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安倍総理の志は死なない!!

ロシア、バルト海への核兵器配備示唆 北欧2国がNATO加盟なら

© 毎日新聞 提供 会談前に歩くスウェーデンのアンデション首相(左)とフィンランドのマリン首相=ストックホルムで2022年4月13日、ロイター
 フィンランドのマリン首相は13日、スウェーデンで同国のアンデション首相と共同記者会見を開き、北大西洋条約機構(NATO)への加盟申請について「今後数週間以内」に決めると述べた。アンデション氏もロシアのウクライナ侵攻により「安全保障環境は完全に変わった」と語り、加盟申請に含みを持たせた。
 これに対しロシアの国家安全保障会議副議長、メドベージェフ前首相は14日、「バルト海の非核化はこれ以上議論できない」と警告し、両国が加盟した場合、バルト海周辺に核兵器を配備する可能性を示唆した。ロイター通信が報じた。
 フィンランドはロシアと約1300キロにわたり国境を接している。第二次世界大戦時には旧ソ連に侵攻され、国土の12%を割譲した。戦後はスウェーデンとともに軍事的中立を維持してきた。NATOに加盟すれば安保政策の大きな転換となる。
 フィンランド政府は13日に公表した外交・安保政策に関する報告書で、ロシアのウクライナ侵攻について「国際的な平和と安定に対する深刻な脅威だ」と位置づけていた。NATO加盟については、ロシアに対する抑止力が向上するとしつつ「加盟申請した場合は、ロシア国境での緊張の高まりなど予測困難なリスクに対処する必要がある」とも指摘した。
 両首相は会見に先立ち、首脳会談を開催した。英紙ガーディアンなどによると、マリン氏は会見で「NATOによる抑止と共同防衛以外に安全を保証する方法はない」と述べ、早急に結論を出す考えを示した。アンデション氏も「新たな状況で何がスウェーデンの平和と安定にとって最適なのか考えねばならない」と語った。両国が6月のNATO首脳会議までに加盟申請する可能性が取り沙汰されている。
 両国のNATO加盟を警戒するロシアは軍事的圧力を強めている模様だ。英メディアは12日、ロシアがミサイルシステムなどの軍事装備をフィンランドの国境に向けて移動させていると伝えた。ペスコフ露大統領報道官は11日、北欧2カ国のNATO加盟について「欧州大陸に安定をもたらすことはない」と批判した。またスウェーデンの民放TV4(電子版)は3月、核兵器を搭載したロシア空軍機がスウェーデンの領空を侵犯したと報じている。スウェーデン空軍は核兵器の有無については確認を避けており、実際に搭載されていたかどうかは不明だ。
 ウクライナでは各地で激しい戦闘が続いている。米CNNなどによると、露国防省は13日、露軍が包囲しているマリウポリの商業港を制圧し、ウクライナ兵1000人以上が投降したと発表した。ウクライナ側は否定している。また、ウクライナ軍は14日、黒海艦隊旗艦の巡洋艦「モスクワ」をミサイル2発で攻撃し、重大な損害を与えたと明らかにした。露国防省も同日、モスクワに搭載した爆弾が火災で爆発し、乗組員全員が退避したと発表した。火災の原因は調査中としている。同艦は乗組員約500人で、巡航ミサイル16発を搭載していた。モスクワの大破は、露軍の士気や制空権確保に大きな影響を与えるとみられる。
 一方、国際刑事裁判所(ICC)は13日、多数の民間人が殺害された首都キーウ(キエフ)近郊ブチャをICCのカーン主任検察官が訪問したと明らかにした。カーン氏は「ここに来たのは、犯罪が行われた合理的な証拠があると信じるからだ。戦争の霧の向こうにある真実を明らかにする必要がある」と述べた。【金子淳、松岡大地】