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安倍総理の志は死なない!!

リニア計画の絶望的すぎる「赤信号」…静岡県の信じ難い「強引な手法」 終わりが見えないリニア中央新幹線建設の静岡県湧水の問題!用地はすべて国の直轄とせよ!!

「湧水全量を戻せ」に追われるJR東海
川勝平太・静岡県知事の『湧水全量を戻せ』にこたえるJR東海提案の“田代ダム案”を巡り、流域首長らが参加する「大井川利水関係協議会」が2023年3月27日、静岡県庁で開催される。今回の会議はリニア静岡工区着工の行方に重大なカギを握る。
大井川利水関係協議会は、2018年夏、リニア建設による大井川水系の水資源の確保及び水質の保全等について、流域の関係者が一体となって対応する目的で静岡県が設置した。
大井川広域水道を利用する島田市、藤枝市など7市と地下水のみを水源とする吉田町などを含めた合計10市町長と、県大井川広域水道企業団、特種東海製紙、中部電力など11利水関係団体が同協議会に加わる。大井川流域の静岡市はリニア工事現場などの拠点を抱えるが、川勝知事の意向で外されている。
27日の大井川利水関係協議会は、“田代ダム案”が水利権と無関係とするJR東海の主張を流域全体に受け入れてもらうために開催される。静岡県は同協議会の判断を尊重するとして、今回の協議会開催を決めた。
前回の2022年1月20日開催の大井川利水関係協議会は、「現時点でJR東海のトンネル工事を認めない」とする川勝知事の意向を、静岡県主導で強引にまとめる形だけの会議だった。
JR東海は2018年10月、リニア工事現場から約5キロ離れた椹島まで導水路トンネルを設置して、工事中の湧水全量を大井川に戻すと表明。この対策などで、大井川源流部の椹島から百キロ以上も離れた下流域に影響が及ぶことはないと説明。ところが、県はJR東海の説明を納得しなかった。
このために国が乗り出し、東大教授ら専門家による有識者会議を設置した。
2年近く掛けた有識者会議は2021年12月、「大井川下流域の水環境への影響はほぼなし」とする結論をまとめた。ところが、川勝知事はじめ流域市町などは有識者会議の結論を認めなかった。
大井川源流部の地図を広げればわかるが、リニアトンネルが通過する南アルプス地域には、大量の水を生み出す1000メートル級から3000メートル級のさまざまな峰々が連なり、百座を超えている。リニアトンネル工事によって、上流域の自然環境への影響はあったとしても、東京から沼津よりもさらに遠い地域の水環境にまで影響を与えるはずもなかった。
押し付けられた無理難題
もともとは、大井川広域水道を利用する7市の「62万人の命の水を全量戻せ」と川勝知事は主張していた。大井川利水関係協議会に参加する流域10市町の総人口は約72万人に上る。つまり、地下水や沢の水を利用する吉田町、川根本町などは川勝知事の「62万人の命の水」とは無関係だった。
当初、県は大井川広域水道を踏まえ、河川流量への影響のみを問題にしていた。いつの間にか、地下水にも影響を与えると強引な主張を始め、リニア会議の議題にするよう求めた。
地下水について言えば、富士山の湧水とは違い、南アルプスの峰々が幾重にも連なり、そのさまざまな地層は分断されており、源流域から下流域まで水脈がつながっているとは到底、考えられなかった。ただ、地下深くの水脈まで科学的に調べることなど現在の科学技術では不可能である。
科学的な根拠を求められたJR東海は、源流部と下流域の水の成分分析を行い、溶存イオンの違いなどの検証を行い、下流域の地下水は近傍の雨水と河川表流水が主要な涵養源であり、トンネル工事の影響はないと説明した。
これらの結果、有識者会議は
(1)トンネル湧水の全量を戻すことで下流域の河川流量は維持される
(2)トンネル掘削による下流域の地下水量への影響はない

