Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

経済学者がとんでもなく「バカ」という話

From 三橋貴明



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刮目! 日本国の決定的な分岐点だ
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経済学者の多くは、未だに、
「政府の財政赤字は、民間の貯蓄によって
「ファイナンス」されている」
という、荒唐無稽な論を信じ、
主張しています。


「ファイナンス」が何を意味しているのか、
未だに分からないのですが、要するに、
「政府は民間の貯蓄を借りている」
という話なのだと思います。
(それ以外に解釈のしようがない)


実際には、政府の財政赤字が
民間の貯蓄増になります。
これは、昨年の「特別定額給付金」が
証明してしまった真実です。
(だからこそ、財務省は特別定額給付金を
やりたくなかったのでしょう)


政府が国債発行により
財政赤字を12兆円増やしました。
結果的に、国民の貯蓄は増えた? 減った?


答えは、合計で12兆円増えた、です。
何しろ、1億2千万の人々が、
「政府が財政赤字を拡大したら、
自分の預金が10万円増えた」を
経験してしまったのです。


それにもかかわらず、経済学者は相変わらず、
「政府の財政赤字は、国民の貯蓄により
賄われている」という主張を変えない。
なぜなのか。


答えは
「貯蓄投資バランス(ISバランス)」
にあります。


国民経済の大原則の一つ、
(1) 国内の民間収支+国内の
  政府収支+海外収支=0


上記は、「誰かの黒字は誰かの赤字」と
言っているに過ぎず、誰にも
否定できない原則です。


例えば、現在の日本は、
(2) 国内の民間黒字=政府の財政赤字+
  経常収支黒字(海外の赤字)
と、なっています。


日銀統計では、上記の「黒字」を
資金過剰、「赤字」を資金不足と表現します。


【日本の民間、一般政府、
海外の資金過不足(億円)】



http://mtdata.jp/20210221-1.jpg


図の通り、日本の民間、一般政府、
海外の資金過不足をグラフ化し、
90度回転させると、左右対称になります。
(※完全な左右対称にならないのは、
金融機関を除いているためです)


誰かの黒字は、誰かの
赤字である以上、当たり前なのです。


不思議なことに、いわゆる「経済学」は、
上記(2)の式を以下のように表現し、
「ISバランス(貯蓄投資バランス)」
と呼称します。


(3)民間部門の貯蓄超過=政府の
 財政赤字+経常収支黒字


「貯蓄超過」とは、要するに黒字のことです。
黒字のことを、経済学者は貯蓄超過、
余剰貯蓄、純貯蓄、資金余剰など、
様々な表現をします。


確かに、黒字になるということは、
その金額分、貯蓄が増えるわけで、
「貯蓄超過」等の表現は別に
間違えているわけではありません。


ところが、経済学者は
「貯蓄超過(等)」の表現を用い、
「民間部門の貯蓄超過があるため、
政府は財政赤字にできる」
と、読み替えて解釈してしまうのです。


例えば、学習院大学の伊藤元重教授は、
例の経済産業省の
第28回産業構造審議会総会において、
「民間企業が投資を増やし、GDP比で
±0くらいに余剰貯蓄を
減らすことになったとき、政府の
財政赤字はどこが支えるのか」
と、語っています。


いや、民間企業の投資が増え、
余剰貯蓄(あるいは貯蓄過剰、あるいは黒字)が
ゼロになったところで、政府が財政赤字を
10兆円増やしたならば、民間(家計)の
余剰貯蓄は10兆円増えます。


誰かの赤字は、誰かの黒字。
誰かの負債増は、誰かの
資産増になる以上、当たり前でしょ。


政府の財政赤字を「支える」
といった現実はありません。


民間企業は海外(経常収支)の収支が
±0だった場合、政府が財政赤字を10兆円
増やすと、以下の式になるだけの話です。


(4)民間の家計の貯蓄超過10兆円=政府の
 財政赤字10兆円


要するに、経済学者は
「政府の財政赤字⇒民間の貯蓄超過増」を、
「民間の貯蓄超過増⇒政府の財政赤字」と、
間違った理解をしているのです。


経済学者って、そこまで「バカ」なの?
と、思われたでしょうが、
バカなんですよ、本当に。


この種の間違った主張に対し、
容赦なく批判の声をぶつけて下さい。
これは、経済産業省が産業政策を
新機軸に転換する「べき」といった
価値観の話ではなく、単に、
「1+1は2だよ」
と、普遍的な事実を
教えてあげるに過ぎなのですから。