© 産経新聞 山梨県立リニア見学センターから望む走行試験中のリニア中央新幹線「Ｌ０系」改良型試験車＝同県都留市（渡辺浩撮影）
ＪＲ東海は２６日、環境への影響を懸念する静岡県が着工を認めていないリニア中央新幹線の静岡工区問題を巡って、住民などから意見や質問を募り、この３カ月間で寄せられた内容を公表した。影響の有無が議論されている大井川の水資源に関する意見や質問が半数近くを占め、この分野に関する質問の回答も同社のホームページ（ＨＰ）などに掲載した。
ＪＲ東海によると、７月１３日から同社の水資源に関する取り組みをＨＰ上に掲載したほか、同内容のリーフレットを大井川流域１１駅に置き、継続的に意見や質問を募っている。
８４人から計１９６件がメールや電話、郵送で寄せられた。水資源に関する同社の取り組みに関するものが最多の９２件▽リニア計画全般についてが６２件▽生態系への影響についてが１０件▽その他が３２件－となった。
主な意見や質問では、水資源に関しては「農業用水がなくなるのではないかと心配している」「大井川下流域の地下水への影響が数十年後にあらわれることはないか」などの懸念があった一方、「流域の生活用水および産業用水はリニア建設工事に関係なく、長島ダムによって確保されている」との指摘もあった。
また、リニア計画について「資料を見た。企業としてできる最善の方策をしている。開業に向けて邁進（まいしん）してほしい」