている。
このことは、中国政府が他国とのデータ共有を拒否している最新の例に過ぎない。
WHOのデータによると、2020年1月11日に中国の武漢で初めて人が亡くなって以来、新型コロナウイルスによる死亡者は、2023年3月16日の時点で世界で687万3477人となっている。