Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

供給能力こそが国家の礎

From 三橋貴明 @ブログ







財務省の目的は財政赤字を削減することではない 
財政赤字を続けることだ!
[三橋TV第499回]三橋貴明・高家望愛



https://youtu.be/K89tZCtvb2E



 礎(いしづえ)とは、
「基礎となる大事な物事」でございます。



 例えば、共同体を守るためには
防衛安全保障サービスの供給能力が必要です。



供給能力とは、
この場合は訓練された兵士であり、
充実した兵器であり、
兵站を支える物流ネットワークであり、
消費される武器弾薬を生産可能な工場であり、
そこで働く生産者であり、さらには
兵器や消耗品を生産するための資源です。
(まだまだありますが、この辺で)



 つまりは、防衛面の国家の礎はモノであり、
インフラであり、ネットワークであり、
ヒトなのです。



さらには、兵器や消耗品を生産するための
「技術」も含まれます。



 決して「カネ」じゃないんですよ。
カネなど、国家が国債を発行すれば
いくらでも調達できますが、
キーボードを打ち込んで創出した
デジタルデータで「敵軍」を駆逐できますか?



 防衛面に限らず、他の全ての財、
サービスの生産も同様です。
国家の礎とは、供給能力であり、
カネでも財政でもありません。



 資本主義のモデルにおいて、
財やサービスの生産のために必要な三要素は、
「モノ(資本)」「ヒト(労働)」「技術」
の三つです。



それはまあ、企業単体の経営にとってみれば、
モノ、ヒト、カネが三要素になるのですが、
国民経済というマクロな視点では違うのですよ。



 何しろ、カネなど政府が国債を発行すれば
話が済んでしまうのです。



それに対し、資本、労働、技術の三つは、
長期の投資なしでは絶対に強化されません。



 『財政は国の礎、
 市場や国際社会の評価に耐える
 政策必要=岸田首相
  岸田文雄首相は
 25日午後の衆院予算委員会で、
 財政は国の礎と指摘し、市場や国際社会の
 評価に耐える財政政策が必要と述べた。
 「首相は現代貨幣理論(MMT)を信じるか」
 との前原誠司委員(国民)の質問に答えた。
 


 前原氏は、自民党内に
 首相直轄の財政再建重視のグループと、
 MMT信奉者を含む高市早苗政調会長の
 グループが並立する状況を疑問視した。



 <PB黒字化目標、
 達成具体策ないと前原氏批判>
 前原氏は2025年度に基礎的財政収支
 (プライマリーバランス、PB)
 の黒字化を達成する
 財政健全化目標を実現するには、
 足もとの実績を大幅に上回る高成長が必要で、
 具体策がないと批判した。



  首相は「おっしゃるように、
 近年の経済政策のまま進めて、
 (目標実現の前提となる成長率の)
 数字を実現するのは、間違いなく難しい」
 とし、成長率底上げのため
 取り組んでいると説明した。



  株主資本主義からの転換は、
 重要な課題のひとつと強調し、
 「民間や市場にすべて任せるのでなく、
 官民共同で仕組みを作っていく」
 と述べ、賃上げを進めていると話した。』



財政は国の礎って・・・・。
 ならば、官僚がキーボードを
打ち込むだけで発行できるデジタルデータで、
尖閣諸島を中国から守ってくれ。



 無論、日本の領土領空領海は、
政府が予算を執行しなければ防衛できません。
とはいえ、別に予算を可決すれば
守れるわけではない。



 その後の投資、訓練、生産等の蓄積により、
日本国を守る陸海空軍による
防衛安全保障サービスの供給能力を
強化することにより、ようやく
領土領空領海を守ることができるのですよ。



 まあ、どうせ官僚の作文を
読んでいるだけなのでしょうけれども、
この手の総理の認識に誰からも
「突っ込み」が入らない国は、
さすがに絶望的だと思うので、
突っ込んでおきます。



 ちなみに、国民民主の前原議員の、
「2025年度に基礎的財政収支
(プライマリーバランス、PB)の
黒字化を達成する財政健全化目標を
実現するには、
足もとの実績を大幅に上回る高成長が必要」
 という質問は、
例の内閣府のシミュレーションに沿っています。



http://mtdata.jp/data_78.html#gdpshisan



 そもそも、
PB黒字化など目指す必要はない、
というか、目指してはならないという正論は
置いておいて、
内閣府の妄想シミュレーションは、
日本の名目GDPが4%近い成長率を
「続ける」ことが前提になっています。



 PB黒字化を目指すためには、
政府支出削減と増税が必要。
すると、デフレが深刻化し、
名目GDPが成長しなくなり、
「前提」が崩れる。



 現在の日本政府が、バカバカしい状況に
なっていることが分かります。



 そもそも、有害無益な目標を掲げ、
その目標達成に固執することで、
目標達成の前提を壊しているわけです。



 もはや、
どこから突っ込んで良いのか分かりませんが、
とりあえず我々は
「国家の礎は財政でもカネでもない。
供給能力だ」という「事実」を
早急に供給する必要があります。



 その上で、何としても6月に
PB黒字化目標を(最低でも)凍結するのです。