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安倍総理の志は死なない!!

中露、BRICS会議で米牽制 インドは〝距離〟置く

【北京=三塚聖平、シンガポール=森浩】中国やロシア、インドなど新興5カ国(BRICS)は23日、オンライン首脳会議を開催した。中露両国は、ウクライナ侵攻に伴う対露制裁を主導する米国への反発を強めており、BRICSを米国に対抗する国際枠組みに発展させたい考えだ。ただ、インドは「反米会議」になることを牽制(けんせい)する構えで、加盟各国の足並みはそろっていないもようだ。
議長国・中国の習近平国家主席は首脳会議で、米欧を念頭に「一部の国は軍事同盟を拡大して絶対的な安全を追求しようと必死になり、他国にどちらの側につくのか迫って陣営対立を作り出している」と非難。22日夜に開かれたBRICS関連会合でプーチン露大統領も、米欧の対露制裁が世界の食料危機を激化させていると批判した。
ロシアのウクライナ侵攻後、米欧はロシアへの経済制裁で一致姿勢をみせる。同時に、バイデン米政権は日米豪印による「クアッド」など新枠組みによる対中包囲網の構築を急いでいる。中露両国はこれに対し、BRICSなどの多国間枠組みを強化し、米欧の圧力に対処したい考えだ。
習氏は会議で、BRICS加盟国に「互いの核心的な利益に関わる問題では相互に支持しなければならない」と求めた。「真の多国間主義を実践し、正義を守り、覇道に反対すべきだ」とも強調し、米欧への対抗意識をにじませた。
習氏は「新しい血液を入れることで、BRICSの代表性と影響力を高めるだろう」と述べ、加盟国拡大に意欲を示した。
一方、BRICSの一角をなすインドは警戒を隠さない。中印関係は2020年、インド北部の係争地で両軍が衝突したことを契機に急速に冷え込んだ。現在も中国軍は両国の事実上の国境である実効支配線(LAC)付近に駐留。インド側の対中警戒感は強く、クアッドとの連携を強化している。
米ブルームバーグ通信によると、BRICS首脳会議の共同声明が「中立的」となるよう、インド政府当局者が働きかけを進めたという。インドとしては、中露が共同声明で米国批判を強く打ち出すことを避けたい考え。また、中国の独断でBRICSが拡大していくのを防ぐため、新メンバー加入時の基準を設けることも求めているという