とする結論を出した。
ところが、田村典彦・吉田町長は「吉田町は生活水のすべてを地下水に依存している。JR東海には工事による地下水への影響を100%回避できる取り組みを求める」などと有識者会議の結論に不満を唱えた。
同会議では科学的、工学的な議論の結果を踏まえない、感情論的な主張が続いた。
有識者会議の結論を認めない川勝知事の方針を受けて、大井川利水関係協議会は「静岡県境付近の工事中のトンネル湧水全量の戻し方について解決策が示されていない」ので、「トンネル工事を認めることができない」という県の見解を支持したのだ。
南アルプス断層帯が続く山梨県境付近の工事で、静岡県側から下り勾配で掘削すると突発湧水が発生した場合、水没の可能性が高く、作業員の安全性を踏まえ、山梨県側から上り勾配で掘削する工法を採用するとJR東海は説明してきた。約10ヵ月間の工事期間中に、全く対策を取らなければ、最大500万トンの湧水が山梨県へ流出すると推計した。
県境付近の地下水は絶えず動いていて、さまざまな地下水脈がどのように流れているのかわからない。この500万トンの湧水がいずれ大井川や富士川の表流水となるのかさえ全くわからない。
それでも川勝知事は「工事中であってもトンネル湧水の全量戻しがJR東海との約束だ」「静岡県の水は一滴も県外に流出させない」「湧水全量戻しができなければ工事中止だ」などとJR東海に迫った。
”田代ダム”で反撃に転じたいが
今回の“田代ダム案”は川勝知事の「県境付近の工事による湧水全量戻せ」にこたえるものだった。つまり、大井川水系の水環境問題と直接的な関係はない。
JR東海は2022年4月、東京電力の内諾を得た上で、工事期間中の約10ヵ月間に限って、毎秒0.2トン分の自主抑制をしてもらう「田代ダム案」を県専門部会に提案した。
東京電力は田代ダムの取水に毎秒4.99トンの水利権を有しているから、一定期間、自主的にJR東海に協力する姿勢を見せた。
ただし、毎秒4.99トンの水利権は既得権であり、今回の措置とは全く無関係であることを流域住民ら理解してもらうことが協力の条件だった。
このため、3月13日現代ビジネス(ついにJR東海の「大反撃」が始まった…リニア静岡工区着工で突かれた川勝知事の「大矛盾」)記事の通り、“田代ダム案”を巡るJR東海と静岡県の攻防が激化している。
県は3月3日、独自に問い合わせたところ、「現時点では大井川利水関係協議会の流域関係者の理解が得られているとは考えていない」と東京電力の回答があり、JR東海が「東京電力の確約」を得るのは困難であると指摘した。
この指摘に対して、JR東海は3月8日、「東京電力と協議を開始することでの了解」を要請する文書を県に提出、“反撃”に出た。
同文書で、“田代ダム案”は1、リニア問題解決のための限定的な対応であること、2、東京電力の水利権に影響を与えないことを流域の関係者に個別に説明することの了解を県に要請した。
ところが、県は翌日の9日、知事コメントとともに森副知事名で、回答書をJR東海へ送り、流域関係者へ個別に説明することは、大井川利水関係協議会規約に違反するので、個別交渉をやめるよう求めた。
さらに川勝知事は「水利権に関することは極めて慎重に関係者で協議すべきものと考えている」などと、“田代ダム案”が「水利権」に関係するようなコメントを出したのだ。
静岡県は川勝知事の意向に沿って、「山梨県の調査ボーリングをやめろ」という行政権限を無視した主張を行うとともに、“田代ダム案”をつぶすことに躍起である。
強引な方法で計画に赤信号
次回の水利権更新は2026年。この水利権更新に当たって、県河川砂防局所管の「大井川水利流量調整協議会」が開催される。この協議会に参加する市町は、静岡市、島田市、川根本町である。
ところが、水利権問題に全く無関係の田村・吉田町長は「取水抑制できるなら、東京電力は次の水利権更新である程度の水を返すべきだ」などと川勝知事と歩調を合わせた発言をしている。
そもそも3月8日のJR東海の文書は、「田代ダム取水抑制案が東京電力の水利権には影響を与えないこと」について県の了解を求めたが、県は“田代ダム案”の了解に触れなかった。
このため、JR東海は13日、あらためて静岡県に文書を送り、“田代ダム案”が東京電力の水利権と関係ないことを県に了解してもらう旨を要請した。
県は14日、「大井川利水関係協議会で説明を受けた後、協議会会員の意見を踏まえ回答する」という文書をJR東海に送った。同日の定例会見で川勝知事も水利権に関わる発言を封印、同協議会の意見を尊重するとした。
実際は、知事コメントを見ればわかるように、静岡県は同協議会会員に根回しを行い、27日の会議で水利権を持ち出して東京電力が「確約できない」よう流域市町に求めている可能性が高い。
ただ静岡県が再び、強引な手法を取れば、リニア計画そのものに赤信号が灯る。会議は全面公開で行われるから、流域首長たちが県を支持する意見を述べれば、リニア沿線の都府県住民らの恨みを買うことは間違いない。
結果次第で川勝知事は、リニア中央新幹線の早期実現を願う沿線都府県の住民らをすべて敵に回すことになる。
リニア、高速道路、基地等の敷地は国の直轄地とせよ!!!