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南西諸島飛来の無人機も対象=領空侵犯、民間機危険なら―武器使用緩和措置・防衛省

 中国の偵察気球問題を機に、防衛省が対領空侵犯措置に関する武器使用の基準緩和に踏み切った。背景には気球だけでなく、南西諸島周辺に飛来する中国の無人機が領空侵犯した場合でも、排除しやすくする狙いがある。対処基準を公表することで、挑発的な行動を抑止する意味合いも持つ。

航空自衛隊のF15戦闘機(航空自衛隊提供)© 時事通信 提供

中国の弾道ミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した2022年8月4日、沖縄本島と宮古島間を飛行した中国の偵察・攻撃型無人機「TB001」(防衛省統合幕僚監部提供)© 時事通信 提供
 要件緩和により、無人機の領空侵犯に対しては、従来の正当防衛や緊急避難だけでなく、航空路の安全確保を目的とした武器使用が認められる。
 浜田靖一防衛相は記者会見で今回の緩和措置により「民間航空機の危険を排除することができる」と強調。気球以外の日本周辺に飛来する無人機への対応も「領空侵犯し、自衛隊が対処する場合には(緩和措置は)当てはまる」と明言した。
 防衛省によると、領空に接近する無人機に対し、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)したケースは2013年以降で15件。今年1月にも中国軍の偵察型無人機が沖縄本島と宮古島間を相次いで飛行した。
 政府筋は「台湾海峡の緊張が高まれば、日本の対応を試すために無人機による領空侵犯が起きてもおかしくない」と指摘する。「ウクライナ侵攻でも無人機が多用されており、気球問題が武器使用基準の緩和を後押しした」と話す。
 旅客機の巡航高度は1万メートル付近。無人機や気球はさらに高い高度を飛行するが、情報収集のために高度を下げたり、制御不能になったりして民間航空路に進入する可能性もある。
 防衛省幹部によると、航空自衛隊の戦闘機は、F15が1万9000メートル以上、F35やF2は1万5000メートル以上への上昇が可能。米国で撃墜された中国の偵察気球は、高度1万8000~2万メートル上空を飛行したとされる。
 米軍機が中国の気球を撃ち落とした際に使用した空対空ミサイル「AIM9X」は、空自もF35戦闘機用に導入。自衛隊幹部は「上限高度で目標をレーダーや赤外線で識別できたとしても、地上に被害が出ないよう撃墜できるかが問題」と話す。
 高度が極端に高くなると気圧が大きく下がるため、気圧の変化に耐えられる操縦席の風防ガラス(キャノピー)や、操縦士を保護する与圧服も必要になる。空自幹部は「機体の性能だけではなく、パイロットの身を守ることも課題となる」と話した。