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安倍総理の志は死なない!!

中国、台湾総統選へ揺さぶりか…蔡英文氏の与党が地方選で大敗

読売新聞 26日、統一地方選の敗北を受け、党主席の辞任を表明した蔡英文総統(左)


 【北京=比嘉清太】台湾統一地方選の結果を受け、中台統一を目指す中国の習近平(シージンピン)政権と蔡英文政権とのせめぎ合いの焦点は、2024年の台湾総統選に移る。中国は米国の台湾問題への介入を強くけん制しつつ、政権奪還を目指す最大野党国民党を側面支援することで、与党民進党に揺さぶりをかけていく可能性が高い。
 中台関係筋は「どの政党が政権を握っても、強国・強軍路線を進めて統一を迫るのが基本方針だ」と語る。ただ、対中関係の改善を主張する国民党が政権を握れば、平和統一に向けた協議を持ちかけやすい。少なくとも、総統選と同時に実施される見通しの立法院(国会)選挙で多数派に返り咲けば、民進党が政権を維持しても「ねじれ」状態となり、現行の対中政策の継続が困難となる可能性がある。
 中国国営新華社通信は26日夜、蔡氏の党主席辞任表明を論評抜きで伝えた。中国は、蔡政権の敗北の主因は対中政策の誤りにあると主張する宣伝工作に乗り出すとみられる。台湾産農産物の対中輸出規制の解除などをちらつかせつつ、民間交流などで国民党に対する一定の融和ムードも演出していくとの観測もある。
 ただ、20年の総統選では、2年前の統一地方選で民進党が大敗していながら、習国家主席が台湾で拒否感が強い「一国二制度」の導入方針を示したことと、香港での反政府抗議運動拡大が台湾住民の警戒を呼び、蔡氏の再選の追い風になった経緯がある。国民党への露骨な肩入れは逆効果となりかねず、習政権は「統一工作は慎重に行う」(北京の中台関係筋)とみられる。
 日米との連携を強めて中国に対抗してきた民進党政権が弱体化すれば、アジア太平洋地域のパワーバランスに影響しかねない。
 米中間選挙で下院で多数派を確保した共和党から議長が選出されれば、訪台に踏み切る可能性が取り沙汰されている。そうなれば、中国は今年8月と同様に軍事的緊張を高める対抗措置をとり、台湾住民の警戒感をさらに強める結果となりかねない。中国政府関係者は「結局は米国の動向がカギを握る」と述べ、米国の台湾介入への対処こそが最大の問題だと強調する。