Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

〝日本はいつまで眠り続けるのか〟必要な時に戦うことを忘れたら、国は滅びる 石原慎太郎氏、安倍晋三氏「巨星墜つ」が続いた年 葛城奈海氏

今年を現す漢字が「戦」と発表された。さもありなん、である。

安倍元首相© zakzak 提供
2月24日に、大多数の識者の予想を裏切って、ロシアがウクライナに攻め入った。大国ロシアに数日で蹂躙(じゅうりん)されるかと目されたウクライナは、見事な粘りを見せ、いまなお戦い続けている。戦車の砲が火を噴き、ミサイルが飛んできて街が破壊され、人々が殺される。こんな現実が現代においても生起することを、映像を通じ、平和ボケした日本人も目の当たりにした。

石原元都知事© zakzak 提供
衝撃とともに、長く貪(むさぼ)っていた惰眠から目覚めることを期待したが、残念ながら政府を筆頭に、多くの国民が未だ眠りから覚めたようには見えない。
かけがえのない同胞が奪われたのに「戦ってでも取り返す」という姿勢を見せないから、拉致被害者が誰一人帰国できないまま20年という歳月が流れた。
これだけ中国が軍事力を増強して威圧的な行動を繰り返し、ついには日本のEEZ(排他的経済水域)に弾道ミサイル5発を撃ち込んでも「遺憾砲」しか発射しないから、沖縄県・尖閣諸島はすでにかすめ取られつつある。
「巨星墜つ」が続いた年
今年はまた「巨星墜つ」が続いた年でもあった。
2月1日、石原慎太郎元都知事が亡くなった。「戦う姿勢」を常に貫いた数少ない政治家であった。7月8日、安倍晋三元首相が凶弾に倒れた。悲願であった「戦後レジームからの脱却」を果たせないままの、無念の死であったろう。そして、11月15日、保守の重鎮であり、個人的にも大変お世話になった外交評論家の加瀬英明先生がこの世を去った。
いずれの巨星たちにも共通していたのは、「日本を何とか真の意味での自立国として再生させたい」という強い思いを抱いていたことであった。だからこそ、志半ばで倒れた先人たちから後を託された、バトンを渡されたという思いが強い。
そんなことを思っていたら、18年間務めた予備自衛官を理由も明らかにされずにクビになった。「陸海空軍その他の戦力は保持しない。交戦権は認めない」とした憲法下で、自衛隊は異形の軍隊だ。細かな事由はどうあれ、「戦うことは『悪』ですか?」と問うた私は、戦後体制によって「不適格」にされたのだと思っている。
日本を去勢した戦後体制。それを打ち破ろうとする者の前に立ちはだかる壁の厚さを、思いがけない形で自分に向けられた刃によっても、実感することになった。
が、必要な時に戦うことを忘れたら、国は滅びる。それをロシアのウクライナ侵攻によって学んだはずなのに、日本はいつまで眠り続けるのか。亡国の前に「戦」うことの必要性に気付くことを願うばかりだ。
■葛城奈海(かつらぎ・なみ) 防人と歩む会会長、皇統を守る国民連合の会会長、ジャーナリスト、俳優。1970年、東京都生まれ。東京大農学部卒。自然環境問題・安全保障問題に取り組む。予備役ブルーリボンの会幹事長。著書・共著に『国防女子が行く』(ビジネス社)、『大東亜戦争 失われた真実』(ハート出版)、『戦うことは「悪」ですか』(扶桑社)。