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【独自】海底ケーブル敷設、日米豪が連携…急速に台頭する中国に対抗

読売新聞 (写真:読売新聞)
 国際的な通信データのやり取りに使われる海底ケーブルの敷設をめぐり、日本と米国、豪州が連携を強化することがわかった。急速に勢力を拡大する中国に対抗する。太平洋地域での新たな敷設事業に3か国が共同で関与し、各国の政府系金融機関などが計画を資金面で支援する。海底ケーブルは情報の抜き取りや遮断に使われる恐れがある。安全保障上の重要なインフラになっていることから、協力関係を深める。
 日米豪の政府や関連企業など産学官の関係者が3月、非公式の会合で議論し、海底ケーブル分野で連携を強化することで一致した。会合では、中国の動向に関する情報共有を強化することや、戦略上重要な地域での海底ケーブル計画については、資金面で協力する案が示されたという。
 日米豪が協力関係を強める背景には、海底ケーブル分野でも急速に台頭する中国の存在がある。海底ケーブルのシェア(占有率)は日米欧の企業が約9割を占めるが、華為技術(ファーウェイ)の傘下企業だった中国の華海通信技術が世界4位と存在感を高めている。
 中国は巨大経済圏構想「一帯一路」に基づき、各地で海底ケーブルの敷設を活発化させている。特に、一部が台湾と友好関係にある太平洋の島嶼(とうしょ)国では、経済協力や援助を通じて影響力の拡大を図っている。中国企業が、海底ケーブルを受注しようとする動きも出ている。
 低価格を武器に契約を獲得しているとみられ、背後には中国政府による資金支援があるとの見方もある。日米豪は、各国の政府系金融機関が支援することにより、信頼できる通信網の構築を後押ししていく。
 今年1月には、太平洋島嶼国の一つであるパラオと米国などを結ぶ海底ケーブルの敷設契約を、日本のNECが獲得した。この計画では、日本の国際協力銀行(JBIC)のほか、米国と豪州の政府系機関からも融資されることになっている。日米豪は今後、連携を強化し、こうした事例を増やしていく方針だ。
 ◆海底ケーブル=複数の細い光ファイバーを樹脂などで覆ったもの。世界中の深海に張り巡らされ、国際通信の99%を担うとされる。国際通信の増加に伴い、敷設の需要も伸びている。NECによると、最新のケーブルシステムは1秒間にDVD約1万枚分のデータを送ることができるという。